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ドラゴンの血肉とエリクサー

ドラゴン討伐を終え、家に帰宅するとマナとアリスが出迎える。

二人に出迎えられたルリはマナからとある相談を受ける──





「討伐は完了したぞ、解体するから小屋を貸せ」

「本当ですか⁈ ど、どうぞどうぞ!」

 ギルドマスターさんに促されてスフェールは解体小屋に向かった。

 ギルドマスターさんが解体小屋から戻ってくると私は尋ねた。

「マナ君とアリスちゃんと何を話してたんですか?」

「いや、養子縁組とかあるがどうするって話したら、自分達は巫女様とフェンリル様のところで暮らすって言って聞かなくてな」

「どうして其処まで?」

「二人の村はフェンリナ神を信仰する村だったんだ、ここと一緒で」

「はぁ」

「村人達は大勢殺されたし、父母も魔物に殺された、自分達も殺されるところを巫女さんところのフェンリルに助けられたし、村も開放された。村はもう無くなったけど、自分達の親ならきっと恩返しするのではないか、と」

「そんなこと、考えなくていいのに」

「だからあの二人に仕事を与えてやりな。そうした方があの二人も前向きになれる」

「分かりました」

 ギルドから出て私は悩む。


 仕事と言っても子どもだぞ、何させればいい?


 そんな事を考えながら家に戻れば──

「みこさま!」

「みこしゃま!」

「マナ君、アリスちゃん、ただいま」

「フェンリル様は?」

「今メタルドラゴンの解体中」

「「メタルドラゴン‼」」

 子ども達は目をキラキラとさせる。

「ドラゴン、狩ったんですか⁈」

「うん、そうよ。でもスフェールは可食部位がほとんど無いメタルドラゴンにはやる気がないみたい。と言ってもギルドで全部買い取ることはできないだろうけど」

「あの……」

 マナ君がおずおずと口を開いた。

「どうしたの?」

「ぼくとうさんからきいたんです、ドラゴンの血肉はエリクサーの元になるって……」

「もしかして、病気か何かを治してあげたい子がいるの?」

 そう尋ねるとこくりと頷いた。





 事情を聞いた所によると、その子は孤児院の子らしい。

 産まれた時から病にかかり親に捨てられたそうだ。

 今も病に苦しんでいる。


「エリクサーかぁ……」


 果たして材料があったとして作れるものなのか?


 そんな事は口に出さず。

「スフェールに相談してみるね」

 と言って話を一端置いておいた。


「ところで何かしたいことがある?」

「はたけしごとをしたいです」

「ぱぱとままがやってたの」

 畑仕事かーこれ重労働だぞ?

 子どもができるのは精々水蒔きと収穫程度だと思うけど……

「まぁ、それもスフェールに相談してどこに畑を作るか決めようか」

「はい」


 と、言うことで私達はスフェールを待つ間に料理をすることにした。

 アリスちゃんは小さすぎるのでマナ君がメインの手伝い。

 ブイヨンの素を入れて野菜と肉を煮込んだスープを作る。

 パンも取りだし、サラダも作る。


「こんなもんでいいかなー?」

「おいしそう!」

「おいちしょう!」

「早くスフェールが帰ってくるといいねぇ」

「はい!」


 そんな会話をしていると。


「戻ったぞ」

「スフェール、お帰りなさい」

「うむ」

「フェンリル様、お帰りなさい!」

「おかえりなちゃい!」

「ああ、ところで良い匂いがするが……」

「そしてスフェールからはちょっと強い臭いがするから先にお風呂入ってきて」

「分かった」

 ドラゴンの鉄の匂いなのか血の臭いなのかは分からないが凄いする。


 スフェールは大人しくお風呂に行った。


「みんなお風呂はいってて良かった」

 これで、私達全員が入ってなかったら、スフェールが入った時点でお湯の入れ替えをしなければならない。

 だって血とかへばりついてるお風呂には入りたくないもの!


「あがったぞ」

 ふかふかの毛並みで上半身裸のスフェールがやって来た。

「ズボンも着替えた?」

「替えたぞ」

「ならいいや。ご飯にしよう」

「ああ」


 皆でテーブルを囲む。


「いただきます」

「いただきます」

「いただきましゅ」

 マナ君とアリスちゃんは私の真似をするようになっていた。

 スフェールは黙々と食べている。

「美味しい?」

「ああ」

「良かった」

「お前が作った物が不味い訳なかろう」

「買いかぶりすぎ」

「フェンリルさま、みこさまがたいせつなんだー」

「なのー」

「その通りだ」

「ちょっとスフェール⁈」

「事実だろう」

「全く……」

 私はあきれの息を吐く。

「そうだ、相談したいことがあったのよ」

「なんだ?」

「実は──」


 私はスフェールにマナ君から相談された事を話した。


「確かにそう言う病にはエリクサーが適任だ、だが俺は作るのに適していない」

「え、じゃあ誰が……」

「お前だ、ルリ。エルフィーナ様からの加護は調合魔法は調合、製薬の加護を持って居る」

「材料は」

「俺の手持ちである。食後に出そう」

「うん」


 私達は食事を終える。

 洗い物も洗って、さぁやるぞと思って居るとテーブルに壺と血の入った瓶などが並べられていた。

 私は迷わずゴム手袋を持ってくる。


「どうすればいい?」

「調合魔法を使うならイメージしながら調合(コンポーネンス)と唱えてみろ」


 私は言われたとおりに、調合をイメージして唱える。

調合(コンポーネンス)

 緑の水の球体が出て来た。

「それに材料をぶち込め」

「え、あ、うん」

 マナ君達はじっと見つめてる。

 責任重大じゃね?

 とか思いつつ、材料を掴んで入れて行く、注いで行く。

 すると、赤い液体ができた。

「……調合は成功だな」

「これ、どうすればいい?」

「下に瓶とか置けば自動で入る」

 私は瓶などを置いた。

 液体は全部入った。

「寿命は多少延び、健康体になる代物だ。成功だな」

「やった!」

「喜ぶのはまだ早い」

「なんでですか?」

「一般人にエリクサーを使うなど普通はありえない、渡したら下手すると売り飛ばされるぞ、この薬」

「ええ⁈」

 マナ君がショックを受けた顔をする。

 私もちょっとショック、せっかくその子の為に作ったのに売り飛ばされるなんて。

「だから──」


「明日、薬を隠し持って孤児院に向かうぞ」


 にやりと笑うスフェールはいたずらを考えついた子どものようだった。







ドラゴンの血肉でエリクサーを作ったルリ。

ですが、そのままだと売り飛ばされると言われたのでスフェールに隠し持っていくと提案されます。

スフェール何を見抜いているんでしょうか?


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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