終わった時のこと
ガルーの街を防衛し、色々あって宿で寝ることになったルリ。
夢の中で神々と対話し──
ルガートさんの屋敷は幸い無事だったらしく、戦えなさそうな女の人、けが人、子ども、病人などがあつまっていた。
「皆さん、危機は去りました、家が無事な人は家へ、家が破壊された人は私に連絡を、修理費を出し、修理します!」
そう言うとぞろぞろと出て行き、家の様子を確認しに行った。
「後の事は頼むぞ」
「はい」
執事らしい方に言って私とスフェールを案内するルガートさん。
客室用の談話室に案内される。
「まず、貴方のお名前を」
「私はルリです、こちらはフェンルリのスフェール」
「ルリ様、スフェール様この度は我が街をお救いくださり有り難うございます」
「頼まれましたからね」
「頼まれたとは、誰に?」
「その夢枕で、神様達に……」
「やはりルリ様は巫女でしたな!」
「ははは……」
私はから笑いを浮かべる。
「ところで、これからどちらに向かうご予定で?」
「ヒュムニア王国の王都ヒュムニアだ」
「……理由を伺っても?」
「その、クロノシア様から人の身に落とされたヒュマナ神の抹消を命じられたんです」
「なんと⁈ クロノシア神から⁈ 創造神ですよ⁈」
ルガートさん、めちゃ驚いてる。
「我はフェンリナ様の神託で教えられた」
「神界仮にも神、上級神を抹消するのは不味いらしく、人の身に落として抹消をするのが最善だと」
「なるほど……それなら隣接する国々に神託を下すようにお願いしてみてはどうでしょうか?」
「機を見計らってか」
「その通りです」
「ルリ、できるか?」
「あー……寝たらできるかも?」
「では今日の晩寝たら試しにクロノシア神や神々に進言を頼む」
「うへぇ……」
責任重大だよ。
「じゃあ宿を……」
「宿屋は先ほど修理が必要と連絡が来ましたので、私の屋敷でお休みください」
「お言葉に甘えて……」
その日ルガートさんの屋敷に泊まった。
豪勢に見える食事だったが、油っぽくてすぐお腹いっぱいになった。
やっぱりスフェールとの食事が良かったなぁ。
と、そんなことを考えつつスフェールがベッドの側で、横になっているのを見ながら私は寝ることにした。
「よくやってくれた」
ディストレス様が私をねぎらう。
「が、がんばりました」
そう言ってから近くにいるクロノシア様に言う。
「あの、お願いなのですが──」
「わかっておるよ、ヒュマナを──ヒュムニア王国を滅亡させる為に多国に神託を下して協力して貰いたいと」
「そ、その通りです」
「無論可能じゃ、やるとも」
「有り難うございます!」
「ただ」
「ただ?」
「ヒュムニア王国は奴隷を隷属の魔道具で無理矢理働かせている、肉壁にするのは間違いない」
「げ」
うわ、非道なことする。
「だから其方が想像して隷属の魔道具を破壊してほしい」
「ど、何処につけられてますか」
「首じゃ」
「なるほど……分かりました!」
「後、加護持ちはおぬし等がいったん加護を消さないと他の国の軍が押し切られることになる」
「うへぇ」
やること多いじゃん!
「そうじゃよ」
そう言えば心の声聞こえてるんだった。
今更ながら思い出す私。
「ところでだ」
「?」
「ルリよ、其方この件が終わったらどうする?」
あー考えてなかった……。
旅もいいけど、どこかに定住したいなぁ。
定住先決めて、それから旅に出たり、魔物狩ったり、スフェールを一緒に居たいなぁ……。
「ルリさん、スフェールのことを思ってくださってるのですね」
フェンリナ様がにっこりと微笑む、だから心読むのやめてください。
「あう」
「スフェールもきっと喜ぶでしょう」
「そうかな?」
「スフェールが料理までして貴方に尽くしているのですもの、分かりますわ」
「ほへー……」
そうなんだ。
「もし、定住するならメンディスの街がいいでしょう。私の管轄の場所ですし、スフェールが居ても問題ないでしょう」
「ほへぇ」
じゃあ、ヒュマナの件が終わったらメンディスに戻るか。
「メンディスから他の街への移動は便利ですし四季がありますよ」
「むむ」
四季があるのか、じゃあ桜とか見られるかな?
「メンディスの街……メルトディス王国は他種族と共存できている国じゃからなぁ」
ドワノフ様が酒瓶を飲みながら言う、あれ、それうちの世界のウィスキーじゃございません?
「うん、そうじゃよ。別世界の人間を召喚するのは危険だが、酒なんかの物質は平気なんじゃよ」
「はぁ」
「ドワノフったら貴方がウィスキーを出したらソレばかり向こうの世界から引き寄せて飲んでるのよ?」
お金とかは大丈夫なんかな?
「信者達の捧げ物を金に変換してるからの」
「おい」
それでいいのか神様。
思わずツッコんじゃったよ。
「まぁ、迷惑にならない程度にさせてますから」
フェンリナ様達も疲れたように言う。
「なんならルリ、儂に捧げ物を……あいだ!」
ドワノフ様を他の方々が殴った。
「いい加減にしろこの酒好きが」
「節度というものを知りなさい」
「ヒュマナの次にお前さんを処分とか儂はやじゃぞ」
「恥を知れ」
「冗談じゃよ……」
冗談に聞こえませんでした。
「貴方の世界の物を引き寄せるのは貴方の為だけに使ってくださいね」
フェンリナ様が手を握って言う。
「はい」
私はこくりと頷いた。
「まだヒュマナは抹消できてないがな」
「ですね、頑張ります! どうやって抹消を?」
「消滅魔法の魔弾を撃ち込めばよいぞ」
「なるほど、そうします」
「おぬしの働きに期待しておるぞ」
「が、頑張ります」
私は顔を引きつらせて、頷いた。
だって責任重大だもん。
目を覚ます。
ベッドの上。
「起きたか」
「うん」
「飯は外でつくって食うぞ、此処の飯は油が濃い」
「ははは……」
スフェールもそう思っちゃったか。
「なんと朝食はいらない?」
「はい、急いでヒュマナ神をどうにかするのが目的なので」
「そうですか……」
ルガートさん、しょんぼりしてる。
ちょっと申し訳ない。
あんな脂っこい物食べたら胃にダメージが行く。
「あ、そうだ。神様達に進言しました。やってくださるそうです」
「それは良かった!」
「では、私達はこれで」
スフェールの背中に乗り、街を後にする。
昼頃までスフェールが走り、小さな小屋に入る。
どうやら休憩用の山小屋らしく、ベッドもある。
「よし、飯にするぞ」
「うん」
カセットコンロでスープを作り、肉を焼く。
野菜をちぎり、取り出した柔らかな食パンに挟む。
ジャムを塗る。
「じゃ、食べようか」
「そうだな」
スープを食べると肉の旨みと野菜の味が出てほっとした。
サンドイッチも、マスタードの辛みが肉にちょうど良くあって満足。
ジャムを塗ったパンは、ジャムが甘くてパンが柔らかくて懐かしく感じた。
「ルリ、腹は満たされたか」
「うん、有り難うスフェール」
「礼には及ばん」
そう言って山小屋から出て私は四足歩行に戻ったスフェールに乗り、山を越える。
──早く終わらせてなるべく静かな生活をしたい!──
そう思いながら次の目的地に向かった。
目的地は──ヒュムニア王国──その王都ヒュムニア──
ヒュマナ神がいるとされる、ヒュムニア王国へと突入するルリとスフェール。
神様達も色々やってくれそうです。
後、ドワノフ神は酒好きでウィスキーを取り寄せているようですね、節度を守って貰いたいです。
他の神々が苦言を呈してますから。
ここまで読んでくださり有り難うございました!
次回も読んでくださると嬉しいです。




