ウンコ養豚計画
「あ、それから今すっごい計画を考えているんでけど聞きたい?」
中村博士はさり気なさそうに聞いてきたが、その顔は 「聞いて欲しいんだぞ!」 というオーラをギンギンに放っていた。
こういうのは素直に聞いておいた方がいい。
こういった状況で断った場合、あからさまに不機嫌になるか、ショックでがっかりするかのどっちかだ。
「興味あります。聞いてみたいなぁ」
口ではそういったが、本当は興味ゼロ。
心にもないこと言ったので台詞は棒読み。
言葉に心がこもってないのは明らかだったが。
「そこまで言われたら、話さない訳にはいかないなぁ♪」
と、中村博士は俺の真意に気付いてない。
中村博士は人の心を読む才能がないのか? それとも、話したい気持ちが強過ぎて真意を見抜けなかったのか?
「皆さんも食糧難に気付いているだろ」
「まあ、いちおうは……」
終戦後、この戦争が我が国に残したもの。それは極度の食糧難であった。
「そんな光景を目の当たりにした私は、なんとかウンコから食糧を作ることができないかと思い悩んだ」
(またウンコの話か……)
真面目な話なのに中村博士が言うと、何故かギャグっぽく聞こえてしまう。
それもこれも中村博士の会話の内容がウンコばかりだからだ。
そのせいで真面目な話も低級ギャグみたいになってしまうのだ。
「しかし、ある時に私の頭にウンコの仏様が現れてアイデアを授けてくれた」
「……」
俺が心の中で呆れてた時も中村博士の話は続く。
「そのアイデアは、人間のウンコも貪欲に食べる中国の豚を大量輸入し、食料危機に備えた 『ウンコ養豚計画』 だ」
「「「「うわぁ~~~~」」」」
俺を含めた四十一人全員が聞いた途端に呆れ顔になった。




