008 物語は在らぬ方へと進展する/fill@
「ッつ!…」
目を覚ますと後頭部に妙な頭痛を感じた。どうやら寝っ転っているらしい。痛い痛い言うほどではないので無理やり体を起こしてみるとそこには田園風景が広がっていた。
地面は所々ひび割れた石畳で「ここどこだよ…」と一瞬思ってしまったが、よく考えてみればここはなんだか見覚えがあった。
ならば、と後ろ振り向いてみるとそこには見慣れた社がある。これで確信が持てた。
ここは浅ヶ尊神社。
俺のおじいちゃんの従兄弟が住む町で毎年行われる夏祭りの会場でもあり、俺のおじいちゃんの従兄弟が経営する神社でもある。
「いつ来たっけなぁ…」
夏の夕暮れ時。
地面で頭でも打ったのか、薄れた記憶を悶々と悩ませる。
と、そこで摂社のそばに小さな人影を見つけた。
白いワンピースだろうか。ならば女の子だ。
蹲って…泣いているのか?
俺だって一応人は少しは出来ている。少しばかり心配を覚えるわけで
「君。どうしたの?」
少女の下に歩み寄り、声はかけてみるものの返事はない。
あまりに辺りが静かなので耳を澄ましてみると、辺りに人がいないことから彼女からであろう鼻をすする音が聞こえた。
「大丈夫?」
自分で言っといてなんだが、「大丈夫?」って事情も知らんのによく言えるな…しかも二回連続の無視ともなるとさすがに来るもんがある…
相手は女の子だし悪いとは思ったが、このままでは埒が明かない。
俺は少し身をかがめると、彼女の肩に手を置いた。そして「怪我でもした?」と言おうとしたとき、初めて少女の顔を確認することが出来た。
「触らないで!!」
肩ほどまで伸ばされた黒髪を揺らしながら俺の手を払いのけ、涙目になりながら少女はすごい剣幕で怒鳴り散らした。
思わずビクッとしてしまい「ご、ごめんなさいぃ」と情けない声を出してしまった。
本当に悪いとは思ったんだ。
だってこれはセクハラという類に分類されなくはないだろう。
さすがにこのまま逃げられるかと思ったが、少女の口からは思いもしなかったこと告げられた。
「あなた…だって!…あなただって偽者なんでしょう!」
え?僕は僕だ。何のかわりもない僕だ。
偽者?ちょっと待ってくれどういうことだ?
と、こういうときの脳の回転速度は異常なまでに早いが、たいしていい案は出てこない。
「ど、どういうことかな?」
分からないので、ありのままに伝えると
「なんでみんな笑っていられるの!?分かんないよ!」
「それは…」
俺だってわからない。
なぜ俺たちは笑っているのか、少女は泣いているのか、考えたことないし、考えようとすら思ったことがなかった。
「…あなたは違うの?」
「俺も…知りたいよ」
なぜこんなことを言ったのかは分からない。
本当に知りたいのか?
いや、考えたことはないと言っている。
知りたいはずがない。
―――でも
「俺が探してあげるよ」
こうして、僕と少女の永い永い夏が始まった。
誰も見たことがない「本物」を探すために
to be continue...
fill@「なぜ、ここで一気に話を変えた方申しますと、当時私が異世界物にドハマリしてしまいまして、異世界物が書きたいっ!と思った結果がこれです」
Kudryavka「あのエンドウネタも限界あるしな・・・」
ざっち「俺はまだまだいけるぜ!!」
fill@「読みにくくなると思いますが、なにとぞよろしくお願いします。」




