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推しに殺される大罪人に転生。推しのために……  作者: 流庵
一章

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第〇三六話 青灰色

 リリアナ提案の買い物に使えるゴーレムは、眼鏡を二つ用意することで解決した。リリアナが見た映像を共有でき、会話も可能なので、リリアナが買い物に行く時は持って行ってもらっているが、使用感はかなりよく、距離についても今のところ問題ない。


 また、ゴーレムを遠隔操作できるようになったことを両親に話すと、採石場で人間サイズのゴーレム用の石を切り出してくれた。俺の魔力を浸透させて白いゴーレムを作り、日々魔力の消費に励んでいるが、実感できるほどは消費できていない気がする。


 グリムノートにとっておきを教えてもらうには、記憶できる機能をつける必要があるが、方法がさっぱり思いつかない。


 そもそも詠唱自体がゴーレムを動かすプログラムのようなものなので、魔石自体が記憶装置のようなものだ。


 魔通信に置き換えて考えると、入力した番号を読み取って、遠くの相手と通信するのがゴーレムでいう詠唱に当たる部分だろう。それ以外に通信相手の番号を記憶する記憶装置があるはずだ。それは後から追加できたのではないだろうか。


「リリアナ、魔通信について聞きたいんだけど、新しく魔通信を手に入れた人と通信する時はどうするの?」


「相手の番号が分かれば、それを入力するだけですね」


「このもらった魔通信の場合も同じなの?」


「その時代は、箱を魔通信の店に持って行くと追加できる仕組みでしたね」


 そう言ってリリアナは、全面下部の蓋を開けた。もちろん今は何も入っていないが、おそらくその箱の中に魔石が入っていたのだろう。


「その箱の中身を見たことはある?」


「開けたのが見つかると、追加しないと言われていましたから見たことないですね」


 当然そうだよな……。


 取りあえず、魔石の入った袋からどんな色の魔石があるか見てみるか。


「こうやって比べると、同じ色でもかなり違うな」


「ルシャ様、同じ属性のモンスターでも強くなるにつれて色が濃くなると言われています」


「なるほど、実験で使うのは薄い色を選ぶことにしよう」


「それがよろしいかと」


「ん!? これは濃いのとは違うな」


「青灰色ですね。確か、知能の高いクロー系やドルフィン系などから出てきたと思います。複数の属性を持つ特殊な個体の魔石は、混ざったような色をしています」


「なるほど。今までは宝石に向かない色は入手していなかったが、水中魔石落としのおかげで様々な色が手に入るようになったのか」


「そのようですね。単属性で強いモンスターは大型になり、手に入りにくいので、ゴーレム作りに最適な魔石が手に入りやすくなったのは良いことですね」


「研究が捗って助かるな」


 それにしても、リリアナは魔石にやたら詳しいが、これは一般的なのか、それともリリアナが特別なのか全く分からない。


「青灰色の魔石が気になるな」


「知能の高いモンスターから出てくる魔石なので、ルシャ様の求める条件に相応しい気がしますね」


「だろ?」


 本来なら取り外し可能なように加工したいが、俺にその技術はないので、今回はプティにそのまま組み込んでみよう。


 ……よし。


 ――リコンフィギュアプティ。

 ――我が手によって生まれし者。

 ――汝に新たな命令を加える。

 ――星が織りなす知恵、汝の心に宿り、記憶を刻め。

 ――時の流れが織りなす真実、汝の思考に宿り、過去を映せ。

 ――プティよ、汝我の呼びかけに応じ再起動せよ。


 青灰色の魔石は魔力に変換され、プティに吸い込まれる。


「成功したようだな。プティ、起動!」


 プティがゆっくり立ち上がったので床に置いて歩かせる。映像をどうやって記録するのだろうか?


 リリアナが映ったので「シャッター」と念じてみると、頭の中でシャッター音がした。


 保存したのをどうやって見るのだ?

 

 とりあえず「再生」と念じると、サムネイルで表示された。スマホのようでとても便利だ。


 動画は「ムービー」と念じると録画でき、撮影中はRECと表示される。


 これでグリムノートにとっておきを教えてもらえるわけだ……そういえば、次にいつ会うか約束していないな。


 まあ、それまで自分のゴーレムを高めるだけだな。

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