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勇者を継ぐ者  作者: 本城達也
決戦―魔王エビルサタン
62/106

勇者を辞めた理由

 グレンは天空の塔へと向かいながら、昔のことを思い出していた。



 今のグレンはアイリスがかけた「死んでも大丈夫な魔法」とやらのせいで死ぬこともできず、酷い目にあっている。



 またいつかどこかで会えたなら、模擬戦のときのように一発ぶん殴ってやるしかないと考えていた。



 しかし、グレンがアイリスに会いたい理由はそれだけではなかった。



 グレンにとってアイリスは10年間一緒に旅をした仲間であり、親友であり、愛する家族でもあった。その上ーー



 グレンは大戦後、アイリスをその10倍の時間である100年間探し続けていた。



 そして、それでもアイリスは見つからず、つい先ほどまでは、もしかしたらアイリスはやはりあの時大魔王と共に消滅してしまったのではないかという疑惑も心の片隅にあった。





 しかし、その疑惑は今、完全に晴れていた。






 先ほど、四天王の真の姿を見てグレンは確信していた。


 


 四天王の真の姿から、マナの巫女とやらの力の一端を知って、




 アイリスは間違いなく生きている




 そう確信したのである。





 マナの巫女とやらの力、マナが消滅したこの世界で相手のマナを覚醒させ、自身のマナを譲渡しつつもその才能を完全まで開花させるという恐るべき魔法は、マナを支配し、系統に左右されない自由な魔法を使えないと使えないはずである。その上、その効果から察するに究極無属性魔法の一種であろう。


 これほどの魔法となると、マナを支配できるアイリスにしかできないはずであった。



 100年前にもしアイリスがグレンたち人族側ではなく、魔族側についていたのであれば起こっていたであろうマナの覚醒が魔族たちに生じていた。



 そんなことが可能な少女イリス、アイリスの転生者であるかアイリスの娘で間違いないであろう。



 アイリスの娘・・・


 グレンは自分が受けた神託からして、なんとなくアイリスの正体については察しているところがあった。

 

 110年前の天空の塔での出会いは偶然だったのか・・・不自然なほどに引かれ合い、一緒に旅をすることになったが、それは偶然だったのか・・・。



 初めて出会った際に感じた親近感が、もし自分の性質と同じものだからだったとすると、アイリスはグレンと同じく女神の現身(うつしみ)だということになる。ただし、同じ女神でもあちらは魔界の女神なのだろう。


 そして、神託の際に女神(アテネ)は言っていた。女神の現身(うつしみ)の子の力は計り知れないと・・・。



 イリスとやらがアイリスの娘であれば、アイリスを超える才能を持っていたとしても不思議ではない。



 いずれにせよ娘がいるならどこかにアイリスが生きていることは確定であるし、イリスがアイリスの転生者であればイリス=アイリスだということになる。



 それを前提に、グレンは、かけがえのない家族であるアイリスが今、生きているはずなのに自分の下に帰ってこない、その理由を考えていた。




 アイリスの性格を考えたら、帰ってきたいに決まっているであろう・・・



 帰ってきて、不死のグレン相手に嗜虐的な笑みを浮かべながらいつかの大魔王に対してと同じようにえげつない魔法をぶっ放して実験したいに決まっている。



 そんなアイリスが帰ってこない。



 

 帰ってこないのだとしたらその理由は2つほど考えられた。



 ・・・1つはグレンに会いたくないから。



 グレンはその可能性を一瞬考えたが、首を振って否定した。



 (チッ。いつから俺はこんなに勇気がなくなっちまったんだろうな)





 ・・・そしてもう1つは帰ってくることができないから。


 

 物理的に帰れないのか、それとも何らかの制約的に帰れないのかはわからないが、なんでもやってのけるアイリスが帰って来られないのだとしたならおそらく後者だろう。





 そして、グレンは今、そのアイリスの娘と思われるイリスの下へ向かっている。



(アイリスの娘だからイリスってか。

 ハハ。

 ひでぇネーミングセンスだな。スペルが同じじゃねーか)




 地上の言葉(文字)だとアイリスもイリスもスペルは同じIrisである。




(しかし、タズの奴は、あんまアイツに似てねーな。

 どうやったらあの陰湿な性格破綻者からあんな良い子が生まれてくるんだ?

 まあ、出会ったばかりの頃のアイツは人懐っこくてタズと似てなくもないか・・・。

 しっかし、顔はあんま似てねーな)



 実際、アイリスは2本の角を持つ銀髪の魔族であり、顔の雰囲気もタズとは少し傾向が異なっていた。


 タズとそっくりだというイリスもおそらくアイリスとはあまり似ていないのだろう。



 グレンは当初、その名前からアイリスとイリスが同一人物である可能性も疑ったが、年齢や、顔立ちからすると同一人物はありえなかった。


 それならアイリスの転生者、という可能性も考えてはいるが、イリスはしょっちゅう王都・セント・メリー教会に遊びに来ていたということを踏まえると、少しおかしい。もしイリスがアイリスの転生者ならグレンに間違いなく会いにくるだろう。

 その上、話に聞くイリスの性格や趣味嗜好がアイリスとは正反対といって良いほど全く違っていることも踏まえると、その可能性はほぼなさそうである。



 そうなると、やはりイリスはアイリスの娘で間違いないだろう。




(それにエルフの顔立ちといえば・・・。


 ということは、父親似か・・・。


 チッ・・・)



 グレンは嫉妬の感情が湧き出ようとしたのをパンと顔を叩いて強引に抑えつけた。


 

 タズとイリスの父親・・・心当たりがないわけではない。



 生きていたアイリスが帰ってこない理由とも関係があるのだろう。


 そして、グレンが勇者を辞めた(大魔王を倒すのを辞めた)理由とも無関係ではないだろう。






 グレンが勇者を辞めた理由・・・






 グレンの脳裏には、アイリスと共に大魔王と戦い、アイリスの究極魔法によって、大魔王の闇の衣(不死の魔法)が取れたその瞬間が思い起こされた。



 グレンの脳裏には、




 大魔王ダークネス・ブリゾネーター・ビューズの素顔

 ―耳の長い魔界のエルフ族(ダークエルフ)の素顔― 


 


 が見えたとき、そのとてつもなく整った素顔と、初めてそれと間近で相対したときのアイリスの表情が焼き付いている。



 大魔王は、これが大魔王?と思わせるほど、人族(エルフ)と変わらない、魔族と思えないほどに普通の顔立ちだった。

 ただし、その銀色に輝く真っ白な顔は、芸術的に整っており、カッコイイなどという次元にないほど綺麗で、その表情は、何もかもを凍りつかせるほどに恐ろしく冷たい表情をしていた。世の女性をその一睨みだけで失神させそうなほどに完成された顔立ちだったのだ。




 そして、その大魔王の素顔を見たときのアイリスの顔は、宿敵である大魔王ブリゾネーターに向ける顔ではなかった。



 アイリスの顔はどんどんと赤みを帯びていって――



 グレンが今まで見たことなかった、自分に一度も向けられたことがなかった、恋する乙女の表情をしていた。




 アイリスが戦闘の手を止め、大魔王に抱き着き、歓喜の涙を流し、大魔王に何かをつぶやいた瞬間だった。





 ――グレンはいつの間にかその場から逃げ出していた。






 グレンは大魔王の前から、いや、アイリスの前から逃げ出して、勇者を辞めてしまったのである。



 当然である。グレンは勇者と呼ばれていたが、実際にはあんな表情のアイリスを見ただけで、逃げ出してしまうほどの臆病者だったと気付かさせられたからだ。





 グレンは酷い茶番を見せられた気分だった。




 最後の勇者として、死ぬほどレベルをあげて、魔界に来てからも不調なアイリスを庇って1人でがんばって来たのに、何もかもが無意味だった。あんな姫と王子の出会いを演出するためにここまでやってきたわけではない。


 何が勇者だ!という気分になって、グレンは自分の女神の加護を封印した。




 アイリスのあの顔を見てしまった以上、もうグレンには大魔王は倒せなかった。倒せる気がしなかった。



 大魔王の闇の衣は、纏われていたときよりも、消え去ったときの方が厄介だった。



 そして、グレンはあの顔のアイリスを見て、10年間気付くことがなかった気持ちに気付かされていた。



 グレンはこれまで10年間、アイリスのことを仲間であり、親友であり、ただのわがままな妹だとしか思っていなかった。



 いつだったか、アイリスがグレンの寝起きにグレンのベッドの中に潜りこんできていたときも、気恥ずかしさは感じたものの、それは妹に見られたくないアレを見られてしまったときのような恥ずかしさだと思っていた。



 このとき、グレンは初めてその気恥ずかしさの正体に気付かされた。



 グレンはいつの間にかアイリスを一人の女性として見ていたのである。



 そして、気付かされた瞬間に敗北だった。圧倒的な敗北だった。



 アイリスのあの、グレンに向けられたことのなかった顔は、女王というよりお姫様のようにとてつもなく綺麗で可愛かった・・・。



 魔界の姫と魔界の王、あまりにもお似合いだった。



 そして、もっとも見たくないシーンだった。見ていられないシーンだった。



 こうしてグレンは逃げてしまったのである。勇者の責務も何もかもを投げ出して・・・。




 グレンは一心不乱で逃げながら考えた。


 アイリスのことだから、どうせ大魔王とうまくやるのだろう、


 あのアイリスがそばいるのなら大魔王も更生するだろう、


 魔族が地上に攻めてくることももうないだろう、


 ならもうどうでも良い、勝手にイチャイチャやってろ!



 グレンは人生最悪の気分だった。




 自暴自棄になったグレンは自害しようとした。





 ――そして、そこで恐るべきことに気付かされた。







 死ねない・・・。






 グレンは身震いした。ある意味最悪の魔法(呪い)が自分の身体にかかっていたのである。




 グレンはこの敗北感が永遠に続くことを知り、絶望しそうになった。




 しかし、それが後から考えるとグレンにとっても救いだったのかもしれなかった。



 このどうしようもない状況を変えてもらうにはアイリスにもう一度会うしかなかったからである。



 グレンは、勝手に逃げ出しておきながらどの面を下げてといわれることを覚悟して、アイリスにもう一度会いに行くことを考えた。どうせ会うならと、勇気を出して、アイリスに伝えたい言葉を考えた。


 フラれても良いからせめてそれと引き換えにこの呪いを解除してもらおうと考えた。



 しかし、グレンが勇気を出して大魔王城へ戻ったそのとき、アイリスの魔法(マナバーン)によって賢王アイリスと大魔王ブリゾネーターの2人は消滅していた。



 グレンの想像を超えた最悪が起こっていた。



 グレンには意味不明であった。2人は幸せに暮らしました、ちゃんちゃんではなかったのか。



 理解不能な出来事であった。



 グレンたちが戦っていた大魔王の城は、謎の大魔法により、空間ごとえぐり取られたかのように消滅していたのである。




 グレンは大声で「アイリーーース!!!」と叫んだ。




 だが、アイリスからの返事はなかった。




 しかし、そんなグレンの下に魔法で作られた手紙が空から落ちてきた。



 グレンは慌ててその内容を読んだ。

 


「グレンへ

 

 このメッセージ魔法は、私が消える前に私があなたに伝えたかったことをこの場に残してくれる最後の魔法です。


 このメッセージ魔法が発動したということは私はもう消えてしまったのだと思います。


 グレンに絶対に伝えておきたいことがあったので、このメッセージを残しました。


 グレン、グレンが逃げちゃった理由、私、なんとなくわかっています。


 でもそれは誤解です。これだけは絶対に伝えたくてこのメッセージを残しました。


 グレンが逃げちゃった理由が誤解だって知ったら、きっとグレンは逃げちゃったことを悔やむかもしれません。


 でも私は、グレンが逃げてくれて良かったって思っています。


 私が使った魔法は私が魔界に戻る前からずっと考えてた魔法です。


 私は地上も魔界も愛しています。


 グレンのおかげで地上も大好きになれました。


 グレンがあのとき魔族の私を家族だって言ってくれたこと、とても嬉しかったです。


 私とグレンのように魔族と人族が手を取り合っていくことは絶対にできると思います。


 私はみんながケンカしないで済むような、みんなが幸せに暮らしていける魔法を考えました。


 私たち魔族は人間からマナを奪わずにはいられません。


 マナがあるからこんなに戦争になるなら、マナを無くしてしまおうと思っていました。


 そのための魔法を唱えようとずっと魔力を溜めてて、そのせいで他の魔法もまともに使えない状態でした。


 この魔法を使うためには、この世界に存在するすべてのマナを一滴残らず全て支配しなきゃいけませんでした。

 

 この世界に存在する全てのマナと私の命を生贄にして唱えたこの魔法は、最上界魔法です。究極魔法のその先の先の魔法・・・もしこの魔法の直撃を受けてたら、不老不死のグレンでも死んじゃってたと思います。


 だから逃げてくれて良かった、グレンが無事で良かったって思っています。


 こんな魔法を使わなきゃいけなくなったのは全部大魔王ブリゾネーター・ビューズのせいです。


 ブリズのせいです。恨むならブリズを恨んでください。


 もしブリズが私の考えをわかってくれて、私の手をとってくれたなら、こんな悲しい魔法使わずに済みました。


 でもブリズはとっても強情で、私が真剣にお話ししたのに、全然私の言う事を聞いてくれませんでした。クソガキでした。


 何でも私の言う事聞いてくれるグレンとは大違いでした。


 怒った私はこのクソガキを殺・・・この魔法を使うことにしました。


 この魔法は争いの種はなくしてくれるけど、今ある争いはなくしてくれません。


 皆が武器を持たなくなったとき、平和を叶えるのに必要なのは勇者じゃありません。


 平和はそこに落ちてるんですからそれをみんなが拾うだけです。

 

 だからグレン、グレンはもう平和を叶える人、勇者にはならないでください。


 勇者の仕事はもう終わったんです。


 グレンは、私とグレン、2人で作った地上と月の平和を()()()くれると嬉しいです。


 落ちてる平和を蹴っ飛ばすヤツがいたらいつものゲンコツくらわせちゃってください。


 私がいなくなった後もずっとずっと2人で作った平和を守ってくれると嬉しいです。


 お願いします。



 P.S.


 グレン


 グレンが私に言いたかったこと、いつか私を見つけ出して聞かせてください。

 グレンなら私がどんな姿になってても、生まれ変わってても見つけ出してくれるって信じてます。


 アイリスより」



 手紙を見たグレンの目からは涙がこぼれていた。


 アイリスらしい頭がいいんだか悪いんだかわからないとにかくアホっぽい文面なのに、グレンの考えていることは全てお見通しといった様子の文面だった。



 グレンはこの手紙を読んで3つのことを後悔した。



 1つ目は、勇者であり続けられなかったこと、自分が逃げたばかりにこんな自己犠牲ありきの決断をアイリス一人にさせてしまったことだった。


 世界の平和を叶える者(勇者)は自分のはずだったのに、

 アイリスは魔王のはずだったのに、


 いつの間にかアイリスが世界の平和を叶える者(勇者)になってしまっていた。



 この場にグレンが残り続けていたのなら、勇者であり続けられたなら、アイリスにこの悲しい決断をさせることがなかった、


 そう思うと悔しくて仕方がなかった。




 そして2つ目は、自分に勇気が足りなかったことだ。

 

 大魔王の素顔を見て、ただ戦いを止めたかった、平和を叶えたかっただけのアイリスに対して、何を誤解したのか、盛大な勘違いをして、やらかして、逃げてしまった。


 勇者にあるまじき臆病者だった。

 

 いや、正確には誤解など問題ではなかった。グレンは超絶イケメン大魔王様に嫉妬して誤解してしまうほどに本当はアイリスのことが好きだったのだ。


 その気持ちを10年もずっとごまかして、向き合うことをせずに、関係を変えるのが怖かった勇気のない自分のせいであった。


 もっと早くにこの気持ちをアイリスに伝えていたなら、この結末はなかっただろう。



 

 

 そして3つ目は、自分が弱かったことだ。

 

 最後の勇者として生まれたのに、大魔王相手に歯が立たなかった。

 

 強情な大魔王など、本当ならグレンが鉄拳制裁食らわしてやれば良かったのだ。


 自分一人で大魔王を倒せるほど強くなっていればこんなことにはならなかったと思うと悔やんでも悔やみきれなかった。今度こそはと、最強になることを誓った。




(バカだなぁ・・・アイリス。

 ホントにバカだよ・・・。

 俺の方がもっとだったけどな・・・)



 グレンはこの手紙に従って、これまで世界の平和を維持してきた。そしてアイリスを探し続けた。



 落ちている平和を蹴りとばす魔族は全員排除し、暴れまわるだけの魔物は全て一掃した。




 そして、自分のふがいなさ故にこのようなことを引き起こした自責の念から、グレンはその日から修羅の道を歩み始めたのである。



 勇者を辞め、勇者を超える最強となるためにひたすら修羅となった。


 







 そして、グレンはこの大戦のことを後世に語り継いだ。




 グレンが語る大戦の記録では、賢王は最強の勇者として讃えられている。




 それは、賢者の女王は、本当は魔王であり、勇者ではなかったが、誰よりも真に勇者であったからである。




 そして、グレンは、その日から勇者(アイリス)が叶えた平和を守り、受け継ぐ者、


 勇者を継ぐ者


 となったのである。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 そして、冒頭に戻る。




(・・・なんて昔はそんなこと考えてたっけか。


 俺も青かったな・・・)



 グレンは大戦の頃、100年前の自分を思い出しながら、懐かしい気持ちになっていた。



 そして、懐かしさと共に、今の自分が手に入れた情報から、







 100年前の自分が考えていたこととはまったく異なる「真実」を知った。



 グレンはたった今確信したとある事実により、わなわなと身体が震え出した。



 グレンが確信した事実・・・それは







 ――アイリスに子供がいる。





 タズの綺麗な顔立ちは、今思い返せばどう見ても憎き宿敵を幼くしたソレ。



 タズが、奴と違ってあまりにも愛想がよく、可愛い笑顔ばかり浮かべて、正反対だったから今の今まで気が付かなかったが、



 エルフの姿やその整った顔は、将来絶対にあの顔になるであろうことを、今、昔(憎き宿敵の素顔)を思い出して確信した。




 そして、もう一つ、アイリスは嘘つきだったことを思い出した。

 


 アイリスはグレンの鉄拳制裁を恐れていつも嘘ばかりついていた。



 魔界で体調を崩した際も心配するグレンに「もしかしたら女の子のアレかも?グレンのえっち」などと言ってサラっと嘘をついていたが、実はバカげた魔法を唱え続けていたとんでもない嘘つきだった。よくよく思い返すと、あの手紙もちゃっかりと自分の責任を大魔王に擦り付けている最低最悪(クズ)の文面だった。



(何が誤解だよ、あの魔性の女・・・


 やっぱり誤解じゃねーじゃねーか。


 ホントは2人はひっそりと仲良く暮らしてましたってか・・・


 可愛い子供も2人いますってか・・・


 子供自慢に俺の実家に可愛い息子たちを送り込みますってか・・・


 幸せ絶頂でついでに封印したマナも戻しちゃいますってか・・・






 チッ!


 あのヤロウ・・・絶対●す!


 3回●す!)



 グレンはアイリスの口癖を吐きながらダークデビルを追った。

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