二人で
奈央がフロアに戻ると、佐々木と折橋が話をしているのが見えた。二人でなんの話しているのかな…?なんて思っていたら折橋と目が合いウインクされた。
急にどうしたの!?と奈央は焦ったが折橋は、なんにもなかったように、佐々木の方を向いて話を再開した。少しすると、折橋は、自分の席へと戻って行った。その姿を見て奈央も、そろそろ席に戻らなくちゃと焦った。
席に戻ると、佐々木は、こっちを向いていた。奈央の顔を見ると話しかけた。
「江田、一生幸せにする。俺と結婚してくれ」
「えっなんで急にそんなこと!?えっえっえー!?」
声が聞こえた出あろう周りも少しざわついたが、始業のチャイムが鳴り、みんな席に着く。
えー!?っと頭の中が混乱しながらも、奈央も席に戻った。
さきほどの、佐々木の発言に、最初は焦った奈央だったが、冗談、もしくは聞き間違えだろう、と冷静になり仕事を再開することができた。
終業のチャイムが鳴ると、佐々木が肩を叩いてきた。そして、奈央は、佐々木の方を向く。
「返事は?」
「えっさっきの話!?冗談でしょう!?」
「冗談なんかじゃねーよ」
「なんで急にそんなこと…」
「急じゃないだろ。こないだも、一生かけて責任取るって言ったろ」
佐々木の真剣な表情に、奈央は本気なんだと思った。しかし、ここは職場であるそのことを思い出し奈央は焦り辺りを見まわし小さな声で答えた。
「あの、わかったから…。てか、まず場所移動しようよ…」
「俺は、お前を幸せにしなくちゃいけないんだよ。さっさと答えろ!」
「いや、でも…付き合い始めたばっかりだし…」
「お前と付き合ってきた期間なら、長いだろう。研修の時からその後も、この席でずっと一緒にやってきた。お前は、結婚は嫌なのか?」
「いや、そりゃ、嫌じゃないけど…えっと、よろしくお願いします…」
奈央が、そういうと、すぐに佐々木は、奈央の手を取り、設計部の部署長の前まで行った。奈央の手を離すと、佐々木は話し始めた。
「私たち、結婚します」
部署長は、本当に驚いた顔をした。
「江田は妊娠でもしたのか?」
「そういうわけではないです。ですが、結婚を決めたのでご報告をと思いまして」
そう、佐々木が言うと、部署長はおめでとうと言ってくれた。すると、佐々木はすぐに次に、魔法部の部署長の前に行き結婚の報告をした。同じように、妊娠したのか聞かれた。同じようにそれを否定すると、おめでとうと言ってくれた。
部署長への報告が終わると、佐々木はまたまた、奈央の手を掴んだ。えっまだ報告するところあるの!?と奈央が焦っていると、フロアの中央まで連れていかれた。佐々木は、一回大きく息を吸うと、大きな声で話し始めた。
「このたび、私、魔法部の佐々木新司と、設計部の江田奈央は、結婚することになりました。今後とも、よろしくお願い致します」
そう言って佐々木は、頭を下げた。その姿を見て、奈央も焦って同じように頭を下げた。
フロアは、一瞬静まり返ったが、誰かが拍手をしてくれた。それを合図かのように、フロア中に拍手が起こった。
何人かは、話しかけてきて、
「お前らいつからそういうことになってたんだよ!?」
と聞かれた。まさか、金曜からです。と答えることも出来ずに笑ってごまかした。そのあとも何人もの人がお祝いを言いに来てくれた。
お祝いの嵐がやむと、佐々木と二人で帰ることになった。
「あんなとこで、プロポーズするなんて!」
奈央が、少し怒りながらそう言うと、佐々木は、
「報告も出来るし、調度良かったろ。効率的!!」
と笑いながら答えた。
「ロマンがなーい!」
「じゃあ、どんなのが良かったんだよ?」
「高級レストランの最上階で、愛をささやきながら、みたいな?」
奈央は、適当に代表的なプロポーズの例をあげてみた。すると、佐々木は携帯を取り出し急に電話を始めた。
「はい、二人で。今から向かうのでよろしくお願いします」
そういって、携帯を切ると、奈央の方を向き、
「今から行くぞ、高級レストラン」
「えっ!?冗談だったのに!!」
「もう、予約しちまったから引き返せねーよ。さっさと行くぞ!」
そう言って、佐々木は奈央の手をひいた。
「佐々木に、愛の言葉なんてささやけるの?」
びっくりさせられっぱなしも悔しいので、奈央は、そう言ってみた。
「それについては、頑張る…」
佐々木は、少し顔を反らしてそう答えた。
佐々木の車に二人で、乗り込む。エンジンをかけ、車は走り出した。奈央は、佐々木の横顔を見ながら、佐々木に話しかけた。
「これからも、二人で、良いものをつくっていこうね」
「俺としては、てはじめに、子供をつくりたいんだが…」
佐々木がそう返してきたので、
「馬鹿!!」
と言って、おもいっきりグーで殴った。
完結しました!!
読んで下さった方、お気に入り登録して下さった方、評価をつけて下さった方、本当に本当にありがとうございました!!
本当に、皆さんのおかげで、頑張って作品を書き上げることが出来ました。
この作品は、文章の練習に、アリアンローズ賞に応募してみようと思ったのがきっかけでした。
途中、連載がストップした事もあったのに、本当に最後まで読んで下さり、ありがとうございました!!
感謝してもしきれません!!
本当に、ありがとうございました!!




