第5話 おしること、よく回るポメラニアン
今日は、お休み。
宇宙船は、自動運転で移動中だ。
昨日、少し遅くまで起きていたせいか、
朝は、寝坊してしまった。
慌てて起きてくると、
くーちゃんが、猫みたいな声で抗議する。
「きゅぅーん」
……はいはい。
まだ、ごはんを食べてないよな、と思い、
頭を撫でてから、フードを取り出す。
くーちゃんは、
足元で、くるん、くるんと何度も回って、
そのあと、行儀よく――お座り。
そんなにお腹、減ってたのか。
そう思いながら、
フードをあげた。
夢中で、食べるくーちゃん。
その様子を見ていたら、
俺の腹が鳴った。
……あ。
そういえば、と思い出す。
***
昨夜、
スペーステレビを流し見していたときのことだ。
鏡開き、ということで、
おしるこ派か、ぜんざい派か。
芸人たちが、賑やかに論争していた。
パーカーを着た、赤い髪の芸人が、
鋭いツッコミで、
いい感じに笑いを取っていた。
そのとき、
画面に映った、おしるこが、
やけに美味しそうだった。
***
無性に、
おしるこが食べたくなる。
保管庫を探すと、
小豆の缶詰と、きり餅があった。
鍋に入れて、
ぐつぐつ煮込む。
気づけば、
ちゃんと、おしるこができていた。
アツアツのそれを、
少し冷ましながら、食べる。
すると、
くーちゃんが、足元にやってきた。
オヤツが欲しいのか、
足元で、くるん、くるん。
今日は、やけに回るな。
そう思いながら、
甘い、お芋スティックのオヤツを出す。
くーちゃんは、
夢中でかぶりつき、
あっという間に平らげた。
満足したのか、
お腹を、ぺたんと床につけて、
にこっと笑う。
その笑顔を見て、
今日も一日、
平和になりそうだな、と思った。




