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女神消滅

ヒュムニア王国の王都ヒュムニアの前に到着したルリとスフェール。

多国の軍も進軍していた。

だが、壁になるように奴隷が配置されていたため、ルリは奴隷解放の魔弾を放つ──




「──漸くたどりついた」

 丘の向こうから見える城を見て私は呟く。

「そうだな」

 二ヶ月弱くらいかかった。

 各地でヒュマナ神の信者──加護持ちが暴れていたのでそれをどうにかするのに追われた。

 それをこなしながら、漸くたどりついたのがヒュムニア王国の王都ヒュムニア。

「ルリ、覚悟はできてるか」

「うん、できてるよ」

 ヒュマナ信者のしていることを見てきたんだ。

 ためらいは微塵も無い。


 ヒュムニア王国の各地の街の奴隷達を開放して来た。

 信者が多い街は壊滅させた。

 そうでない所はヒュマナ神は神では無くなったと伝え、奴隷解放だけ。


 そうやって来た結果──

 丘の下には各国の軍が陣取っている。

「では、行くぞ」

「うん!」

 スフェールが丘を降る。

 軍の頭上を飛び、進んでいく。

「フェンリル様と巫女様が進んだぞ! 我らも進めー!」

「「「おう!」」」

 進んでいくと、肉の壁というか、人の壁、奴隷の人達が剣を持たされていた。


 私は首にめがけて一発魔弾を撃ち込む音波となって首輪を壊していった。

 残った方達も同じように魔弾を撃ち込んで首輪を壊した。


 隷属の為の首輪が無くなった人達はそれを確認すると向きを変えて城の方へと攻め入っていった。


「ルリ、急ぐぞ!」

「うん!」

「スフェール。ヒュマナ神は何処に?」

「教会だ」

「行こう!」


 私はばらまくように、銃弾を撃ち込みながらスフェールの上から兵士達に攻撃をした。

 スフェールも風魔法を使って兵士達をなぎ倒していった。





「何をしているの⁈ 加護を、加護を与えたでしょう‼」

「ですが、ヒュマナ様。その加護を打ち破り、フェンルリと人間の女が民衆も扇動してこちらにやってくるのです‼」

「何ですって‼」


「やって来ましたが?」


 ヒステリックにわめく女を見て私は静かに言う。


「お、おのれ、ヒュマナ様には指一本──!」

「邪魔」


 バンと、魔弾を撃ち、信者を昏倒させる。


「ヒュマナ、聞きたい事がある」

「お前、あの時の娘⁈」

「そうよ、アンタに殺されそうになった」

 ヒュマナは私の顔を見てはっとしたように言った。

「私の邪魔を、何故するの!」

「クロノシア様からの頼みだよ、アンタをここで消滅させろってさ」

「何ですって⁈ クロノシア様がそんなことを──」


『言ったぞヒュマナよ』


 声が響き渡る。


「クロノシア様⁈ 何故です⁈」

 ヒュマナは明らかに狼狽えている。


『お前はこの数百年の間何をした? 禁忌の召喚をさせたあげく、人間以外の種族を排斥し、奴隷化ないしは滅亡させようとした』

「人間以外必要ないのです!」

『そんなつもりで世界を作った覚えはない』

「人間ほど素晴らしい生物は居ないのです!」

「──さっきからそんなこと言ってるけどさぁ、アンタがやってること見てたらとてもじゃないけどそう思えなくなったよ」

「何を言う小娘!」

「ヒュマナ、アンタは何で人間至上主義になった?」

 私は今まで分からなかった質問を投げかける。

「人間は他種族のように秀でた部分が少ない、だけどもそれを理解した上で、自分達がうまくやっていけるように日々研磨している、素晴らしいと思わないの⁈」

「……悪いけど、それ他種族でもやってるから」

 私はため息交じりに言った。

「嘘よ!」

 何でも無いことで、ヒュマナは人間こそが尊い──いや、人間しか見てなかったからそう思うようになったのだと結論づけた。

 私の言葉をヒステリックに拒否するヒュマナに私は近づく。


 ヒュマナは魔法で私を近づかせないようにしていたが、加護と結界魔法がある。


「ヒュマナ」

「ひっ!」

 銃を突きつける。

「貴方には何度もやり直す、考え直す機会があったでも──」


「もう、それもない」


 引き金に指をかけ、力を込める。


「もう、許されることはない、怒る必要も無い、貴方は此処で」


「終わるのだから」


消滅せよ(エクスティクシオ)!」


 ヒュマナの頭に風穴があく。

 体が光る。


「あ、あ、いや、いや、消えたくない、消えたくないー‼」


 髪を振り乱し、私につかみかかろうとした瞬間スフェールが私を引っ張り、ヒュマナと引き離した。


「いやあああああああああ‼」


 ヒュマナは光と共に消え失せた。


「爆破魔法を使おうとしたのだろう、が距離が離れて使えなくなって消滅したようだ。とフェンリナ様からご神託があった」

 それ神託じゃなくて説明じゃない?

 と思いはすれど言うことは無かった。


「巫女様! フェンリル様! ヒュマナ神は⁈」

「消滅した、もう加護の効力もないだろう」

「分かりました! 全軍に通達、王宮に進行! 取り囲め、国王達を逃がすな!」


 ふぅと私は息をすると、あったであろうヒュマナ神の石像が粉々になっていた。


『ヒュマナが居なくなったからじゃよ』


 クロノシア様の声が聞こえた。


『ルリ、よくぞやってくれた。そしてすまない、儂の尻拭いをさせてしまい……』


 クロノシア様申し訳なさそう。


──いえ、いいんですよ。そのために、私はここまで来たんですから──





 王様達は捕まったらしい、多くの貴族も。

 この国のことは他の国に任せて私達はメンディスの街に帰ることにした。


「後の事はお任せください!」


 と言って居たので大丈夫だろう。

 帰る前に魔王らしき御方とも話をした。


「我らが神ディストレスの加護を持つ巫女よ」

「は、はい」

「此度は助かった、我らは皆少なくとも持てど多勢に無勢だったからな」

「大変なときに申し訳ございません」

「いいや、其方等がこの国で活動してくれたから勢いがそがれ、こちらに来ることができた礼を言う」

「いいえ、手伝ってくださりこちらこそ有り難うございます」

「これから何処へ?」

「メンディスの街に行こうかと」

「そうか、行く場所があるなら引き留めるのは野暮だろう」

「魔王様……」

「もし我が国に来ることがあれば国を挙げて歓待させてほしい」

「え、えーとそれはちょっと勘弁、です」

「そうか、では普通に歓迎しよう」

「それなら」

 そんな会話を各国の人ともやりとりをして私達は元ヒュムニア王国を後にした──







ヒュマナ神消滅です。

ヒュマナの加護はこの世界から消え去り、像も壊れてしまっています。


ヒュマナは視野が狭かったのでしょう、その結果ああなった。

哀れな末路です。


ここまで読んでくださり有り難うございました!

次回も読んでくださると嬉しいです。

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