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汚い勝利  作者: 黄金の右脚
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9/10

ウンコ養豚計画


「あ、それから今すっごい計画を考えているんでけど聞きたい?」

 中村博士はさり気なさそうに聞いてきたが、その顔は 「聞いて欲しいんだぞ!」 というオーラをギンギンに放っていた。

 こういうのは素直に聞いておいた方がいい。

 こういった状況で断った場合、あからさまに不機嫌になるか、ショックでがっかりするかのどっちかだ。


「興味あります。聞いてみたいなぁ」

 口ではそういったが、本当は興味ゼロ。

 心にもないこと言ったので台詞は棒読み。

 言葉に心がこもってないのは明らかだったが。

「そこまで言われたら、話さない訳にはいかないなぁ♪」

 と、中村博士は俺の真意に気付いてない。

 中村博士は人の心を読む才能がないのか? それとも、話したい気持ちが強過ぎて真意を見抜けなかったのか?

 

「皆さんも食糧難に気付いているだろ」

「まあ、いちおうは……」

 終戦後、この戦争が我が国に残したもの。それは極度の食糧難であった。


「そんな光景を目の当たりにした私は、なんとかウンコから食糧を作ることができないかと思い悩んだ」

(またウンコの話か……)

 真面目な話なのに中村博士が言うと、何故かギャグっぽく聞こえてしまう。

 それもこれも中村博士の会話の内容がウンコばかりだからだ。

 そのせいで真面目な話も低級ギャグみたいになってしまうのだ。


「しかし、ある時に私の頭にウンコの仏様が現れてアイデアを授けてくれた」

「……」

 俺が心の中で呆れてた時も中村博士の話は続く。


「そのアイデアは、人間のウンコも貪欲に食べる中国の豚を大量輸入し、食料危機に備えた 『ウンコ養豚計画』 だ」

「「「「うわぁ~~~~」」」」

 俺を含めた四十一人全員が聞いた途端に呆れ顔になった。



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