共闘
まっすぐにアメリアが魔獣のもとへ飛び込んだ。
残った右手で魔獣が攻撃してきた。
「っく!」
寸前で剣で防いだ。
後ろから周防が駆けてきた。
アメリアを飛び越え、魔獣の脳天に一撃を加えた。
「はぁあ!」
魔獣の上半身がふらついた。
地面に着地した周防は、続けて手を失った左腕に攻撃した。
右手とつばぜり合い状態だったアメリアは、力を緩め、右手をいなした。
魔獣の上体が流れ、うつぶせに倒れた。
アメリアの剣が魔獣の右手を刺した。
魔獣の低い悲鳴が響いた。
上体のみで暴れる。
周防は左側からの攻撃に、手を緩めなかった。
何度も切り付け、魔獣が小さく痙攣し始めた。
「あと少しだ!」
周防はアメリアに声をかけた。
「わかっている。だが、まだ油断するな」
二人で同時に魔獣へ攻撃した。
今までで最大の魔獣の悲鳴が響いた。
ずしんと重い音を立て、魔獣は崩れ落ちた。
「やった……!?」
離れた場所で見ていた雪の顔に喜びの色が広がった。
アメリアたちの元へ雪が走り寄った。
「危ない!」
武蔵が雪を抱え、横に飛んだ。
黒いものがすぐ横を飛んで行った。
魔獣が顔をあげていた。
黒い炎を放ったのだ。
真っ赤な目には憎悪の炎が宿っていた。
魔獣から放たれた炎は、後方の建物に当たった。
「まずいな……」
周防がつぶやいた。
「何故だ?」
周防を見、アメリアが聞いた。
「あいつ、封印に気付いていたのか」
炎が上がる建物。
それは王宮礼拝堂だった。
上空を覆っていた結界が消えた。
王宮礼拝堂の炎の中から黒い物体が浮かび出てきた。
魔獣の下半身だ。
下半身は倒れている魔獣の上半身の元へ飛んできた。
黒い炎をまき散らしながら、合体した。
「こりゃ、三百年前のリベンジとなるな」
上唇をひと舐めし、周防は剣を構えなおした。




