閑話①
夏休み始まり、一週間ほどが経過した頃。
早番のバイトが終わり次の時間へ引継ぎを済ませ、着替えをしていたタイミングでスマホが震えた。
【月城深愛】
まさかまた、自分のスマホに家族以外の名前が表示されるとは思わなかった。
『今日もお疲れ様!』
『ありがとうございます。』
既読は一瞬でついた。
『固いな~笑』
『どうかしましたか。』
『恋人なんだから、理由なんてなくても連絡くらいするでしょ?』
そもそも、
この連絡先交換自体かなり強引だった。
『道理で既読すらつかなかったわけだよ~!次は無くさないでね!』
そう言われ、
半ば押し切られる形で交換したのだ。
本当はもう、あの頃の人間とは誰とも繋がりたくなかった。
高校入学のタイミングで、
スマホの買い替えと同時にデータを全部消した。
中学時代の人間関係を断っておきたかった。
家族には引き継ぎに失敗したと嘘をついた。
なのに。
どうしてまた、繋がっているんだろう。
しかも寄りにもよって月城と。
『今からそっち行っていい?』
「…なぜ?」
思わず声が漏れた。
『モールで映画見終わったばっかなんだ〜』
『なら、そのまま帰ればいいじゃないですか。』
『せっかくだしいいでしょ~?』
少しして、
『内海君の顔見たいだけ~』
「……なんなんだよ」
エアコンの効いた室内でまで熱が籠るなんて。
今年の夏は、本当に暑い。
短編を何個か挟みます!
夏はまだ始まったばかりですからね!




