動きの謎
手元にあるのは五十センチにも満たない棒。武器としては心もとないが無いよりマシか。もし親父に攻撃が当たったとしても、触れなくていいのが最高だ。多分カップが無い方が武器としては優秀だろう。
「行くぞ、ちょいやっさー」
親父は相撲の立ち会いのポーズをとると、諸手を上げそのまま突進してくる。まただ、謎突進だ。両足を動かさずに進むなんて訳わかんない。念動力かなにかなのか?
「グラビティ・ゼロ!」
僕は重力をカットして飛び上がる。ギリギリでかわしたが、多分あの両手の狙いは僕の胸。ブッ殺してー。にしても臭ぇ。交錯しただけで悪臭が鼻をつく。卵の腐ったような臭いが鼻に残滓となって残る。ここで閃いた。この臭いは体臭じゃない。屁だ。
「まさか、その汚ぇなりが、自分の戦闘方法を隠すためだったとはな」
親父を見下ろし、奴の能力のネタばらしをしてやる。
「ほう。気付いたのか。そうだ。俺様の攻撃方法はロトンブレス、移動手段は屁だ。自分の重さを無くしたら、屁でも十分に前進できる。だがそれだとどうしても臭いでバレちまう。気を隠すなら森、漏れる悪臭を誤魔化すためにきっつい体臭を演出してるという訳だ」
「何ドヤってやがる。入れ風呂!」
「ああ、その格好なら、パパはいつでも一緒に入ってやるぞ」
うわ、キモっ。
「黙れ! 変態!」
「良い眺めだなー。なんだ、おめー、男のくせにヒラヒラしたパンツ穿きやがって。男は黙ってふんどしじゃい」
あ、下から、親父からはパンツ丸見えだ。僕はワンピースの裾を押さえる。
「うげっ、見るな変態! お前は見境ないのか。息子のパンツ見て喜ぶな!」
「喜んどらんわ。別に見たくて見てる訳じゃねーよ。ほら、なんかヒラヒラしたもの見るとつい、目を向けてしまうだろ。これは狩りを生業としてたときの名残。男はヒラヒラしたものが視界に入ったら見るものなんだ。決してパンツだけに興味がある訳じゃない」
そうそう、ヒラヒラしたものってつい見ちゃう。それって、ハンターとしての習性なのか。僕もJKがスカートヒラヒラしてたらつい目が行ってしまってたものだ。僕は決してロリコンじゃない。本能だったんだ。猫と一緒だな。いかん、そんな事より、今は親父だ。アイツをなんとかしないと。
「そんなに下着が好きならランジェリーショップにでも行きやがれ」
こんな不審者が女性下着売り場に近づこうものなら、即逮捕だよな。
「勘違いするな、俺は下着なんかに興味はない。興味があるのは中身だ」
「このエロ親父が。堂々と下着の中身に興味があるとかほざくな。ほら、そこには子供だっているだろ!」
まあ、マグロは中身は大人だし下品極まりな生き物だけど、親父はそれをぶっ飛んで凌駕してるな。そもそも、僕だって体は女の子だから少しは自重しろよ。
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