12 トゥーシェの想い
今回はトゥーシェさん視点のお話です(✿´꒳`)ノ°+.*
レイから薔薇を受け取ったトゥーシェは、それらを一本づつ花瓶へ活けていた。
いつもなら何事にも真剣な彼女だが、今日は少し様子が違った。うわの空というやつだ。
「…はぁ……」
眼鏡越しに映る眼は疲れきっている。その原因は、戦闘勢力と守護勢力の仲の悪さにあった。
戦闘番号1から6の戦闘勢力。守護番号7から12の守護勢力。聖騎士は二つの勢力に分類される。
最初はみんな、兄妹だった。
同じ目的で作られた家族。同胞。主を勝利へと導く、心を与えられたスキルたち。
しかし、その関係は徐々に壊れていく。
何がきっかけとなったのかはわからない。初めて負けた時か、それとも初めて主の意向に添えないと判断した時か、それとも……
……初めて友人を失った時か。
いや、きっとその全てなのだろう。
この人型の兵器が、道具が、心を持って生まれたことが何よりの過ちなのだから。
小さな手が宙をかく。もう活けられる薔薇は無くなっていた。
一向に明るくならない気持ちに俯く。頭が重い。
「…なんて顔してるんだ。」
突然頭上に降りかかったその声に、思わずびくっと体を震わせた。
「ワーゲスト……」
「ん。」
声の正体に安堵しつつも気分は晴れない。
「どうしたんだ……まぁ、お前の気持ちもわからなくはないがな。」
「……テーブルに座らないでくださ〜い。」
しれっとテーブルの縁に腰掛けた彼を叱責する。そんな私の言葉を無視し話し始めた。
「それで?どうするんだ今日の定例会は。」
新たな主を迎えた夜は全員参加の晩餐会を催す。それは長く続くしきたりだ。理由は幾つかあったが、たぶん最初にこれを始めたのは「親睦を深めるため」だったような気がする。……もう、覚えていない。
晩餐会はまだいい。全員参加といえど問題は起こすなとあらかじめに言っておけば、たとえ雰囲気が最悪であろうと乗り切れる。
問題はその後の定例会だった。
定例会は晩餐会の後、団員全員でこれからの方針を決めるための会議の場だ。これは晩餐会とは違い、最初からあった行事ではない。他人と関わろうとしなくなった者達を強制的に引き合いに出す場。そうでもしなければ「命令には従うがされなければ何もしない」という者ばかりのなか、連携なんて取れるはずもない。
トゥーシェはそれが嫌だった。
共に生まれてきた兄妹。同じ存在理由。
主に使われるための存在であろうと、心があるのだから。生きているのだから。最初の頃のように……
ご精読、ありがとうございました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
これからもよろしくお願いします。




