くえ、くえ、くえ!
「誰がそんな事するか! ばか! そんなに野球拳したいなら一人でやっとけ!」
何が悲しくて水着で野球拳せにゃあかんのだ。エビシからするとただのボーナスゲームじゃねーか。なんか奴、海なのにやたらカチッとした格好してると思ったら、これが狙いだったのか。
「おお、一人野球拳。その手があったか。って、それってただのストリップじゃないのか? 誰得であるのか?」
うん、誰もお前のソロ野球拳なんか見たくねーよ。
サリーがびしっとエビシを指差す。
「マリーちゃん、やっぱこいつは邪悪なヴァンパイア。あたしたちとは受け入れられない存在なのよ。さっさと浄化してしまいましょ」
「ご主人様、加勢します!」
ウシオが高速でエビシの後ろに回り込み羽交い締めする。
僕はエビシをツンツンする。触れたとこから煙が上がる。さすが聖なる力が溢れるマリー。ヴァンパイアの天敵だな。
「ひー、痛い、痛い、痛い。止めるのだスイカバスト」
エビシは体をよじるけど、避けようとはしてない。なんか嬉しそうだしもしかしてご褒美になってるのか?
「冗談。冗談だよ。ちゃんと2通もらってきてる」
エビシはもう一つ手紙を出す。え、今ウシオをすり抜けたな。相変わらず芸達者な奴だ。手紙を受け取り開けて見ると。
『緊急クエスト! クエ食えクエ! 海ででっかいクエを捕まえろ! 半分は食べていいけど、半分は献上してね』
「クエだと?」
少し心躍ってしまった。恥ずかしながら僕はクエを食べた事ない。ずっと昔から一回は食してみたいと思ってた。たまに水族館に泳いでる奴を見て舌なめずりしたものである。『クエを食えば他の魚は食べられない』と言われるほど美味いらしい。
「クエがいるのか?」
「左様。前に女王様が捕まえてきて、しっかり育つ魔法をかけて海に放流したそうだ。ここらは浅瀬ゆえ、多分深い海域にいると思われる。これなら文句ないだろう」
僕は仲間を見渡す。みんな首肯する。
「じゃ、決まりだ! クエを狩るぞ!」
「お主ら、水中呼吸の魔法は使えるのか?」
「えっ、そんな便利なものあるのか?」
僕はサリーを振り返る。
「王国では聞いた事ないわ。多分需要が少ないから、研究されてないのかも。お爺ちゃんなら知ってるかもしれないけど」
お爺ちゃんとは学長の事だろう。居ないから仕方ない。
「そうだろうと思って、女王様からプレゼントだ。マジックネイルのウォーターブリージングブルーだ」
ん、なんか聞いた事ある言葉だな。水、呼吸、青? 商標的に大丈夫か?
エビシ言うにはそれは魔法のマニキュアで、塗ると水中呼吸できるようになるらしい。爪一つで十分。両手両足で二百分潜れるって寸法か。
そして、海に行き、深い所を教えてもらって、魔法が働いてる事を確認して僕らは海に沈んで行った。
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