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封印の光

 怪我をした右腕を簡単に止血し、アメリアは地下室へ向かった。


「武蔵くん、気合でもっと光らないかな?」


「どんな気合を入れるんだよ」


 地下室ではいまだに球体をもっと光らせようと、悪戦苦闘している二人が居た。


「触るだけではなくて、磨けばいいのかな?」


「それはさっきやっただろう。次は考え方の切り口を変えて……」


 そこでやっとアメリアに気がついた。


「アメリアさん!!!」


 雪が駆け寄った。


「怪我しているの?大丈夫でした?地上はどうなりました?」


 アメリアに質問攻めをした。

 そんな雪に苦笑いをし、アメリアは答えた。


「怪我は大したことありません。薬を仕込まれていましたが、毒ではないから時期に良くなります。地上の魔獣は撃退できましたよ。」


 アメリアの回答に、雪はペタンと座り込んだ。


「良かったぁ。球体の光がイマイチだったから、まだ駄目だと思っていました」


 その雪の言葉に、アメリアは聞いた。


「封印の光が戻っていないのか?」


 視線を部屋の中央へ向けた。

 魔法陣の中心に台座と球体があり、今は武蔵が手を添えていた。

 アメリアは部屋の中心へ向かった。

 武蔵は一瞬、目をそらし、言いにくそうに言った。


「アメリアさん、その、街を、俺たちを守ってくれて……ありがとう」


 戦闘中のアメリアは鬼気としたものがあり、怖い。

 だが、今回、この街を守ったのも事実だ。

 それに対し、武蔵は礼を言った。


「軍人として当然のことをしただけですよ。それより、その封印の光は……」


「俺か雪が触れている間は、ぼんやり光っているんですが、手を放すと……」


 武蔵が球体から手を放した。

 それまでぼんやりと光っていた球体は、みるみる光をなくしていった。


「先ほど、結界が強まったのは何かやりました?」


 結界が強まり、あの黒い手が撤退していなかったら、勝てなかった。


「俺と雪、二人がかりで触れると、もう少し光るので、おそらくそれかと。アメリアさん、このあと王宮へ向かいませんか」


 武蔵のいきなりの提案に、アメリアは首をかしげた。


「最初の封印の台座に、光が戻らない場合、王宮で何かを掲げろと記載がありました。王宮で手がかりを探したいです」


 武蔵の言葉に、アメリアも思い出した。


「イズミの日記にも、王宮へ戻ったとありますから、いいでしょう」


 武蔵は念のため、日記を開き、続きを確認した。



 三月二二日 曇り  四方の封印が終わったので、王宮へ戻る。

 三月二三日 晴れ  途中で吟遊詩人に会う。アキラが何か話していた。

 三月二四日 晴れ  アキラに日記を読まれた。くそ。

 三月二五日 曇り  王宮についた。とても疲れた。締めは明日にしよう。

 三月二六日 晴れ  礼拝堂で最後の締めをやった。空がとても綺麗だった。

 三月二七日 晴れ  こことも明日で別れとなる。



 何度読んでも最後にどうやって帰ったのかは書かれていない。

 だが、礼拝堂で何かを行なう必要もあるようだ。

 次の目的地は出発の地でもある、王都“セリアージュ”に決まった。


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