25.魔人は笑う
25.魔人は笑う
ワイトがペンタゴンを絶望の底に (無自覚に)叩き落していたころ……。
ある魔人はもはや日課となる回想と愚痴をはいていた。
私はエリッサ・フォン・ヤーベスチー。
通称:嘲笑の魔人です。
私は大変退屈しております。
なぜなら、今私は仕事という仕事の無い、いわゆる組織内無職という状態だからです。
主様は魔王さまの配下で、利発な方でしたが私にこのちんけな城の魔法陣維持という、そこに居るだけで出来てします簡単な、しかし、城を離れられない仕事をお与えになったまま、どこぞの勇者に滅ぼされてしまいました。
そのうえ、下等な人間の馬の骨貴族を偽りの主として設定されたため、この馬の骨がどうかならない限りはこの城を動けなくなってしまいました。
なぜ?と、理由になっていないと思うかもしれません。
これは、魔族は契約を守らねば、自らの魔力を制御できなくなり死んでしまうことによります。
主の名で私の偽りの主が設定され、さらに、城の魔法陣の維持期限が偽主の破滅までとなっております。
馬の骨を守る必要はありませんが、偽とはいえ主でありますので私自らが手を下せないのです。
ああ、馬の骨にまだ肉体のあるころは毎晩私を求めてきました。
あのときはうっとうしくてならなかったのですが、今となっては全くやることがございませんので、今よりまだマシだったのでしょう。
暇です、暇で死にそうです。
下等な人間はとっとと、この城に勇者でも送り込んであの馬の骨を滅するべきなのです。
おもに私の自由のために!
おや?
城の外にバカでかい魔力が感じられますね。
主さまよりはるかに大きく感じられます。
魔王さまでしょうか?
勇者でしょうか?
滅霊陣が起動されましたね。
勇者ではないようですね。
おや、偽主の部屋に急に移動しましたね。
こんな速さで移動できる存在ということは、高位の悪魔さまか伝説の魔神さま以外には存じておりません。
お出迎えしないといけませんね。
あわよくば、この退屈から逃れられるかもしれません。
ああ、自然と笑みがこぼれてしまいます。
さて、主の部屋へ向かいましょう。
どうせなら、男の方だといいのですけれど……。




