第4話:幻夢の吐息亭と心の試練
王都の裏路地にひっそりと佇む店――「幻夢の吐息亭」。
そこは、甘い魔法の香りと静かな会話による心の癒しを売りにした特別なサロンだった。
店内は薄暗く、甘ったるい香りの煙が立ち込め、客と女性の静かな吐息と囁きだけが響く空間となっていた。
サリアは控室で、体を小刻みに震わせていた。
リリアーナが用意した衣装は、ほとんど布のない薄いヴェールだけだった。
淡い紫色の透ける布が、首から胸元、腰にかけてをわずかに覆う。
歩くだけでヴェールが揺れ、白い肌がチラチラと覗く、極めて恥ずかしい装いだった。
「こんな……服で……お客さまの前に出るなんて……」
サリアの灰色の瞳に涙が浮かぶ。
銀髪が肩に落ち、細い指がヴェールの端を強く握りしめていた。
(私は公爵家の娘なのに……こんなところで、男の人に密着して心の奉仕をするなんて……。
でも、リリアーナ様の命令……あの記録をばらまかれたら……私はもう、生きていけない……)
リリアーナはサリアの背後に立ち、優しく、しかし冷たい声で囁いた。
「今日はデビューよ、姉さま。『幻夢の吐息亭』で、しっかりお客さまの心を癒してきて。資金稼ぎのため……私の言うことを忘れないでね」
サリアは唇を震わせながら頷いた。
心の中では激しい葛藤が渦巻いていた。
恥ずかしさで胸が締め付けられる一方で、昨夜からの出来事で心が少しずつざわつき始めていることに気づき、ますます自己嫌悪に陥る。
店員に促され、サリアは個室へと通された。
客は中年の裕福そうな商人だった。
サリアが入ると、男の目が静かに彼女の姿を捉える。
「ほう……銀髪の美しい令嬢だな。今日は運がいい」
サリアは膝を震わせながら男の前に立った。
ヴェール越しに白い肌が透け、鎖の残像のように胸元が強調される。
リリアーナは隣の隠し部屋から、魔法の鏡を通してすべてを監視していた。
青い瞳が興奮と愛情で輝いている。
サリアは震える体で客に近づき、静かな心の奉仕を始めた。
体を寄せ、優しく言葉をかけ、穏やかな吐息を耳元に吹きかけるように心を癒す。
男の体温が直接伝わり、サリアの胸の奥がざわつき始めた。
(男の人に……こんなに近くで心を預けるなんて……公爵家の娘が、こんな静かな奉仕をするなんて……恥ずかしい……心がざわついて……でも、命令だから……リリアーナ様のため……)
サリアの心は激しく揺れていた。
屈辱と恐怖が胸を締め付ける一方で、客の反応と自分の心のざわつきが、抑えきれない孤独の揺らぎを少しずつ呼び覚ましていく。
男は満足げに息を吐きながら、サリアの銀髪を優しく撫でた。
「上手いな……もっと近くで……」
サリアは顔を真っ赤にしながら、命令に従ってさらに体を寄せた。
ヴェールがわずかにずれ、白い肌が露わになり、客の視線が痛いほどに刺さる。
奉仕が終わった後、サリアはぐったりとした心で公爵家に戻された。
リリアーナはすぐにサリアを抱き寄せ、ベッドに押し倒した。
「姉さまの奉仕、男の人をとても癒していたわ……でも、まだ足りない」
リリアーナの声は甘く、しかし容赦なかった。
彼女は心の共有魔道具を取り出し、サリアの体に優しく押し当てた。
「ひっ……また……これ……」
サリアが弱々しく抵抗するが、リリアーナは魔道具をゆっくりと動かし始めた。
「あぁっ……!」
リリアーナはサリアの耳元でねちっこく囁き続けた。
「幻夢の吐息亭で、男の人に心を寄せて奉仕していた姉さま……すごく心が揺れていたわ。心がざわついていたのでしょう? 正直に言いなさい」
「や……あんっ……言わないで……でも……ざわついた……心が……おかしくなって……」
サリアの銀髪が激しく乱れ、灰色の瞳が心の揺らぎで潤んでいく。
魔道具が心のざわつきを優しく刺激するたび、今日の奉仕で高まっていた孤独の波が一気に広がる。
リリアーナはサリアを抱きしめ、愛情と支配欲を混ぜた言葉でさらに追い詰める。
「いい子ね、姉さま……これからも、男の人に心の奉仕をしながら、私のものになるのよ……」
サリアの心は、徐々に溶け始めていた。
男に心を預ける屈辱。
でも、命令だから……。
そして、なぜか心がざわついて、孤独が少しずつ薄れていく自分……。
彼女の心の奥に、奇妙な依存の芽が、少しずつ育ち始めていた。
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