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 浄化


「おいおい、何勘違いしてんだ?」 


 親父が腰に手を当てて僕を見上げる。


「ほらよく言うだろ。人間外見より中身が大事だって、何勘違いしてるのかなー。頭の中がエロエロなのはマリーちゃんの方じゃないでちゅかー」


 コイツにだけは言われたくない言葉だな。


「紛らわしい言い方するな。本当は、人間性なんかより女の子の裸にしか興味無いくせに。ていうか、見んな! こっち見んなよ」


「マリーちゃんが男の子なのに、そんなの穿いてるからつい目に入っちゃうんだよーん」


 この下着はサリーに強制されてるものだ。別にボクサーパンツでもいいんじゃないかと思うが、ダメらしい。


「これは無理矢理穿かされてんだよ! 好きで穿いとらんわ!」


「じゃ、脱げ」


「脱ぐかバカ!」


「なんだ、俺はこの下フルチンだぞ」


 きたな!


「おいっ、さっきはふんどしとかなんとか言ってなかったか?」


「下はフルチンでも、俺の心の中ではふんどしを穿いておるっ!」


 なんで、このクソ親父は訳がわからん事いってるんだ? 頭湧いてんのか? もしかして、時間稼ぎ? スキルのクールタイムか?


「なんすか、これ、めっちゃ臭いんですけど! にがっ!」


 なんかマグロが泣き叫んでる。毒ガスが流れたのか。うわ、下には降りたくないな。


「どうだ、メスガキ。俺のお尻から出た気体を鼻や口から吸い込んだ感想は? サイコーだろ」


 言い方……最低すぎる。表現が下品というか汚い。汚すぎる。


「ちょっとー、マリー様、このオッサン最悪なんですけど、早くこの汚物、消毒してくださいよー」


 汚物! 消毒! そうだ、僕の浄化の魔法でアイツの悪臭はガードできるんじゃ? 


「でかしたマグロ! 浄化(ピュリファイ)


 ブーストした浄化の魔法を球状にして地面に数発放つ。可哀想なマグロにも。


「ありがとうございます。マリー様。もう臭く無いです」


 マグロの弾むような声がする。元気になって良かった。おお、さすが僕の浄化。良い仕事してる。


「マグロ、離れてろ。そいつは何するかわからんぞ」


「はーい」


 素直にマグロはクソ親父から距離をとる。マグロは邪神だから良かったけど、普通の人間なら一撃死しかねない。


「食らえ! 浄化、乱れ打ちっ!」


 とりあえず十数発、浄化球を親父に放つ。人並みに綺麗な体になりやがれ。


「おっと、ひゃっ。そんなへなちょこなたまたま、俺様にかすりすらせんぞ」


「なんでかわす? 大人しく綺麗になれよ」


「誰が好き好んで息子のたまたまに触れないといかんのだ!」


「せっかく子供がパパを綺麗にしてやろうとしてんだから、大人しく受け取れ」


 再び浄化球をさっきの倍くらい、二十前後ぶっぱなってやる。


「うひゃひゃひゃ、そんなん当たってたまるか。たまなだけに」


 くっだらねー事言いながら、親父がくにょくにょ避ける。今、明らかに背骨が直角に曲がってなかったか? 



 読んでいただきありがとうございます。


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