海クエ
パジェロ島の村の名前はまんまパジェロ村で、レストランでワンドリンクだけ飲んで情報収集し一通り回ってみた。住んでるのはリザードマンだけで、海産物を迷宮エリアの街『迷宮街』と取り引きして細々と生活してるそうだ。ここまで来る冒険者は滅多に居なくて僕らは歓迎されてるみたいだった。料金はまけてもらえなかったけど。
村の人に教えて貰って大きめなログハウスに入る。ここが村長宅だそうだ。次のエリアに行くためのクエストは村長から受注するそうだ。
「で、お前がなんで居る?」
「それは、高貴なる私はここの村長も兼任してるからだ」
なんか珊瑚っぽいもので飾り付けられている趣味が悪い玉座に座ってるのは漕い顔のイケメン、ヴァンパイアロードエビシ。さっき海に放流したはずなのに帰ってきたのか。
「海に叩き込むか。ウシオ。やれ」
「おーっと、待った待った。私に危害を加えたら次のエリアには行けんぞ」
「じゃ、クエスト達成だな。行き方を教えろ」
「いやいや、私も仕事だから、ちゃんとお主らにクエストを授けないとお仕置きされるのだよ。知り合いだからと言って無かった事にはできんのだよ」
「じゃ、クエスト発動。邪悪なヴァンパイアロードエビシを討伐せよ! これでいいな。ウシオ、やれ」
「まーった。待った。全く血の気が多いスイカバスト娘だな。落ち着け落ち着け。私を討伐しても進めないぞ。ここのリザードマンたちは下に行く方法は知らんからな。進めるかどうかは私の胸先三寸で決まるって訳だよ。どういう意味か賢いお主らならわかるだろう」
「わかるわよ」
サリーが胸の前に手を合わせて微笑む。
「拷問して聞き出せって事ね」
んー、いかんなエビシと絡むとサリーが凶暴になる。
「違う違う、決して私はそれは望んでないぞ。ほら、私の心証を良くすれば少しは難易度が低いクエストを授けるかもしれないぞ」
僕らに賄賂かなんかサービスしろって言ってるのか? 何が高貴なんだ?
「ほう、お前がいいたい事はよーくわかった。ウシオ。やれ」
「あー、なんでそうなるのだ?」
「ん、腐ってもお前のご機嫌とりなんかしたくねーんだよ。いーよ。自力でなんとか進むから」
「おお、ザッツライト! 正解。正解ですぞ。ここで私に媚びたら、クエストの難易度があがるという、罠だったのだよ。クエストは最初っから決まっている。この紙を読んでみろ」
んー、なんか胡散臭いな。ま、読むだけ読んでみるか。
『緊急クエスト! ヴァンパイアロードとの熱いバトル! 野球拳で吸血鬼の服を全部剥ぎ取れ! 裸になったらゲームオーバー。神殿に戻っちゃうぞ!』
可愛らしい字だな。けど昭和っぽい字だな。丸字ってやつか? エビシの字じゃなさそうだから精霊女王の字だな。確定だな。精霊女王も転生者。けど、水着で野球拳? サドンデス過ぎるだろ。
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