表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者を継ぐ者  作者: 本城達也
オストルン大陸冒険へ
92/106

物語の裏側

別で新連載をはじめてしまったので、投稿遅れてしまいました。すみません。


よかったら新連載「隣の深田さんは僕の●●です」(こちら↓)もよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n9258es/

「おいおい、驚きすぎだぞ・・・」



「いやいやいやいや、グレン様、さすがにそれは冗談ですよね?

 ちょ、からかいすぎですよぉ!


 あまりに真剣な顔していうから一瞬信じちゃいましたよ。

 ちょっと考えれば色々おかしいのに私もバカだなぁ・・・」



「ハハハ、残念だが、うそでも冗談でもない。タズは正真正銘、あの大魔王の息子だ。


 クロエ、お前さんが怖いと思ってたタズのもう1つの顔、その正体は父親譲りの遺伝みたいなもんだ、安心しろ。あいつ自身に深い闇があるというわけじゃない。そういえばあいつの父親も恐ろしいほどに凍り付いた顔してたな・・・。あれは俺でもビビるレベルだからお前さんがビビっても全然おかしくないな。そういう意味でも何の問題もない」


「も、問題しかないですよっ!!


 って、えっ・・・本当に冗談じゃないんですか?


 お、おかしいですよねっ!だって大魔王はグレン様と賢王様が倒したんでしょ?それで世界は平和になったんじゃなかったんですか?

 もし大魔王が生きてたなら賢王様の犠牲は無駄だったってことに・・・」



「そうか、まずはそこからだったな。

 クロエ、お前さんが賢王と呼んで崇めてるヤツ、そいつがアイリスだよ」



「は、はい?

 えっ・・・それって・・・」



「要するに、賢王も大魔王も消滅しちゃいないってことだ。奴がマナバーンで世界を平和にした後は二人でハネムーンに出かけちまったのさ。事実は小説より奇なりとはいうが、お前たちが憧れる勇者の冒険物語の裏側はただのラブコメだったってわけだ。そして俺はその物語の友人Aといったところか」



「は、はぁ・・・なんだか頭がついていかないですが、当事者のグレン様がそういうならもう信じるしかないですよね・・・賢王様が大魔王と・・・」



「どうだ、ガッカリしたか?」



「いえ!むしろ少し考えただけですごくロマンチックに思えてきました。


 ずっと大魔王を倒すために冒険してた勇者様だったのに、最終決戦でお互いを滅ぼす道じゃなくて結ばれちゃう方を選んじゃうだなんて・・・


 なんかさっきまで種族がどうとか、相手が怖いとか、全部ホントにくだらない悩みだったんだなって確信できました!恐ろしい大魔王とだって恋に落ちれる方もいるなら私も負けてられないですっ!」



「おいおい、そう解釈したか。まったく、お前さんも大した奴だな。

 しかし、あんな人格破綻者を見本にするのはどうかと思うがな・・・」



「あれ?で、でも、そういえばタズくん、本当のお母さんもお父さんも知らないって言ってましたよ。エルフの村に捨てられてたって・・・それって・・・」



「まぁそういうことだ。奴らに子供を育てられるような器量はなかったってわけだ。全部幼い姉のイリスとエルフの村に押し付けたっつう育児放棄も良いところの酷い話だよ。

 まあ、アイリスの奴はイリスと視覚同調してるとか言ってたし、イリスと初めて話してたときに奴の人格も一瞬だが出て来てやがったからな・・・完全に丸投げしていたというわけでもなかったんだろうが・・・」


(いや、むしろタズとイリスが育てられた村は村人全員タズを守る魔石になってやがる・・・。奴ら2人のためだけに存在したと言ってもいいような村だ)

(まさか村ごとアイリスの奴が用意した2人の揺り籠だっただなんて馬鹿げた話はさすがにないよな・・・)

(だが、これまでの事実を総合すればイリスにはアイリスの人格が、タズにはブリズの人格がいざというときに出て来れるように憑依してたのは間違いない)

(アイリスの奴は人格破綻者だが、誰よりも平和を愛している。害はない奴だ。だが、ブリズの方は本当に大丈夫なのか?)

(タズは自分ではマナを生成できない身体をしているが、それがもし奴にマナが生成できるようになっちまうと非常に危険だという事が理由だとすれば・・・。いずれにせよ、奴が本当に無害なのかどこかで一度試してやる必要があるな)



「って、どうした?また泣きそうな顔してるぞ」



「うぅぅ・・・。だって話を聞いてたらタズくんたちがかわいそうで・・・。私も両親から捨てられたこともありますが、それでもずっと愛されてました。でもタズくんたちは生まれて間もなく捨てられるなんて・・・ご両親から愛されてたのかわかりません・・・そんな人生あまりにも辛くて・・・」



「クロエ、お前さんは本当に優しい子だな。だが、俺はそうは思わない。今のタズを見ればわかると思うが、両親の下で暮らしてるよりよっぽど良いように育ってると思うぞ。イリスの奴もそうだ。そういういろいろな家族の形があるっていうことだ。

 このアルスの中でみても珍しくはない。托卵(たくらん)って知ってるか?カッコウという鳥は自分では子どもを育てられないから別の種類の鳥の巣の中に卵を置いていく。そうしてカッコウの雛は別の鳥に育てられ、親鳥たちも明らかに自分より大きく育ったカッコウの子を見ても献身的にエサを分け与え続けて子どもとして愛しながら育てるそうだ。そういうやり方もある。それにお前さんも半分は・・・いやなんでもない。

 とにかく今のタズという結果を見ればその過程に誤りはなかったと思うぞ」


「そっか・・・そうですよね。良く考えたら私だってパパじゃなくてお父様に育てられたんだから半分托卵ですよね・・・。


 あ、あれ?私、肝心なことに今まで気付いてませんでしたけど、タズくん、大魔王の息子ってことはもしかして魔族、なんですか?」


「いや、タズは人族だ。人族と魔族のハーフの場合、どちらかで産まれると聞いたことがあるが、タズは心臓があるから人族だな。魔族なら左胸に心臓じゃなくて核がある」


「そ、そうだったんですね!?

 いえ、彼が魔族だろうと私は気持ちは変えないって決めてますからいいんですが、でもちょっと安心しました・・・。魔族だったら勇者様に倒されちゃいますもん・・・、あれ?グレン様はそんなタズくんを指導してますがいいんですか?」



「俺はタズが魔族だろうと人族だろうとどちらだって構わない。タズがどちらだったとしてもアイツは勇者になるのに相応しいと思ってる。今のタズが他の魔族や大魔王のように世界の平和を乱すようになるとは考えられんしな。それに惚れた女から託された子だ。俺にとっても可愛い息子のようなもんだ」



「そ、そうでしたか・・・。

 ふぅ、良かったぁ」



 クロエはグレンの話で安堵したが、一方、グレンの方はクロエと話しながら今まで深く気にしていなかったとある事実が頭の片隅に引っかかり始めた。



(いや、クロエには説明していない(するつもりもない)が、そもそもアイリスは魔族だぞ。アイツには心臓はなかった。アイリスの奴があまりに人族っぽいせいで今までタズが人族でも違和感が全くなかったが、魔族と魔族の子、純粋魔族のはずのタズが人族なのはおかしい。なぜタズは魔族じゃない・・・?)


(俺の目をごまかせるほどの高度な変身魔法でも使われているのか?いや、それでも魔族(・・)に俺の剣は使えない・・・聖剣の目をごまかすのは不可能だ・・・)



(明らかにおかしいぞ・・・)



(・・・いや、まさか前提を間違えているのか・・・?)


(そんなはずはないと考えていたが、そもそも誰が大魔王が魔族だと(・・・・・・・・)決めた?)


 グレンはその可能性に思い至ると戦慄を覚えた。


(人族であるエルフも魔族であるダークエルフも見た目は全く同じだ。ダークエルフは魔族の中でも魔法が得意だと言われているせいで自然と究極魔法を自在に行使する大魔王の奴はダークエルフだと思っていたが、よくよく考えれば奴が魔族だったという証拠はないぞ)



(そもそも奴は何者なんだ・・・俺はこの地上、最後の勇者にして地上の神アテネの転生体だ。そしてアイリスも俺と同じく魔界の神ニケの転生体だ。俺ら二人の組合せははっきり言ってイカサマのようなものだ)


(だが、奴はレベル99になって魔・闘の極限に至った俺ら二人を同時に相手にしておきながら魔法でも武力でもまるで寄せ付けない強さをしていた・・・。あの強さはなんなんだ?)

(あのときは大魔王なのだから当然だろうと思っていたが、明らかにおかしいぞ。本来大魔王となるべきはニケの転生体であるアイリスのはずだ)

(なぜこんなことになった?なぜヤツが大魔王になった?奴は一体何者だ?)


(だが、ヒントはある。タズだ。タズに奴の秘密が隠されている・・・。タズが人族ということは奴はまさか・・・)



(ブリズの正体はもしかすると今奴らがこの地上や魔界に戻って来れない理由と何か関係しているのか?そしてタズとイリスを地上に送らざるを得なかった理由とも何か関係しているのか?)



(必ず突き止めてやる・・・)






(いや、よくわからないのはタズだけじゃない・・・。)


(アイツもおかしい。異常さでいえばタズを遥かに超えている。)

(アイツら姉弟、一体何者なんだ・・・)





「でも、タズくんが伝説の勇者様と大魔王の息子・・・そんな凄い人、王子様だっただなんて・・・。

 私なんて元王女というだけで、何もないただの平民グリント家の人間なのに釣り合うのかなぁ・・・。

 イリアちゃんは正真正銘勇者の血筋、ゴールド家の末娘なのに私だけ何もないや」



「何言ってんだ?グリント家もエアーハート家もゴールド家の分家、元々はゴールド家だったんだぞ。


 グリント家は自らあえて平民に落ちてエアーハート家を支えることを使命に分かれたが、血筋はゴールド家。アルフレッドもお前さんもれっきとした勇者の家系だ。そもそも勇者の家系じゃない普通の人間に大陸一のアルフレッドほどまで強くなるのは無理だ。そして王家にも勇者の家系からしかなれないわけだが、そう言う意味ではお前さんは今でも立派に王女の資格ありだぞ。

 こんな当然のこと、陛下はご存知だがお前さん、知らされてなかったのか?

 

 お、おい、どうした固まって・・・」




 クロエはグレンの腕の中で驚きのあまり、もはや声すら出せなくなってフリーズしていた。



(おじいちゃん・・・私とパパを養子にしたのはそういうことだったのね・・・)



 クロエ・グリント。

 アルフレッド・グリントの愛娘であり、今は国王ウィリアム・エアーハートの養女であるが、元々は皆、歴史上幾度となく勇者を輩出してきた古の勇者の家系、ゴールド家の血筋に連なる者。これまで秘密にされていたが、クロエは今でもエアーハート家を名乗ることに身分上も血筋上も資格上も何の問題もないのである。


 むしろグレンはクロエのことをずっと王女さん(・・・・)と呼んでいたし、クロエの大英雄に対する遠慮なしの質問を聞いて「やっぱりお前さんはアルフレッド(・・・・・・)の娘だ」などと言っていたのであり、全く秘密にしていなかった。



 クロエに自分自身も知らなかった属性が一つ加わった瞬間であった。

 クロエの属性はもはや一般人とは程遠いものになった。



(【元王女→王女】、【スラム街育ち】、「おてんば姫」、【ファザコン】、【S】、【王宮のヒマワリ】、【セクシーギャル】、

 【勇者の子孫】NEW )

【おまけの閑話】



「ちょっと作者さん、出てきなさいよ!私の属性が全体的におかしいわよ!特に【セクシーギャル】って何よ!」


「これはクロエさん、どうも、作者です。

 いやいや、全然おかしくないですよ・・・」


「私のどこがセクシーギャルなのよ!」


「いや、どこがって、そんなに顔真っ赤にしちゃって・・・全部が、じゃないですか?だいたい、この小説が参考にしている世界(D●Ⅲ)でもその属性はとっても優秀なんですよ!名誉なことです。

 まあ、作者としては当初二択で悩んだんですけどね。でも少し考えたらやはりこれしかないと思ってこうなりました」


「どこが名誉なのよ!不名誉極まりないわ!

 ・・・ちなみに、その悩んだもう一つの選択肢ってなんなのよ」


「【えっちなお姉さん】です。こっちが良かったですか?」


「はあ!?(怒)ちょっとふざけてんの!?なんでどっちにしてもそういう方向なのよ!納得いかないわ!だいたい、私まだ13歳よ!えっちな本だって読んだことないし・・・」


「確かにえっちな本は読んでないですけど、最近は暑いからストッキング履きたくないとか言ってガーターベルト標準装備してるじゃないですか。それに年下の10歳の子供相手にわざとあててみたりとかどうみてもえっちなお姉さんですよ」


「その程度でエッチにみられたらみんなエッチになっちゃうでしょうが!」


「はぁ・・・ではクロエ、あなたの性格を決めた際のル●ス様の有り難いお告げをよく聞いておいてください。●ビス様は言っておられました。


『クロエ、あなたはエッチですね。

 私にはわかります。

 たぶん今あなたは、いきなりエッチと言われて顔を赤らめたことでしょう。

 それは自分でもうっすらえっちであることに気が付いているからなのです。

 あなたは隠していますが、ひと一倍、男の子が好きなはずです。そして思わずニヤニヤしてしまう、そんなことが多いはずです。


 この際はっきりといいましょう。

 あなたはエッチです。


 それもかなりです。


 でも心配はいりません。それはそれほどあなたが健康、ということなのですから』

 

 どうですか?今日、グレンに抱き上げられてニヤついてたクロエさん、思い当たるところがあるでしょう。それにあなたの「クロエ」という名前だって、逆から読んだら「エロ・・・」


「はあああああああああああああああ!?

 もう許さないわ!とことんやろうって気ね。だいたい何がルビ●様のお言葉よ、スクエニに消されるといいわ。死ねっ!このクズ!

 それに私には【美しき姫】とか【清楚なお嬢様】とか【一途】とかもっと色々あるでしょ!なんで全体的に色物しかないのよ!」


「そこは【王宮のヒマワリ】に包括されてますから。向日葵の花言葉って「あなただけを見つめてる」とか「情熱」とか「あこがれ」なんですよ。クロエさんにぴったりじゃないですか」


「そ、それもそうね・・・まあいいわ。

 次に余計な属性付け加えたら許さないからね!それに出番ももっと増やしてよ!」



「前向きに検討する方向で善処したいと存じます」


(次話からヒロイン交代とかとても言えない・・・。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ