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家を買う

メンディスの街に戻って来たルリとスフェール。

冒険者ギルドのマスターに家を買いたいと言うと、喜ばれ、家なら商人ギルドと案内される。

二人が選んだ家は──




「よ、漸くついたね……」

「そうだな……」

 早朝メンディスの街に私達は到着した。

 神託と王宮からの通達のせいで私達は通る街や村で歓待を受けた。

 まぁ、歓待が皆パワフルで疲れた。

 皆逞しいなぁと思った。


 ヒュマナ神の像があった場所は別の神様の像が置かれることになったらしい。

 ヒュマナ神を信じている人は会う限りめっちゃ少なかった。

 だから多分大丈夫だろう、と思いたい。


「おお、ルリか⁈」

 冒険者ギルドに顔を出すとレーンさんが会いに来てくれた。

「よくやってくれたな! そうだ国王様から連絡があってな、ギルドカードを渡してくれ」

「はい?」

 よく分からずギルドカードを出すと、レーンさんは白金色のカードをくれた。

「Sランクだ、此度の件でAランクのままだと失礼だろう、とな!」

「ほへー……」

「これで、どこへ言っても大丈夫だな」

「うん、そうだね」

「ところで、なんでメンディス(この街)に戻って来たんだ?」

「その、この街で家を買おうと思って……」

 私がそう言うとレーンさんはガッツポーズをした。

 あるんだ、ガッツポーズ。

「い、いいのか? 確かにここは住みやすいが……お前さんなら王都とかでも歓迎されるんじゃ無いか」

「……此処がいいんです」

「そうか……よし、そうと決まれば前向きに考えるか! 英雄で、Sランク! うん、箔がつくな!」

「……」

 あまりの変わりように思わず無言になる私。

「あの、家は何処で買えば……」

「そりゃあ商人ギルドだ」

「分かりました、有り難うございます」

 お礼をして商人ギルドへと向かう。


「ルリ様、いらっしゃいませ、本日はどのような件で……」

「あの、家を買いたいのです」

「‼ 少々お待ちを‼」

 受付嬢さんは奥へと走って行った。

 すると、商人ギルドマスターのラックさんが姿を現した。

「ルリ様、家をお買いになりたいと?」

「はい」

「では、ご案内しましょう」


 ラックさんに案内されて家を買いに行くことに。


「……」

 最初に見せられたのは豪邸、まさしく豪邸と言わんばかりの広い庭に広い建物。

 私とスフェールだけで住むには広すぎる。

 防犯対策は一応しているけど、後で奴隷を買ったり防犯対策をしといた方がいいと言われた。


 次の家。

 先ほどより規模の小さい豪邸、代わりに防犯対策がしっかりしている。

 庭もそこそこ広くてちょうどいい。


 三番目はまた豪邸。

 防犯対策もしっかりしているからか、かなりお高い。



「二番目でいいよね」

「そうだな」

 私達は二番目の家を選んだ。


 お風呂等には魔晶石が必要なので冒険者ギルドで購入。


 そしてお風呂にお湯を入れる。

 ちょうどいい湯加減になったら入浴剤を入れる。

 ハーブの香りの入浴剤だ。


「あー……漸くゆっくりできる」


 髪や体を何度も洗い、お風呂に浸かる。

 ちょうど良い温度をゆっくりと堪能する。

「しばらくはゆっくり過ごそう、それがいいや」

 スフェールにも言っておこうかなと思いつつお風呂を満喫する。





 お風呂から上がり、周囲を見渡すがスフェールの姿がない。

 書き置きがあり「ちょっと出掛ける、夕方前には戻る」とだけ書かれていた。

 なので、お菓子のクッキーを取り出し、ミルクティーの紙パックを取り出すと私はそれらを口にした。

「んー! 美味しい!」

 いつもスフェールと一緒だったので一人の時間を満喫した。


 三時頃、スフェールが帰って来た。

 ほんのりと魔物臭をさせて。

「スフェール」

「ルリ、肉を卸してもらいに行くぞ」

「あっはい」

 私は着替えて、冒険者ギルドの解体小屋にスフェールと向かった。

 スフェールは自身のアイテムボックスから大量の肉を出した。

「依頼をお前の代わりに受けておいた」

「どうして……」

「この世界に来てからほぼ休みなく働いていただろう、休みは必要だ」

「スフェール……有り難う」

「肉以外は宜しいんで?」

「肉を寄越せ、他はいらん」

「分かりました」

 スフェールと解体屋さんはそう会話をして、私はスフェールの手を撮って家へと帰宅した。


「今日は何を食べる?」

「前作ったカレーとやらが食べたいな」

「うん、いいよ」

 お米を土鍋で炊いて、カレーの具材を切ってルゥを入れる。

 お肉はマーダーブルの肉だって。

 つまり牛肉。

 おお、豪華。


 炊いたお米を皿に盛り、カレーをかける。

「戴きます」

「……そう言えばなんだそれは?」

「ご飯を戴く挨拶だよ、命を戴くから、いただきます、なの」

「そうか……じゃあ、いただきます」

 そう言ってカレーライスを食べる。

「うん、この味、なんとも言えないな」

「カレーはいつ食べても美味しいなぁ」

 私は一皿、スフェールは二皿分平らげて、後片付けをする。

「しばらくはゆっくりしようね」

「ああ、そうするか」


 そう言って家に鍵を閉め、寝室に向かう。

 寝室のベッドに横になると、スフェールは側で丸くなった。

「お休みスフェール」

「お休みルリ」

 そうして私は眠りに落ちた。





「漸く落ち着きましたね」

「フェンリナ様」

 フェンリナ様がにこやかに微笑みながら私を見ていた。

「ヒュマナの穴は私達全員で埋めることとなりました」

「そうですか……ヒュマナはもう二度と蘇らないのですか?」

「蘇りません、復活もありえません」

「そうじゃな、ヒュマナの存在はもう消滅した、完全に」

 クロノシア様も言う。

「うーん、ならいいのですが」

「何か引っかかることでも?」

「いえ、もしヒュマナが完全に消滅したとしましょう、ですがヒュマナ神と言う神は居たのは間違いないです、まだ信仰している人達がヒュマナ神を復活させようとしてとんでもない事態になるのでは、と」

「それはあり得るのぉ」

「ですがヒュマナの像は全て破壊されています、絵も、何もかも、今後も書いた瞬間、彫り上げた瞬間崩れ落ちるでしょう」

「よし、一応念の為ヒュマナ神は消滅し、どこにも居ないと神託を下そう世界中に。ただ、消滅させたのは儂ということにしておく」

「そ、そうですか」

「まぁ、そういうゴタゴタは儂等に任せておくと良い、ルリ、其方はしばらくゆっくりと休むがよい」

「はい」





「……」

「お早う、ルリ」

「お早う、スフェール」

 私は起き欠伸をした。

「眠いなぁ……」

「疲れているのだろう、もう一眠りしておけ」

「うん」

「その間に肉を貰ってくる」

「うん……」

 ぼふんとベッドに横になり、私は二度寝に突入した──







防犯設備のしっかりしている家でした。

そしてルリ、ヒュマナ神が消滅した後のことも色々危惧しているようす。

まだ信者がいるのではないかとか、色々と……


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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