姉?
「その女の子、モモって名前じゃなかったか?」
「そうそう、手コキのねーちゃん。確かそんな名前だったなー」
手コキじゃねーわ。
「てめー、モモさんに何しやがった」
「軽く揉んでやっただけだ。もみもみってな」
「ぶっ殺す!」
モモさんは大事な仲間だ。こんな変態に襲いかかられたら、かなりトラウマもんだっただろう。やはりコイツは悪だ。邪悪の化身だ。ここで引導を渡してくれる。アビゲイルの件もあるしな。そう、アビゲイル!
「そうだ、アビゲイル、あいつはお前の娘なのか?」
「いや違う」
良かった。やっぱりあの残念娘と僕は血のつながりはないんだな。
「息子だ!」
「死ね」
つい、激しい言葉が。コイツ最低だな。
「んあ、おめーが死ね」
「お前が死ね死ね」
「おめーが死ね死ね死ね」
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「ちょっと二人とも、そんな子供のような言い争いしないで、さっさと殺し合ってくださいよー。もう飽きてきたっす」
う、子供に子供って言われた。
「クソ親父、てめぇ自分の娘に何してんだよ」
「だから息子だって」
「かあさーーん」
「いちいち母さんを呼ぶな。聞かれたらシメられるだろ。わーった、わーったって。反省してんだよ。だって息子が欲しかったんだもんっ。夢だったんだよ。息子をしごくのが。あ、勘違いするなよ。息子はリアル息子だからな、自慰行為をしたかったって意味じゃねーからな」
さらって、下ネタを……
「それぐらいわかるわ! て事は……」
アビゲイルは僕の姉ちゃん?! あんな姉貴いやだ。せめて妹であって欲しかった。
「そうだ。おめーの兄弟だよ。まあ、母さんの前の嫁さんとの間の子だから、俗に言う腹違いってやつだな。義理の姉じゃなくて残念だったな」
「ほう、そうか、じゃ、お前は自分の娘、いや、僕の姉ちゃんの人生をめちゃくちゃに弄んだって訳か?」
「弄んじゃいねーよ。きっかけは俺だったかもしれんが、あとはあいつが勝手にそうなったんだ。それについては、もうさんざん母さんにドツき回されてるから、もう勘弁してくれ」
「せめて、あいつに羞恥心だけでも教えてくれよ。あ、無理か、親父自身が羞恥心ゼロだもんな」
「おいおい、しょうがねーだろ。どうしても心は体に引っ張られんだから。おめーも、服着てる竜なんざ見た事ないだろ。けど、パンツくらい穿くべきか? パンツァードラゴーン。なんか格好いいな」
こいつさらりと自分を竜だって暴露しやがったな。話してて正解だった。
「おっさん、パンツァーって、ドイツ語で装甲とか戦車って意味って書いてありますよ」
え、マグロの手にはスマホ? ググってんのか。て言うかそれくれ。
「そうかー。装甲か。まあ、パンツが装甲っていうのは真実だろ。じゃ、アビゲイルには竜の時にもパンツ穿かせて、パンツァードラゴーンって名前で売り出すか。マリーちゃん、これで解決だろ」
「解決してるかー!」
ツッコみながら考える。やっぱり親父が黒竜王なのか。
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