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ニガヴィー

 娯楽の都市“ニガヴィー”

 そこは色とりどりの看板が掲げられていた。

 人々が行き交い、かなり活発な都市だ。

 都市の入り口から中央通りを歩き、宿を探した。


 この都市に到着するまでの間に答えが出なかった武蔵は、アメリアとの距離を広げていた。

 それを肌で感じたアメリアも、極力話しかけることはなかった。

 ギクシャクした二人の間に挟まれた形となった、雪は困惑した。

 一本、道を外れたところ、空気が一変した。

 両脇に立ち並ぶ店には大きな窓があった。

 そこに並んでいたのは商品ではなく、女性たちだった。

 この界隈はオランダの飾り窓と同じ感じだろうか。


「ここは立ち止らず、まっすぐ歩いてください」


 アメリアが振り返らずに言った。


「ここの都市は別名があります。“欲望の街”それがこの都市の実態です」



 しばらく歩いたところに宿屋があった。

 荷物を預け、都市の中心部へ向かった。

 日記に中心部にある教会の地下に第四の封印をしたとあったからだ。


「アメリアさん、欲望の街って、さっきの売春通りのことですか?」


 沈黙に我慢できなくなった雪が、アメリアに話しかけた。


「それは一部です。薬、ギャンブルなんでもここにはあります」


「それって、違法なもの?」


「グレーな部分が多いのは確かですね。法の隙間をかいくぐることに長けた連中ですから」


 アメリアは苦笑いした。


「そっか、大変だね。総団長さまでも捕まえられないなんて」


 軽い雪の言葉にアメリアの苦笑はさらに深くなった。


「そう、大変なんですよ」



 話をしているうちに、中心部に到着した。


「ここ、教会ですか?」


 そこには、原色で派手な飾りを付けた大きな看板、そして巨大な建物が存在していた。

 人々がひっきりなしに出入りし、よく見ると、入り口には警備員らしき人もいた。

 どう見ても教会ではない。


「……カジノですね」



 とりあえず、三人はカジノへ入ってみることにした。


「よう、兄ちゃん姉ちゃんら、人生終わらせに来たのか?」


 入り口の横に座り込んでいる初老に近い男性が声をかけてきた。


「私の人生はまだこれからですよ」


 少し語尾を強め、雪が答えた。

 その答えに、男性はにやっと嫌な笑みを浮かべた。


「馬鹿正直に答えるな。ここはニガヴィー、欲望の街だぜ。話しかけてくる人間はほとんど詐欺師だ」


 男性はそう言い、ひゃひゃひゃと笑う。


「雪、相手にするな。早く建物の中に入るぞ」


 武蔵は雪の腕をつかみ、促した。

 建物に入ろうとしたとき、まだ男性の声が聞こえた。


「ここの連中は人をだますために頭を使っている。人の話は信じるなよ!」



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