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第6話 ドーナツと、くるりとしたしっぽのポメラニアン

 今日も、お休み。

 ただし、連休の最後の日だ。


 宇宙船は、

 自動運転で、次の仕事先に向けて移動中。

 何もしない時間と、

 これから何か始まる時間の、ちょうど間。


 アップルティーを準備していると、

 くーちゃんが、俺の足元にやってきた。


 お尻を、ぺたん。

 行儀よく――おすわり。


 コーヒーミルクを取りに、

 冷蔵庫へ行くと、

 また、ついてきて、

 もう一度、おすわり。


 ……今日は、そういう気分なんだろうか。


 よく見ると、

 いつもより、

 しっぽが、くるりと巻いている気がする。


 そんなことを考えながら、

 アップルティーを飲んでいると、

 俺の腹が鳴った。


 ……あ。


 そういえば、と思い出す。


***


 昨日、

 スペースポートを歩いていたときのことだ。


 いつもの通りなのに、

 やけに、

 ドーナツ屋に人が入っていた。


 気になって、

 棚を覗く。


 チョコレートに、

 金のツブツブがついたドーナツ。

 それを一つ。


 それから、

 カスタードクリームか、

 ホイップクリームかで迷って、

 カスタードのほうを選んだ。


 前には、

 派手な着物を着た人たちが並んでいた。


 今日は、そういえば、成人の日だった。


 その中に、

 緑のヘビの、

 やけに豪華な装飾をつけた男性がいて、

 友達と、楽しそうに談笑していた。


 ……午年だけど、ヘビなんだ。


 なぜか、

 縁起が良いな、と思った。


***


 袋から、

 ドーナツを取り出す。


 一口、食べると、

 甘い。


 でも、

 アップルティーと、

 よく合う。


 足元を見ると、

 くーちゃんが、

 レッサーパンダみたいに、

 ひょい、と立ち上がっていた。


 前足で、

 俺の膝を、

 チョンチョン。


「……はいはい」


 わかった。

 オヤツだな。


 取っておきの、

 極上ボーロを取り出す。


 差し出すと、

 くーちゃんは、

 目を、うるうるさせて、

 夢中で、カリコリ。


 人は、

 十八歳で成人。


 ワンコは、

 一歳で成人。


 くーちゃんは、

 とっくに成人のはずなのに、

 見た目も、

 中身も、

 いつまでも子供みたいだ。


 ……まあ。

 相変わらず、可愛い。


 今日も、

 平和な一日が、

 過ぎていった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


くーちゃんとの宇宙船の日常を、

少しでも「いいな」と思っていただけたら、

評価やブックマークで応援していただけると嬉しいです。


また次のごはんの時間に、

ふらっと遊びに来てください♪

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