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 失われた記憶 2


 寝て夢を見て、その中で夢を見てる。いや、夢なのだろうか? 目を閉じて記憶をたどってるような感じだ。


 最初の記憶はおぼろげなもの。多分、三歳くらいのものだろう。前世の母親の友人の家で猫と遊んでる。灰色の記憶で猫の柄もわからない。場所もどこだったのかわからない。今の僕からしたら大した事じゃないけど、子供の僕にとっては猫という動物と触れあったのは大事件だったから覚えてるんだろう。

 それから僕は幼稚園、小学校、中学校と上がっていく。田舎で受験もせず、高校も成績で無難なとこに行き、大学も無難なとこに進学。部活に入る事もなく、友達はいるけど親友と言える人はなく、彼女もいなかった。ただ流されて僕は生きていた。そして都会の会社に就職するけど、一年も経たずに辞めて、コンビニでアルバイトで生活。会社では社員はみんな努力して役職をあげるために頑張っていた。その競争っぽいものが窮屈だった。それよりはそこまで人と接する事もなく、そこまで責任もない気楽なアルバイトの方が僕には心地よかった。大した趣味もないから、家賃水光熱費と食費くらいしか使わないからそれでも金銭的には余裕があった。

 コンビニには色んな人がくる。その中でも深夜や早朝には癖が強い人が増える。

 特に一風変わった、一人の少女に僕は興味が尽きなかった。初めて会った時の事が忘れられない。いや、今、思い出した。頭の中がこんがらがる。今まで忘れてたのが嘘みたいだ。

 その日は朝の5時半、店には惣菜の品出ししてる僕と、バックヤードで冷蔵庫の飲料の品出ししてる海外からの留学生の男の子だけしか居なかった。来店を知らせるベルが鳴り、入って来たお客さんの方を見る。え、ヤバすぎだ。アイドル? 芸能人? めっちゃ綺麗な女の子。すらっとしてて頭は小さいのにスタイルもすごい。艶やかな黒い髪は光を照り返し緑っぽい色、玉虫の羽根みたいだ。あ、つい凝視してしまって目が合ってしまった。緑色のまるで宝石みたいな瞳。けど、まるで僕など最初からいなかったかのように興味を示すことなく、彼女の視線は流れていく。


 間違いない、彼女はラファエルだ!


 今さっき僕の額に触れたラファエルと、コンビニに来た女の子。同一人物だ。ただ、髪の色はコンビニの方が濃い。けど、なんで僕は忘れてたんだろう。さっきの彼女のフレンドリーさも納得いく。なぜなら、僕と彼女はかなり仲が良かったはずだと思う。色んな事があったと思う。忘れてしまってるけど、流れ的に今から思い出されてくれるのだろう。

 

 

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