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汚い勝利  作者: 黄金の右脚
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4/10

聞いてみた


「中村博士、単刀直入にお尋ねします」

 勇気を出して中村博士に聞く。

「はい、なんでしょうか?」

 中村博士は微かに首を傾ける。

「ろくな原料も無いのに新型爆弾をどうやって作ったんですか?」

「新型爆弾のことですか……」

 中村博士は少し言うのを躊躇うような仕草を見せる。

 なんとなく予想していたが、新型爆弾の原料と製造方法は軍の機密情報で、中村博士は機密保持のために口を封じられているのではないだろうか。

 そう思った。

 しかし……。


「いいですよ。お教えしましょう」

「本当ですか!?」

 意外なことに中村博士は新型爆弾の原料を教えてくれるという。

 ムリっぽい雰囲気で諦めムードだった俺は無意識のうちに大きな声を上げてしまっていた。


「中村博士、話してしまっていいのですか?」

「新型爆弾は軍のトップシークレットではないのですか?」

 何人かが中村博士に軍の機密情報でないかと心配したが。


「特にそういうものではありませんよ」

 と言うように新型爆弾は軍の機密情報とは、なんも関係なかった。


「ただし、新型爆弾の説明をしても文句を言わないでくださいよ」

 何故か中村博士は小難しい顔で俺達に問い掛けてきた。

 改めてそう言われては、よく分からない不安に近い気持ちになる。

(新型爆弾にどんな秘密が……!?)

 そんなことを考えてしまう。


「キョロッ」

 そんなんだから他の同志達に目をやるが。

「「「「……」」」」

 他の同志達も、俺と同じように未知の不安感に苛まれているようだった。


「うーーむ……」

 どうしようか悩む。

 今ならばまだ聞かずに帰ることもできる。

 だがそうしたら、いよいよ後悔が胸にこびりつくだろう。

 そこであれやこれやと頭の中で考えを巡らす。


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