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封印の事実

「馬鹿正直なのは私もであったか……」


 アメリアの周囲には倒れた兵士たちであふれていた。

 こんなにも結界を壊そうとしていた者がいたとは。

 サラ女王は知っていたのだろうか。

 ここに来る前に言われた忠告――背後に気をつけろは、このことを指していたのだろうか。

 アメリアに向かってくる兵士はまだいる。


「貴様ら、剣を向ける相手を私としたことを後悔するがよい!」


 士気をそぐため、アメリアは強気に叫んだ。

 向かってくる兵士を剣でいなし、バランスを崩させる。

 剣の柄で殴り、返しで次の兵士に剣を振りかざした。

 一人、二人と倒していく。

 アメリアに憑いている“軍神”が騒ぐ。

 数多の負傷者を出しつつ、アメリアは兵士たちを一掃していった。




 あと少し――

 武蔵は空中を駆けていた。

 手には英雄の剣を握り、無我夢中で駆けていた。

 目の前に逆さまの王宮礼拝堂の屋根が近づく。

 眼下には王都が広がっているが、見ている暇もない。

 屋根に手が触れた。

 次の瞬間、目の前が真っ白に染まった。


 目を開けると、そこは王宮礼拝堂の中だった。

 地上に戻されたのかと思い、武蔵は窓から外を見た。

 青い空と雲が見えた。

 地上ではない。

 もしやと思い、上を見上げた。

 上には王都の市街地が広がっていた。

 ここは逆さ王宮礼拝堂の内部のようだ。

 重力が逆に働いているのか、逆さまなのに立っていられる。


「剣を突き立てないと……」


 武蔵が中央の祭壇に近づいたとき、それは起こった。

 空中に浮かぶ建物では起きることがない、揺れが起こった。




 裏切った兵士たちを一通り、ひれ伏した。

 アメリアは一息ついた。

 賛同しなかった第二小隊の兵士は魔獣と戦闘している。

 数が少なくなったせいで、魔獣が押している。

 戦いに向かおうと、走り出した時、市街地上空で空が歪んだ。

 北の都市ニガヴィーで見た光景と同じだ。

 歪みの中心から、黒い手が現れた。

 今回は片手だけではなく、両手が出ている。


「ちっ」


 アメリアは伝令用の魔術を発動させた。


「第五魔導師団は市街地上空に現れた黒い手を攻撃しろ!水か氷系で集中攻撃だ!」


 指令を飛ばしたあと、アメリアも魔術を展開した。

 第五の攻撃とともに放たれた。

 命中したが、大きなダメージにはならなかった。

 黒い手は歪みを広げようとしている。

 アメリアは見てしまった。

 黒い両手の奥に、爛々と光る赤い二つの目があった。


「あれも魔獣なのか……」


 圧倒的な存在に、立ちすくんでしまった。

 そこに、遠くからアメリアを呼ぶ声が聞こえた。


「アメリアさーん!新事実ーー!!」


 雪だった。

 アメリアの元に走ってくる。


「結界はこの国を守っているんじゃなくて、あれの下半身を封印しているんだって!!」


 雪の叫びに、アメリアは驚いた。

 


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