表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/84

襲われたレーナ 6

「ガルルル……」


 立ち上がったペッピーノが、全身の毛を逆立ててベアズリーに向って再び唸りだす。

 いつもの優しい感じは消えて、全身が闘気に満ち溢れている。


「ペッピーノにとって、セルジョも恩人。助けようとしているのね」


 殺されるかもしれないと分かっていても、見捨てることなどしないのだろう。


「ガルルル……」


 ベアズリーに向かって威嚇するが、体の大きさが全然違う。

 レーナもセルジョも勝てるとは思っていない。


「ペッピーノ! 戻って!」

「ガオーーー!」


 いつものワンワンと違い、この時の咆哮はまるでライオンかトラのようだった。


「何? その咆哮!」


 レーナもセルジョもその迫力に驚く。


「ガオーーー!」


 咆哮しながら大きな爪でベアズリーの体に一撃を与えると、ベアズリーは怯んで木から離れた。


「ガオオオオ!」


 ペッピーノが逃げるベアズリーを追いかけると、山の中へと消えて入っていった。それを追いかけようとしたので、慌てて呼び戻した。


「ペッピーノ! 戻って! 追っちゃダメ!」


 ペッピーノが尻尾を大きく振って戻ってきた。


「よくやったわ! 勇敢だった!」


 ご褒美にモフモフしてやると、ペッピーノは鼻先をレーナにこすりつけて喜びを表現した。


 セルジョが木から降りてきた。


「ハアー、危ないところだった」


 もう少し時間が掛かったら落ちていた。


「セルジョ! 無事でよかった!」

「ペッピーノに助けられたようなものだな。格好悪いや」


 ペッピーノが追い払ってくれたので、セルジョはまったく戦っていない。


「何を言っているの? セルジョがいなかったら、私もペッピーノもやられていたわ! 格好良かった!」


 レーナがセルジョに抱き着いて喜んだ。


「レ、レーナ……」


 柔らかい肌、豊かな胸……。

 女の子に感謝されて抱きしめられるという初めての経験に、セルジョの心臓は高鳴る。


「助けてくれてありがとう」


 レーナに感謝されて、天にも昇る気持ちだ。

 怖かったが助けに入って良かったと心から思った。

 男らしく頼もしいところを見せられた。自分はレーナとペッピーノの命の恩人でもある。

 これで間違いなく好きになってくれただろう。


(これでレーナは俺に首ったけ。このあとは家まで送って、その間に告白して、ああ、あの飲んだくれポンツィオと見栄っ張りゾーエに挨拶しなきゃならないな)


 いずれはレーナと結婚する。そこまでこの短時間で妄想した。


「でも、どうして後ろを歩いていたの? とっくに帰っていったんじゃなかった? まさか、私の後ろをつけてきたわけじゃないわよね?」


 ドキリとした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ