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迎撃戦と防衛戦

カナンの街の防衛戦の為眠らされ、起きたルリ。

食事を取ってスフェールと共にヒュマナ信者を蹴散らす。


そして二度目の睡眠時、魔族の神が夢の中に現れて──




「ルリ、起きたか?」

「……うん」

 ベッドに寝かされていた私をスフェールが覗き込む。

「悪かったな、多分眠れないだろうと思って」

「もうちょっと加減してほしかったなぁ、首ちょっと痛い」

「すまない」

 首がちょっと痛い。

 私は治癒魔法をかけて治す。

「うん、これでいい」

「なら、食事を取るぞ」

「うん」

 そう言って、食堂へ向かう。

 お肉の塊が入ったスープと、パンに野菜を挟んだ物だったが十分満足ができた。

 お肉は柔らかくて崩れるようで、スープには骨と野菜の出汁が出ていて、パンはずっしりしていて野菜は新鮮だった。

 食べ終え、準備をする。

「スフェール、ヒュマナの信者達は何処に?」

「今、この街の正面で野営している」

「狙うなら、そこだね」


 だんだん夜も更けてくる。


「……完全に気が抜けているな、こちらを見くびっているというか」

「よし、行こうスフェール」

「ああ」

 私はスフェールに飛び乗り、スフェールは門を飛び越えて外へと出た。





「敵襲! 敵襲ー‼」


 カンカンと鐘がなるけど、もう遅い。

 私とスフェールは二手に分かれて襲撃する。

 武器を持って襲ってくるが寝起きでふらついている相手に魔弾をぶち込む。

 無属性の魔法を喰らい剣や斧は折れ、短剣はひび割れる。

 喰らった相手は昏倒し、動かなくなる。

 加護持ちは加護を失う。


「ふへぇ、まだいる?」

「いや、これで終わりだ」

 全てを見て私の方へと来たスフェールが赤くなった爪と口を拭いながらやって来た。

「うひっ」

「悪い、後で落とす」

「う、うん」

 赤黒くなっているということは……うん、まぁそういうことだろう。

 私はそれ以上考えないことにした。


「これでこの街は安心らしい」

「フェンリナ様の神託?」

「ああ」

 お風呂で綺麗になったスフェールがベッドに横になっている私を覗き込む。

「ふぁ、じゃあ寝るね。お休み……」

「お休み」

 私は正式にやって来た眠気に身を委ねた。





「ルリさん」

「フェンリナ様!」

 いつものように夢では神様達が集まっていた。

「次の街は魔族が住まう街に行って欲しいのです」

「どれくらい時間がかかりますか?」

「スフェールで二日ほど」

「じゃあ大丈夫ですね」

「魔族の街に行くのか?」

 知らない男性の声に振り向くと、真っ白な肌に、ヤギのような特殊な目、コウモリの羽に、角を生やした男性が現れた。

「ディストレス、魔族を守護する神よ」

「……ヒュマナ神と同じく一種族だけなんですね?」

「魔族と言っても種類は色々だ、人間とは比べものにならん」

「し、失礼しました」

「ディストレス、そう言うでない。ヒュマナに爪弾きにされ、命を奪われかけたこの娘に儂等は、儂は自分の後始末を頼んだのだ」

「クロノシア様申し訳ございません」

 ディストレス様、素直にクロノシア様に謝ってる。

「そうですな、異世界人、しかも巻き添いの者にヒュマナの抹消を頼んでいるのですから」

「あのーなんでヒュマナがああなったのか分かりませんか」

「こちらが知りたい」

「……」

 やっぱり分からない。

 何故ヒュマナが他の種族を排他して、人間至上主義になったのか。

 分からない、これが分からない。


 分からないまま、倒しちゃっていいのか?

 抹消しちゃっていいのか?


 と自分の中で疑問が沸く。


──ヒュマナに問いかければいいか、そのあたりは──


 会って確かめればいい。

 私は一人そう決めた。

「魔族の街ガルーに行くのだな」

「た、多分」

「ならば其方には私の加護をやろう」

 ディストレス様は私の額に指を押し当てた。

 紋様が浮かび消える。

「これで良かろう」

「あ、有り難うございます」

「ガルーの街を頼んだぞ」

「はい」





 そして私は目を覚ました。

「ふぁああ」

「起きたか、ガルーの街を目指して行くぞ」

「うん」

 支度をして、ロドノフさん達にも見送られ、私達はガルーの街へと向かった。


 風を切るように移動しているだろうが、結界を張ってるらしくそんなのを感じず過ごしていた。

 夜になると、持って居るお肉や鞄から出した野菜とカセットコンロで簡単な料理を作り食事をして眠った。

 その時、スフェールが寝ずの番をしてくれた。


 そうして二日後──



 街が見えてきた。

 しかし黒い煙が上がっている。

「スフェール!」

「分かっている」


 急いで街へと向かう。

 魔族らしい門番達が人間と戦っていた。


 私はスフェールに乗りながら銃弾を連射する。

 魔弾が直撃した人間達は昏倒した。


「な、何者──いや、フェンリルと魔族の加護を持つ人間⁈」


 あれ、加護見えてるんだ。

 門番の方達が驚いたように言ってるから私は少しきょとんとする。


「いや、神託があったぞ、フェンリルと魔族の加護を持つ巫女がやってくると!」

「もしや!」

「その通りだ、街に入れさせて貰うぞ」

「どうぞ!」

 スフェールが街の中に私を乗せたまま入る。


 弓矢が私に飛んできたが結界で阻まれる。


 腕を交差させてから、開くようにしながら銃弾を人間にだけ当たるように引き金を引きまくる。


「分断して行くぞ」

「うん!」


 私はスフェールから飛び降り、スフェールは二足歩行になって、屋根に飛び乗った。


「魔族の味方をする奴は敵だ! 女といえども殺せ!」

「殺せ殺せ!」


 私は銃を構え、敵の攻撃を避けながら引き金を引く。


 銃弾が当たり、敵は昏倒し、動けなくなる。


 時には蹴り飛ばして銃を向け、魔弾をぶち込む。



「ふへぇ」

 一時間ほど敵の人間に魔弾をぶち込んで戦闘不能にさせつつ、魔族の皆さんに後は任せているとスフェールが目の前に着地した。

 爪が赤黒い。

 なんか見慣れた。


「こちらは済んだし、そちらも大丈夫そうだな」

「うん」


「巫女様! フェンリル様!」

「ん?」

「有り難うございます、私は街の長のルガートと申します」

 ヤギの角が生えた魔族の方がそう言った。

「我我魔族は何らかの加護を皆持っていますが、此度は苦戦しました、有り難うございます」

「いいえ、お気になさらず」

「しかし、人間の身で魔族の神ディストレス様の加護をお持ちとは……興味深い」

「い、色々あるんです」

「宜しければ街を救ってくださったお礼に私の屋敷に来てください」

 私はスフェールをチラリと見る。

 スフェールは頷いた。

「ではお言葉に甘えます」

「邪魔をさせてもらおう」

 そう言ってスフェールは四足歩行の状態に戻った。


 何を話す事になるんだろう?

 ちょっとだけ不安だった──






カナンの街での防衛戦の後、ガルーの街の迎撃戦兼防衛戦をした二人。

ルリは着実に加護の数を増やし、強くなっています。

スフェールはソレを覗いても強いですが。


さて、街の長らしき人に付いてった二人、どうなるのでしょうか?


次回も読んでくださると嬉しいです。

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