第8話 甘酒と、ここ掘れワンワン
今日は、宇宙船で、
小型のコンテナの輸送作業を行った。
宇宙船を自動運転にして、
戻るところだ。
作業を終えて、
椅子に座り、のんびりしていると、
ふと、後ろが気になった。
振り向くと、
くーちゃんが、
ソファーに横になったまま、
じっ、と、こちらを見ている。
目が合った。
くーちゃんは、
耳を、ぴくり。
その次の瞬間、
急に、立ち上がった。
そして――
シャカシャカ。
シャカシャカ。
ソファーを、
一心不乱に、掘りはじめる。
……ここ掘れワンワン、
というやつだろうか。
当然、
何も出てこない。
それでも、
なぜか、
少し、得意げだった。
そこで、
俺の腹が鳴った。
……あ。
そういえば、と思い出す。
***
仕事終わり、
スペースポートを歩いていたときのことだ。
通りに、
甘い香りが、漂っていた。
その先に、
「開運・甘酒」
と書かれた看板が立っている。
白い割烹着を着た、
やけに声の高いおばちゃんが、
甘酒を売っていた。
急いでいたけれど、
飲んでいる人が、
なんだか美味しそうだった。
気づけば、
甘酒のパックを、
一つ、買っていた。
「よかったら、
中華まんもどうだい?」
そう言われて、
並んでいるものを見る。
酒まん、
桜まん、
よもぎまん、
黒糖まん、
抹茶まん。
……なぜか、
肉まんと、あんまんは、なかった。
少し迷って、
桜まんを選ぶ。
***
甘酒を、
コップに注いで、
レンジで温める。
ついでに、
少し冷えてしまった、
桜まんも、温めた。
振り向くと、
いつの間にか、
くーちゃんが、すぐ後ろにいる。
「きゅーん」
行儀よく、
おすわり。
机に向かって、
甘酒を飲む。
すっきりとした甘みで、
飲みやすかった。
続けて、
桜まんを食べる。
こしあんは、
ほどよい甘さ。
……皮がピンクなだけの、
あんまんでは?
という気もしなくはない。
食べている間、
くーちゃんは、
ずっと、
レッサーパンダみたいに立ち上がって、
俺のお腹を、
前足で、チョンチョン。
「……はいはい」
そんなに、
食べたかったのか。
今日は、
ご馳走だ。
冷蔵庫から、
砂肝ふりかけを取り出して、
ドライフードに、たっぷり。
くーちゃんは、
尻尾をぶんぶん振りながら、
夢中で食べた。
今日は、
大変だったけれど。
無事に終われて、
よかった。
宇宙船の中に、
ゆったりとした時間が、
流れていった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
くーちゃんとの宇宙船の日常を、
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また次のごはんの時間に、
ふらっと遊びに来てください♪




