side story:マリー「2.Baby Diary -3」
はじめまして、宵月の兎です。
この作品を読んでくださってありがとうございます。
楽しんでいただけますと幸いです。
ゆっくり更新ですが最後まで頑張ります。
—**Childhood (=幼児期) **—
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Date:Mon.25.May. 1345
Age :7 years and 6 months old
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Routine/日課
・朝:朝食後、塔内の図書室で歴史と詩のお勉強
・昼:昼食後、塔内の図書室にて魔術書を選び、自室にて読書
・夜:夕食後、湯浴みをしてハーブティーを飲まれ就寝
Note/今日の気づき
最近「マリー、今日はミルク入りが飲みたいわ」と、お嬢様におねだりされます。
そんな時は決まって、ラベンダーのポプリを枕元に置いて眠られているので、何か心配事があるのかもしれません。
少しの時間でもいいから、お外に出てお散歩などさせて差し上げたいのに、“あのこと“があってからというもの、すっかり外を怖がってしまわれました。
最近は、私を遠ざけるような言葉を口にされることもあリます。
でもその時は決まって、冷たい言葉を言い終えたあと、お嬢様ご自身が傷つきとても寂しそうなお顔をされるのです。
本邸から……いいえ、お母上である奥様からわたくしを守りたいのでしょうね。
このように優しい女の子にお育ちになられたことを、本当に嬉しく、そして誇らしく思います。
それにしても…最近、本邸の者たちの様子が少しおかしいような気がします。
(短い期間で新人のメイドや下働きが次々と入れ替わっているような?)
通常わたくしは、早朝のまだ誰も仕事をしていない時間に洗濯場で洗濯を済ませ、その後厨房に寄って一日分のパンを受け取る以外、本廷内の立ち入りを許されてはいません。
けれど、今朝は少し洗濯物が多く作業が遅れてしまったせいで、帰り際にうっかりハウスメイドたちに囲まれてしまい、嫌がらせで洗濯物に汚水をかけられてしまいました。
最近は夜もだいぶ暖かくなってきたので、この後すぐに洗いに行って急いで干せば、明日の昼頃には乾くでしょうか……?
◇ ◇ ◇
「--んん〜ッ…!」
大きく伸びをしてから『よしっ』とひとつ気合を入れ、わたくしは一階のリネン室に向かいます。
「え、マリー嬢? こんな時間にどうしました?」
玄関を出たところで、最近この塔に配属になった騎士のカイル様に声をかけられました。
「昼間に少々ありまして……これから急いで洗濯場に行ってまいります」
カイル様は何かを察したのか、同情するような視線を一瞬、わたくしに向けられました。
わたくしはそれに気付かぬふりをして微笑み「三〇分程で戻ります」と伝えると、急いで本邸の洗濯場まで向かいます。
——まさかこの後、お嬢様があんな目に遭われるだなんて……
何も知らない私は、急いで洗濯を済ませ、早足で戻ります。
お嬢様のいる、わたくしたちの塔へと——。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
育児日記でマリーの心情とお嬢様の成長を綴ったBaby Diary編ですが、今回でひとつの区切りとなります。
この頃のお嬢様は、マリーを守りたいという芯の強さを持ちながらも、まだ心の奥に深い傷を抱えたままでした。
そしてマリーもまた、その痛みに寄り添い続けながら、懸命にお嬢様を守ろうとしていました。
けれど――二人の儚くも優しい日々は、”あの夜”を境に大きく動き始めます。
次回は
side story:マリー「3.光が差す方へ」
マリーの人生、そしてお嬢様の運命を変える”あの夜”の事件。
その時の、マリー視点からのお話となります。
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
次話もお付き合いいただけましたら嬉しいです。
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