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8:接近戦

なんとか敵を倒した世麻は仲間を探しに…


!注意!

血の表現が出てきます。

苦手な方にはおすすめできません。

今にも壊れそうなこの部屋には、血が飛び散っていて

音麻《ねお》の血なのかどうなのか分からない。


この戦闘に決着はついたのか?

どっちにしろ、音麻が無事ならこの胸騒ぎも治まるのだろう。





                   接近戦




僕の能力《ちから》はやっと静まり、

音麻がいるのであろうこの部屋にたどり着く頃には、すっかり姿を消していた。

体も自分の意思で動くし、精神的にも落ち着いてきた。


建物内を歩いていると、幾つもある部屋のひとつに殺気が漂っていた。

銃を構え、部屋に突入したがこの有様だった。

息を凝らすものの、腕の傷が疼いて息がもれる。

殺気の正体は分からない。


「ハァ…。」

柱の角に隠れるようにもたれた。

自分で傷つけるならもっと浅く傷つけるんだった。

もう遅い後悔をしながら痛む腕を押さえた。


「ぜ、お…?」

か細い音麻の声が聞こえた。

「音麻?」

柱からそっと覗いてみると、血まみれになった音麻がいた。

「おい!」

急いで駆け寄ってみるが、音麻には大きな怪我は見当たらず

音麻の血ではないことが分かる。

「よかった…。世麻《ぜお》の気配がするから、来てみたら…。」


音麻はゆっくりと近づいてきた。

その途端、音麻は凄い形相で走ってきた。

手に光るナイフはしっかりと僕を捉える。

キンッと高い金属音と共に音麻のナイフが飛んでいく。

隠し持っていたナイフで僕は音麻のナイフを弾き飛ばした。


「音麻の顔被ってんなよ?」

「なんで分かった?」

相手は顔を粘土のように操る。

気持ち悪いほど顔は変わっていき、ある顔に手は止まった。

「音麻はここに来る前、ガキに銃を打ち込まれた。

その傷がないのは可笑しいだろ?」


「…なるほど。次から気をつけるよ、ゼオくん。」

「気安く呼ぶな。何で名前を知ってる?」

「さっき殺った奴が呼んでたからね。ずーっと。」



音麻は待ってた。

僕を…

音麻は助けを求めていた。

僕に…


僕にとって仲間はいまいち分からなくて。

それでも、仲間に助けられた。

その仲間と別れる事になっても、せめて、新しい仲間に『ありがとう』と言えるように。

…僕はまだ『ありがとう』って言えてない。

新しいチームで人一倍頑張ってくれた音麻に。


なぁ…、音麻?

ごめんな…



僕はナイフをしまった。

その代わりに銃を構え、走り出した。

相手は落としたナイフを拾い、構える。

発泡すると、ナイフで弾を弾き飛ばした。

「ちっ…。」舌打ちをひとつ打ち、銃をもう一度発砲する。

相手はうまく柱に隠れて避ける。

弾を素早く取り替え、隠れた相手を目で探す。


気配を隠した相手はなかなか見つからない。

かと言って、動いて探すのも気が引ける。


相手はナイフを持っていた。

服装から見て、その他の武器を隠し持っているとは考えにくい。

能力《ちから》は自由自在に顔を変えられる。

それくらいしか分からない。

能力《ちから》は普通ひとつだが、あの程度の能力《ちから》で

反組織の名を口にするのは難しい。

そう考えると、何か裏がある。

それに、簡単に音麻が負けるのは何か理由があったはずだ…。

「考え事は戦闘中にダメだよ。」

急に背後から感じた気配に驚いて反応が遅れる。

相手のナイフが僕の頬をかすめた。

血が頬を流れ、相手と僕の間に沈黙が一瞬流れる。


沈黙を破るように同時に動いた。

僕は一旦しゃがむと相手に蹴りをいれ、体制を崩させる。

蹴りはうまく入り、ほんの少しよろけた。

そこにもう一発蹴りをいれた。


「くそっ。」

相手は柱に体を打ちつけた。

ゆっくり立ち上がると、口元の血を乱暴に拭いた。

「お前、名は?」

僕の問いに、頬を少しあげ血の混じった唾を吐いた。

「誰が言うかよ!!」


地面を強く蹴り、僕に飛び掛ってくる。

相手の拳を避け、僕も相手を殴る。

相手も避け、放られた僕の手を相手は強く握った。

「…何故、ゼオくんに名乗る必要がある?」

「勝手に名前を知られて気に障るからだ。」

「やり返すの?子供だね。」

相手はニヤリと笑う。

体をねじり、蹴りを入れようとしたが僕の手を離すだけで当たりはしなかった。


銃を発砲するが避けられる。

さっきの戦闘で能力《ちから》を消費した僕は

莫大な能力《ちから》を使って倒すことは出来ない。

相手の行き先を阻み、発火するので精一杯だった。


相手は自分の腕を弄り始めた。

さっき顔にやったように粘土のように操る。

腕は化け物のような形になる。

そのまま僕に向かってきた。

派手な金属音が響く。

相手は腕のはずなのに、硬く、鋭かった。


銃を発砲しても、避けたり、腕で防ぐ相手に傷は付かなかった。

銃の弾にも限りがある。

まだ、任務は続く中、弾を切らすわけにはいかない。

銃を丁寧に終うとナイフを強く握った。

汗ばむ手はナイフを滑らせた。



ダメ文を読んで頂いてありがとうございました。

感想や評価も頂ければ嬉しいです☆

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