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黒い手

 空中に現れた黒い手からは、黒い炎が放たれた。

 地上にいる建物、用心棒はては魔獣までもが炎に包まれた。

 圧倒的だった。

 黒い炎は瞬く間に地上を包み、地獄絵図と化した。


 アメリアは切られた腕を抑え、呆然とその光景を見ていた。


「これが切り札なのか……」


 黒い炎がアメリアの方にも飛んできた。

 とっさに魔術で防御を行なった。

 炎はなかなか消えない。

 十秒以上経ってから、やっと炎が消えた。

 アメリアも防御を解いた。

 予想以上の威力だ。

 簡単に消えない炎。それが空から無造作に降ってくる。

 こちらの戦力では絶望しかなかった。

 せめて、国軍の戦力があれば、互角までには戦える。

 しかし、ここには用心棒と負傷したアメリアしかいなかった。


「結界はまだなのか!」


 アメリアはギリッと両手を握り、空の手をにらんだ。





「どうすれば、いつも通り光るんだ?」


 武蔵と雪は腕を組んで考えていた。


「台座にヒントとかないかな?」


 二人はしゃがみ、台座を見た。



“この文章を読める者へ

  ここの街では、球体を保護できない可能性があった。

  球体を時空の狭間へ封印することで、保護することにした。

  封印はその地に住む人の感情に左右される。

  負の感情が多ければ多いほど、封印は早く光を失う”



 この街の封印に力がない理由は、おそらくこれだ。

 カジノで負けた人たちの負の感情が多く、封印の力が急速に失われたのだろう。

 だが、光を戻す方法は記載されていなかった。

 やはり、王宮に眠る何かを掲げる必要があるのだろうか。

 問題はこれだけではない。

 地上で戦っているアメリアは無事だろうか。

 ここから王都に戻る時間があるかが、一番の問題だ。


「ねぇ、武蔵くんも、この球体に触ってみて。二人なら光るかもよ」


 雪の提案に、試してみる価値はあるかと思い、武蔵が頷いた。

 武蔵がそっと球体に触れた。


「ちょっと光が強くなったかな?」


 ぼやっと、光が少し強くなった。





 空中に開いた穴が突如小さくなった。

 黒い手は、締め付けられるような状態となった。

 締め付けられ、暴れだした手は徐々に穴へと戻り始めた。

 完全に手が戻り、空が元の青空に戻った。


「終わったのか……?」


 そうアメリアが思った瞬間、空から黒い物体が落ちてきた。

 戻るときに穴を通れなかった指先の一つが、切断されたのだ。

 街に落ちたそれは、黒い炎をまき散らし、暴れ始めた。


「あれを退治せねば!」


 アメリアは塔の階段を駆け下りた。



 アメリアが到着した時、その周辺はすべて破壊されていた。

 黒い指先は一メートルほどの大きさだった。

 時折放たれる黒い炎を避け、用心棒たちは遠巻きにしていた。


「私がやる!!」


 走った勢いそのまま、駆けた。

 怪我を負っていたが、右手に剣を携え、切り込んだ。

 黒い指先を切ったと同時に、魔術を放った。


「氷よ、貫け」


 四方から発生した氷の槍によって、黒い指先は串刺しとなった。

 黒い指先が一瞬、暴れ、最後の足掻きとばかりに、特大の黒い炎を放った。

 炎はアメリアが張った防御の魔術に阻まれた。


「くっ……!」


 先ほど防いだ炎よりも大きいため、アメリアは全力で抑えた。

 炎が消え、地上の戦いが終わった。

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