13 兄妹
第12話の続きです(✿´꒳`)ノ°+.*
ワーゲストさん視点のお話………
返事をせず、自分の世界に閉じこもるトゥーシェをワーゲストはじっと見つめる。
ワーゲスト。戦闘番号1番。ほのかに蒼い髪で右目を隠しているのが印象的な、一番最初に生まれたスキル。
彼が他の者達のように守護勢力と仲違いをするような事に至らなかったのは、ひとえにトゥーシェの存在故だった。
彼女は自分の次にこの世界に生まれたスキル。まだ見ぬ主とこれから生みだされる仲間、未来に思いを馳せ、語り合ったこともある。
俺にとってトゥーシェは、胸の内を吐露出来る唯一の存在。それは彼女も同じだと確信している。
本当に、ここに来たのが俺でよかった。俺以外にこんなトゥーシェの姿は見せられないし、見せたくない。
何より彼女がそれを望まないだろうから。
「…あっ、えっと……定例会についてでしたね。」
ようやく現実に引き戻されたのか、浮かない顔で話し始める。
「もちろん今回も定例会はきちんと行います。いくら仲が悪くても、もう一生話さないなんてことにはなりたくありませんから。」
そう言い、薔薇が包んであったのであろう布をたたみ始めた。
どちらも発案したのが自分というのが、彼女を後ろめたい気持ちにさせているのだろう。
それを分かっているから、俺はこう堪える。
「……わかった。遅れないように行こう。」
その言葉を聞くと、心無しか表情の明るくなった彼女が手を止め顔を上げた。
「ありがとうございます。」
その姿を見て嗚呼、と思う。
彼女は過去に生きている。
俺たちの関係を元に戻したいと願っている。
そんな祈りにも等しい願いを叶えてやりたいと思って何が悪い?
ワーゲストが生きる理由。それは彼女の想いを繋ぐため。
守護勢力と仲良くするつもりは無い。だが戦闘勢力トップである自分が終わらない兄妹喧嘩に混ざらないことで、トゥーシェの活動範囲が広がるかもしれないと考えたのだ。
効果はあったらしく、彼女は12名全員とコンタクトが取れるまでにはなっていた。
俺は、そのことが単純に嬉しい。
「それでは私はこれで〜。レイに花車を返してきますので〜。」
ではでは〜、と言い扉へ向かう声は明るい。誰もが知るトゥーシェの口調に戻っていた。
「…あぁ。」
それを引き止めることなく見送る。
……己の中にある感情にはとっくに気づいている。それがどんな名前をしているのかも知っている。だが彼女にとって俺は兄妹であり家族だ。
だから絶対に表には出さない。
これは俺の胸のうちに閉まっておけばいいのだから。
テーブルから飛び下り、ひとひら忘れ去られた花弁を見つける。それを手に取り窓を開け、外の世界へ帰してやった。
ここまでご精読頂きありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
ワーゲストさんは実は黒い瞳をしているのですが、書くところがありませんでした……:( ;´꒳`;):
彼とトゥーシェの今後が気になりますね!!
これからもどうぞよろしくお願い致します。




