答え合わせ
「キラ、思い出した?」
白い空間。目の前にはラファエル。
「うん、思い出した」
そう、前世で僕は彼女と出会い、そして彼女のために命を落とした。
「なんで忘れてたんだろうね。正直、キラは私のために命を落としたようなものなのにね」
「うん、なんでだろ。なんで忘れてたんだろ」
「多分、忘れたいってキラが強く願ったんじゃないかしら。人って本当に忘れたいって思った事は忘れるそうだから。けど、私の事を忘れたいって思ったのはなんかショックね」
いや、そんなはずはない。僕は彼女が好きだ。彼女に会うために生まれ変わった。僕の心の中の謎が一つ解けた。サリー、モモさん、リナとか魅力的過ぎる女性たちに言い寄られても、好きではあるけど、なんか踏ん切りがつかなかった。その理由は間違いなく彼女だ。エル、ラファエルが前世から僕の心に住み着いてたからだ。けど、僕がキラ・シドーとして生まれてもう16年は経ってる。それなのにエルは、前世の僕が出会った時と全くそのままだ。
「エル、なんで姿が変わってないの?」
「あ、そうよね。びっくりするわよね。私は姿が変わらないの」
姿が変わらない? 年をとらないって事?
「君は何なの?」
「妖精よ。人から妖精になったの」
「それじゃ、どうやってこの世界から日本に行ったの? 日本には行けるの?」
僕も行けるなら日本に行きたい。
「行けるけど、行けるのは精神体、ようは幽体離脱のような事しないと行けないわ。あっちからこっちに物質を送る事はできるけど、こっちからあっちにはかろうじて形ないものしか送れないの」
「でも、あっちでは確かにエルには実体があったじゃない?」
「あれは、姪っ子の体を借りてたのよ。私は日本からこっちに転移して、どうにか精神体だけ飛ばして、あっちで色々集めてこっちに送ってたのよ」
姪っ子に取り憑いてたのか。取り憑かれてた時には姪っ子の記憶は無かったんだろう。だから、鏡の中のエルは僕を知らなかったのか。
「なんで? なんで日本に行ったの?」
「それはキラだって良く知ってるでしょ。この世界には未だ魔王が存在してる。それを何とかしない限り、広がった人類の支配域はまた減ってく事になるわ。死王の緩衝地が無くなった今、また大きな戦いが始まると思う。私はここから動けないから、未来はあなたたちに託すしかないのよ。あーあこうなるってわかってたら、キラにはもっといい神晶を渡すべきだったわ」
「あの、僕、僕自身の神晶の神様知らないんだけど」
「あ、言ってなかった?」
「うん」
「アヌスよ。アヌス神よ」
はぁ? アヌスだと……
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