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推しに殺される大罪人に転生。推しのために……  作者: 流庵
一章

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第〇三七話 元ダンジョン

 今日は採石場で父の手伝いをすることになった。


 手伝いと言っても、ゴーレムを使って遠隔操作するだけだけどね。


 遠隔で会話しながら操作できるようになったということで、普通サイズのゴーレムを作ってみようという話になり、両親の前で作って見せたところ、父から遠隔の実験も兼ねて元ダンジョンの採石場を手伝ってほしいと言われたのだ。


 俺のゴーレム用の石を採ったさらに奥があるらしいが、魔力が強すぎて誰も近寄れないらしい。


 元とはいえ、ダンジョンに入るのはゲーム以来だし、しかもゲームには登場していない場所なのでとても楽しみだ。


 この実験で成功したらモンスター討伐にも同行して良いと言われているので、頑張るしかないだろう。


 ゴーレムは事前に生成したものを採石場に運んでもらっているので、あと起動するだけだ。


『ルーシャス、聞こえるかい?』


『はい、父様。しっかり聞こえています』


『リリアナが使っているのを見たことがあるけど、通信機より綺麗に聞こえるんだね。今回の実験が成功したら採石場でも採用したいかな』


『使えるようなら、どんどん作りますね』


 長年迷惑をかけていた家族のために役に立てるのは嬉しい。


『キース、起動!』


 二メートルサイズのストーンゴーレムを起動させる。


 眼鏡にはキースの視界が映ったので、手を握ったり開いたりして反応速度を試すが、問題ないようだ。


 ちなみに、ゴーレムの手はミトングローブのような感じで、親指以外は繋がっている。


『父様、反応速度も問題ないので出発しましょう』


「よし、出発だ!」


 ――はっ!


 騎士団を先頭に、途中まで父様も同行する。ゴーレムから俺の声が出るようになったので、通信眼鏡は外したようだ。



 ◆ ◆ ◆



 途中、住み着いたモンスターを退治しながら進む。ゴーレムでも小型のモンスターを問題なく倒せることを確認しつつ、休憩ポイントまで進む。


「ルーシャス、私たちが同行できるのはここまでだが、あとは任せたけど無理はしないように」


『了解です! 父様たちも気をつけて帰還してください』


 父様たちと別れ、事前に渡されたマップを確認しながら先に進むと、大きな空間に辿り着いた。


 石を切り出した跡などもあるので、俺のゴーレムの石はここから切り出したのだろう。


 古竜がいたボス部屋らしいが、出入り口を考えると古竜はどうやって住み着いたのだろうか?


 突然現れるか、小さくなれないと入れないよな。


 この部屋からさらに奥に進む道があるとのことなので、見回してみるとすぐに見つかった。


 ここから高密度の魔力が上がってきているらしいが、全く分からないな。


 細く長い一本道を進んでいくと、部屋に辿り着いた。


 十メートル四方の部屋の中央に、三十センチぐらいの高さの黒い卵のような物が設置されている。


 何かの卵か魔石に見えるが、父にどうするか確認してみよう。


『父様、聞こえますか?』


『ルーシャス、どうした? 無理はしなくていいからね』


『大丈夫です。道を進んだ先に小部屋を見つけたのですが、中央に三十センチぐらいの卵のような形をした黒い物があります』


『黒い卵の形か……もしかして古竜の卵?』


『魔力を発しているのなら、古竜じゃなくてもモンスターの卵の可能性もありますね。破壊しますか?』


『ここ最近、魔力が強くなってきているようだから、破壊できるか試してみてくれるかい?』


『了解です』


 ゴーレムで軽く叩いてみるが、かなり硬いようなので、両手を組んだまま振り上げて思いっきり振り下ろす!


 鈍い音がしたが、割れる様子はない。


 今度は壁に向けて思いっきり投げるが、壁にめり込んだだけで傷ひとつついていない。


『父様、殴ったり壁にぶつけたりしてみましたが、傷すら入りません』


『それから強い魔力が出ているとしたら、地上に出すわけにもいかないし、困ったな』


 なるほど、確かに地上に出したとしても破壊できなければ意味がないな。


『中から入り口を石で塞いで魔力の変化を見るというのはどうでしょうか?』


『中から塞いだらゴーレムはどうするんだい?』


『このままこのゴーレムは監視用に置いておけば、部屋の中で異変があった時に対応できるかもしれません』

 

『……なるほど、それは良い案だね。ルーシャスの言う通りにしよう。手間になるけど、塞ぐ処理は頼んだよ』


『分かりました。これで魔力が上がらなくなればいいですね』


 こうして、部屋は石で塞いで様子を見ることにしたのだった。

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