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とある一日~狩りと見廻り、街防衛~

平穏な一日、スフェールは子ども等に名前を聞く。

マナとアリスと二人は名乗る。

互いの自己紹介を終え、ヒュマナ信者がまだいるという問題に対してルリとスフェールは考える──





「ごちそうさまでした」

「ごちしょーしゃまでちた」

「ごちそうさまでした」

「美味かったぞ」

 各自食後の一言を述べて片付けをする。

「あ、そう言えば」

「どうした」

「二人に名前聞いて無かったわよね」

「そう言えば」

 遅すぎる、はよ気づくべきだった。

「貴方達、名前は」

「ぼくはマナ」

「あたちはありす」

「マナ君とアリスちゃんね、私はルリ、でこっちのフェンリルがスフェール」

「るり様とすふぇーる様……」

「るりしゃまとすふぇーるしゃま……」

 二人は真剣に名前を覚えようとしていた。

 可愛い。

「ルリはつ……げふん、我らを守護する神々の巫女だ、足手まといにはなるなよ」

 本当は妻と言いたいらしいスフェール、我慢しているようだ。

「かみがみってひゅまなしんも?」

「いや、ヒュマナ神は入っていない、フェンリナ様など他の種族も庇護する神々達は入っているが」

「ほんとう⁈ よかった……」

「……ヒュマナ信者め、加護も像も造れなくなったというのに未だいるのが忌々しい」

「スフェール……」

「ひゅまなしんじゃにむらをこわされちゃった」

「ぱぱとままはたすけをもとめにでたんだけど……」

「運悪く魔物と遭遇し、死んだ、と」

 スフェールが言うと、マナ君とアリスちゃんはこくりと頷いた。

「ひゅまなしんじゃがいなければ……!」

 マナ君の表情が悲しみと怒りに染まっていた。

「しかし、どうしたものか」

「どうしたの?」

「こういうことは一度ならずともあることだ、国を挙げて潰して貰うしかないだろう」

「……そうだね」

「と言うわけでギルドに行くぞ」

「あ、うん。二人とも留守番よろしくね?」

「はい!」

「あい!」

 元気よく返事をする二人に見送られながら私とスフェールはギルドに向かった。





「──と、言うことだ」

「なるほど……それは各国で対策を練らねばならない事ですな」

「未だ信じている輩は多数いる」

「そうですな……」

 難しい表情で、色々お話中の二人。

 私は受付嬢さんが持ってきてくれたお茶を飲みながら二人を眺めている。

 スフェールは凜としているが、ギルドマスターさんは頭を抱えている。

「分かりました、王宮の方にお伝えしてみます」

「できるのか?」

「いやぁ、フェンリル様と巫女様が深刻な相談持ってきたと言えば通りますよ」

「なるほど」

「では私は書類を作成します」

「我らはしばし見廻りをする」

「うん、それがいいね」

「頼みます」

 そう言って私達は外の見廻りを行った。


 鹿っぽい魔物から、ゴブリン、オークと色々遭遇した。

 勿論被害が出る前に撃退した。

 途中でメンディスの街に向かってくる冒険者や冒険者に護衛された商人と遭遇したが、それ以上のことは無かった。

 魔物を退治してくれて感謝されたりした。

 なんかランク的に返り討ちに遭いそうな魔物だったらしい。

 冒険者も大変だ。


 そして夕方になってメンディスの街に戻った。

「今日はカレーにしよう」

「おお、ちょうど良くオーク肉があるぞ」

 二足歩行の豚だが、もう食べることには迷いはない。

 オーク肉の塊をいそいそと取り出すスフェールに呆れつつ、私はアイテムボックスに保管していたルーと野菜を取り出し、料理を開始する。

 お米も取りだし、ご飯を炊く。

 無洗米だったから、洗う必要無くて良かった、のか?





「みんなーご飯できたわよー」

「ごはん!」

「ごあん!」

「飯だな」

 なんだかんだで面倒見がいいスフェールは二人の遊び相手になってあげていたようだ。

 巫女とかそういうの抜かして考えると、一気に新婚の子持ち夫婦になってる感じなのかな本人的に。

「みこさま、これはいったい?」

「カレーライス。まぁ、甘口だから一度食べてみて」

 普段は中辛だが、小さい子が食べるならと甘口にした。

「何、あの辛さが良いのだが」

「そう言うと思って、辛さを上げたのを分けて作ったから、スフェールは安心して食べて」

「うむ、そうか」

 スフェールは椅子に座り、匙──スプーンを手にする。

 マナ君とアリスちゃんも座り、スプーンを手に取って、恐る恐る口にする。

「! おいひい!」

「おいちい!」

「そう、良かった」

「うむ、この辛さがたまらんな」

「二人にはあげないでよ、刺激的すぎるから」

「分かっておる」

 私もカレーを口にしながら、舌鼓をうつ。


──ああ、家庭の味はやめられないなぁ──


 そんな事を思いながら。





 食事を終えて、後片付けをしていると──


 カンカンカン‼


 鐘を何度も激しく叩く音が聞こえた。


 ギルドマスターが慌てて我が家にやってくる。


「巫女様! フェンリル様! メタルドラゴンが来ました! 複数体の群れで!」

「何体だ」

「五体です!」

「我とルリだけで十分だ、行くぞ」

「うん!」

「みこさま! ふぇんりるさま!」

「みこしゃま! ふぇんりるしゃま!」

「安心しろ、無事に帰ってくる」

「はい!」

「あい!」

 私は四足歩行になったスフェールの背中に急いで乗り街の外を目指す。

 固く閉じられた門を駆け上がり、外に飛び出す。


 まだ距離があるが、メタルドラゴンの姿が視認できた。


「いくぞ、ルリ」

「うん!」

 スフェールに乗りながら「弾丸の元」である魔力の塊を周囲にばらまく。

 そしてスフェールから下りてメタルドラゴンに向けて銃口を向ける。

 装甲の隙間に向けて弾丸を撃ち込みながら攻撃を避けて「弾丸の元」を、うまい具合に エアガンに吸い込ませながら魔力を増大させていく。

 全て拾えたら特大の風魔法を打てる。

 そうじゃなくても風魔法で足止めできる、どちらに転んでも構わない。


 メタルドラゴンの群れは魔力の塊に危険を感じたのか避けていた。

 だから私は全ての魔力の塊を銃に込めることができた。


「スフェール! いっくよー!」

「ああ!」

 私は群れに向かって特大の風魔法を放った。

 風は装甲を切り裂きながら群れを飲み込む。

「スフェール!」

「任せろ!」

 特大の雷魔法が落ちる。

 耳障りな声を上げてメタルドラゴンたちは倒れた。


「よし!」

「息の根も止まっているし、今のうちにアイテムボックスに入れるか」

 スフェールはいそいそと入れ始めた。


「可食部位はないんだよね?」

「だから売り払う」

「……皮膚、傷だらけだけど売れるかなぁ」

「さてな」


 そんな会話をしながら、私達はメンディスの街に戻った。

 マナ君とアリスちゃんはギルドマスターさんとどんな会話をしているんだろう、そんな事を考えながら──







ギルドにヒュマナ信者の対応を国でしてほしいと申し出るスフェール達。

ヒュマナ信者はしつこいですからね。

それと、メタルドラゴン。

以前はスフェールだけで対応してましたが、今はルリも参加して対応するように。

ルリも強くなった証拠ですね。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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