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新しい国と日常……だけども?

ギルドからの伝達で王都に向かったスフェールとルリ。

王宮に招かれ、国王と話すことに。

それはヒュムニア王国をどうするかについてで──



 その日、ギルドを通して王都に来るように言われた。

 スフェールは向こうが来ればいいのにと言っていたが、向こうも色々都合があるのだろうと言いくるめて王都へ向かった。

 二日ほど走り続けて夕方到着した。


「おお、お越しくださいました」

「国救いの巫女に、聖獣様」

 ん?

 聖獣?

 もしかしてスフェールの事?

「要件を早く述べよ」

 スフェールはどうでもよさげに口を開く。

「実は元ヒュムニア王国の事なのですが……」

 国王様が口を開く。


 内容はクロノシア様が言った内容と一緒だった。

「……うーん」

「ルリ、どうした」

「やりたくは無いです、が民の方々が私達以外は嫌だ、と」

「はい」

 私の言葉に国王様が頷く。


 どうしたものかと思って居ると、スフェールが上を見ている。


「神託が下った」

 お、神託キタコレ。

「おお! 聖獣様! どのような⁈」

「ルリと我が選んだ者を国の長と側近にせよと」

「え、私⁈」

「だから、国を任せようとしていた者の書類を見せろ」

「畏まりました」


 私は別室に通される。


「書類見たって私何も分からないよ」

「我が見るからルリは見せてくれ」

「ああ、うん」

「お持ちしました」

 書類の束を見てぎょっとしたが、取りあえず、スフェールに見せることにした。


 スフェールはじっと見つめて、駄目な場合は「話にならん」といい、良い場合は頷いた。

 それを繰り返すこと数十回。

「ここまで減っちゃった」

 紙の束はペラッペラになった。

「さて、ここから面接で絞るぞ」

「あのー私の居る意味は?」

「居ることに意味がある」

 なんのこっちゃい。


 翌日、スフェールの第一のお眼鏡にかなった人達と話し合うことに。


 これが色々と大変だった。

 スフェールの圧迫面接が相手さんに可哀想だったが、それにも怖じ気づく事無く話す方も居た。


 そして──


「決まったぞ」

「おお!」

「どなたですか⁈」

「クレディス王国のスフィエラ公爵だ。獣人の妻を持ち、エルフの側近を持つ」

「おお、それなら」

「我は先に、元ヒュムニア王国の王都に入る、それを伝えるように」

「分かりました」


 私はスフェールを王宮を出て王都から離れた。

「ここまで来ればいいな」

「何が?」

「転移魔法だ」

「え⁈ そんな便利なの何で今まで使わなかったの」

「転移魔法で移動ばかりしてたら体がなまるし、何よりルリ、お前の為にならん」

「どういうこと?」

「何処にどういう土地があるのか、それを肌で感じ取るのも冒険者として、この世界を生きて行く者として重要だ」

「……うん」

 何故か納得してしまう。

 でも、私冒険者というか、スローライフ希望なんだけどなー⁈


「では行くぞ、ゲート」


 穴が空き、向こう側が見えた。

 スフェールに乗っかりながら通り抜けると穴は消えた。


「元ヒュムニア王国の王都だ」

「しばらく、休もっか?」

「そうだな」

 王都に入ると、兵士の方々が驚いてたが、直ぐさま王宮に通された。

 そして王宮の一室で休むように言われた。


「うまくいくかなぁ?」

「我に任せよ」

「うん」


 公爵様が来るまで、私達は王宮で私が購入した野菜や肉などの料理を食べながら過ごした。


「──巫女様! 聖獣様! この重役に私達をお選びくださり感謝の限りです!」

「は、はぁ」

「世辞はいい、国王になる覚悟はできたな?」

「勿論です」

「で、国の名前は」

「ディスタント王国と名乗ろうかと」

「そうか」

「では宣誓の際側に居てくださると幸いです」

「良かろう、期待を裏切るなよ?」

「勿論です!」

 ちょっと公爵様が青ざめた気がする。


 まぁ、国を滅ぼせるフェンリルのスフェールに脅されたらそうなるだろうな。


 その後、城のベランダ?

 街を見渡せる場所で拡声魔術を使って宣誓が行われた。


 内容としては、どの民も手を取り合い、共に歩む為に努力しよう、みたいな内容だった。

 あと、ヒュマナは既に滅んだ神故に、二度と信仰することなかれ、とも言われてた。


──私とスフェールが滅ぼしたんだけどね!──


 とは言わない。


 あと、巫女様と聖獣様が開放した国、二人に感謝を捧げようとか言われた。

 いや、感謝されても困る。

 崇められても困る。



 城から出ると、民の方々から崇められた。

 マジ困る。


「さっさと帰るぞ、あまり目立つのは好かん」

「デスヨネー」


 私はそう答え、王都からかなり離れると、転移魔法で本拠地に戻った。





 メンディスに戻ると、私とスフェールは家に戻った。

「今日はシチューにする?」

「いいな」

「その間スフェールはどうする」

「狩りに行ってくる」

 スフェールはそう言って出掛ける準備をした。

 私はお肉を貰ってシチューを作り始める。

 今日はビーフシチューだ、マーダーブルの。


 ルーを鞄から取り出し、そして野菜と水も取りだし、切り、煮込んでいく。


「よし、できた」

 味を見たが、良い具合だ。

 お肉も美味しい。


「さて、これの付け合わせはパンだな」


 と、鞄から包まれたパン五個セットを取り出す。


「飲み物は麦茶でいいかなー?」


 と、麦茶の入った冷えたペットボトルを取り出し、冷却庫へしまう。


 扉が開く音がした。


「あ、お帰りな……」

「……」

 スフェールは獣人と人のハーフっぽい子ども二人を抱えて入って来た。


「あの、その子らは?」

「狩りに行った先で泣きわめいていると思ったら夫婦と思われる死体の側で泣き叫んでいた。放置するのもどうかと思い連れてきた」

「ぐずっ……」

「おがーざーん! おどーざーん!」

「な、何があったんです⁈」

「ああ、もう!」

 スフェール、そういうのは素晴らしいけど、私に報告じゃなくて街長さんに報告するのが先じゃない⁈

 私は頭を抱えてしまった。







元ヒュムニア王国はなんとかなりましたね。

ですが、一難去ってまた一難、今度は孤児を拾ってきたスフェール。

ルリも混乱しますね。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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