常識を覆す画期的原料
「中村博士、新型爆弾の原料をお教えください」
散々考えた挙げ句、俺は聞くことを決めた。
やらずして後悔するよりも、やって後悔する方がマシ。
古いことわざにも 『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』 というのもある。
物凄い考えたつもりだが、実際に考えるのに使った所要時間は一分だったが。
まあ、中村博士をあんまり待たせる訳にもいかないしね。
「では中村博士。新型爆弾の原料を教えてください」
「うむ」
んで聞くことになったが。
「「「「ドキドキ! ドキドキ!」」」」
みんな緊張して心臓の鼓動も早まりドキドキ状態。
皆さんプレッシャーに弱いのね……。
「新型爆弾に使用した原料は 『人糞』 なんだ」
それはこれまでの常識を覆す画期的原料から作られていた。
なんと、ウンコだったのだ。なんと有り得ない原料か。
「「「「ズコーーーーッ!」」」」
大体予想がつくと思うが、この事実を知った兵士達は全員ズッコケた (笑)
無論俺もズッコケた (汗)
四十一人がズッコケた光景はある意味壮大。中村博士を取り囲むように立っていた四十一人がまるで花のつぼみが 『パァーーーーッ』 と、花開くようにぶっ倒れた。
「皆さんどうしたんですか?」
一方、中村博士はズッコケた俺達に何がなんだか分からないようで、キョロキョロと見回していた。
「中村博士、なんの冗談ですか」
「そうだ! 冗談抜きで真面目に教えてくださいよ」
中村博士が冗談でそんなことを言ったと思った一部の者は真面目に話してくれと言った。
「いや、冗談とかギャグとかそういうのじゃないですよ」
だが、肝心の中村博士は至って真面目。
それに、それを言ってる中村博士の顔は真顔。嘘を言っているようには見えなかった。
「「「「マジか……」」」」
これまた度肝を抜く衝撃的な事実。
聞いた四十一人は口あんぐり。
「そんなに驚くことですか?」
一方で中村博士は驚く者達の反応がオーバーリアクションだとでも言いたさげな目で見詰める。
「「「「驚くことですよ!」」」」
と、数人が声を揃えて中村博士に反論する。
「しかし不思議ですなぁ。新型爆弾の実験の時も将校の皆様も度肝を抜かれた用にしてましたし、皆様どうかしているんですか?」
自分の常識が他人に通じないなら、その人の常識を疑う。
当たり前と言えば当たり前だが。
「「「「んな訳あるかぁ!!」」」」
必ずしも、その常識が正しいとは限らない。
むしろその逆なことも有り得る。
中村博士は偉い研究者であった。実際に 『偉い研究者=常識人』 というイメージがあるが。
中村博士を見ていると、そういったものがまるで感じらんない。
所詮、イメージはイメージ。
現実とイメージが同じとは限らない。
まあ、全てが全てそうと決まった訳ではないが、少なくとも中村博士は世間一般の思い浮かべる常識人で無いのは明らかだ。
「中村博士、そもそもなんで人糞なんか爆弾の材料に使おうとしたんですか?」
中村博士の説明は少々理解に苦しいものがあったので、俺はしつもんをオブラートに包んでし直した。
「それは私が五歳だった時に、近所で一人遊んでたときのことだ」
こと この言い方、長くなりそうな予感。




