表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/77

45.【別視点】お礼行脚〜ベン・シド&エヴァ

 軽めのコメディにしたくて。

 ベン、シド&エヴァ、いずれもお気に入りです。

  【ベン視点】


 なにぃ、アルベルトが来おったじゃと。

 ふんっ、コッチに用はないぞ、ワシャおらんっちゅうてお帰りねがーー


 バカモン!今回の事件は、確かに組合ウチにも負い目はあるわ。じゃから、地図も渡したし、受付のロビーも貸したんじゃ。

 ワシャ、会いたくもないジジイどもと、朝一番で茶ぁ啜らにゃならんかったんじゃぞ。


 あんなジジイどもと、アハハオホホの話なんかできるかい!

 事故の賠償金を貸してくれやら、免許停止は勘弁してくれとか、そんな泣き言ばっかじゃったわい。


 なにぃ?、居留守使ったのバレて、偏屈って評判のおエライさんに睨まれたら困る?



 はぁ……、お前はあやつの事、なんも知らんのぉ。


 あやつはそんな理不尽な真似はせんぞ。


 あやつはな、理と義と情を、公平公正に扱おうと努める男じゃ。

 で、実際にそうしよるか、ソレに近い形で実現しよる。

 じゃから逆にあやつを煙たがる向きも多いし、怖がられてもいるんじゃよ。


 融通の効かん偏屈者ってのぉ。


 まあいい、しゃあない、通せ。

 今日の用向きは何と言うとった?


 なにい、今回の礼?


 こないだ、地図返しに来た時、ちゃんと礼は言うちょったがのう……。





**********************





 こ、これは…!なんちゅう綺麗な“気“じゃ。 


 この娘…、げ、原石じゃ…、エエおなごの原石じゃ…。


 アルベルトの奴、一体どこでこんなおなごを見つけおった?


 あの朴念仁に、そんな甲斐性あったんか?



「……こ、これはまた…どえらいモンを…、…ん?」


 ……おや…、なんじゃ…?

 ……原石と思ったが……


 …いや、年の頃では当然原石なんじゃが……


 よくよく見ると……





 これ…、もう…完成……しとらんか…?





 む、アルベルトが背中に庇いよった。


 驚かせてしもうたか?、いやぁ…参った…。

 ワシとしたことが、年甲斐もなく焦ったようじゃ。


「……あ、ああ、スマンな、嬢ちゃん。

 少し驚かせたかな、勘弁してくれ」


 

 こんなちっちゃい娘っ子に、とんだ勘違いしてしもうたわい。


 ……ワシも歳かのう…。おなご見る目はまだまだ誰にも負けんつもりじゃったが、自惚れが過ぎてたか…。



 おうおう、かわいいのぉ。

 こらこら、そんなにヒゲを引っ張っちゃならんぞ。

 ハッハッハハッ、面白いんか?

 そうか…そうか…。

 いいんじゃ、いいんじゃ。



 

 熟しきったおなごはモチロンいいが、無垢な子供の笑顔ってのも、別な意味で宝物よな。



 この子の笑顔見れて、ワシも少しだけ……救われた気がするわい……。



 お、もう帰るんか……。

 うん、うん、そうか……。


 いや…、そんなお礼なんて……、ワシャなんもしとらんよ。 

 アルベルトが全部成し遂げよったんじゃよ…。


 コイツは大したヤツじゃ…。

 コイツと一緒にいれば、お前さんもまっすぐに育つじゃろう…。

 

 なんか困った事があったら、コイツを頼れ。

 コイツは物事をよ〜く見よる。

 よ〜く見て、お前さんに道を示してくれるじゃろう。


 いい保護者に恵まれたぞ、お前さんは……。


 おう、またいつでも遊びにおいで。

 待っとるからな…。ああ、またな……。




 帰りおったか……。


 もう少し居てくれてもよかったのにのう…。


 しかし…、なんじゃ、アルベルトの奴…。


 終始、ワシの事、警戒するような妙な目で見とったが……。


 ワシがあの子を狙うとでも思ったんじゃろか。


 さすがにありゃあ若すぎ………


 ……う〜ん…、なんか…そうとも言いきれんような…




 なんじゃろう……、この変な気分は……






**********************





  【シド&エヴァ視点】


 ねぇねぇ、もうすぐ来るよ。補佐さんの遠縁の娘さんが。


 目撃したって連中の話じゃ、ホントかわいい子だったってさ。

 楽しみだねぇ。


 え?自分は顔出さない方がイイかもって?

 ハッハッハッ、なに言ってんのさ。

 んなの、気にするガラじゃないだろ。


 いやぁ、そりゃあアンタの顔見て泣いちゃう子供もいたけどさ。毎回毎回じゃないだろ。


 …うん、まぁ、確かに確率としては高いかもしれないけど……。


 そうね……、ちっちゃい子供に怖がられるのは、確かに堪えるよね……。


 ミルクとお菓子の準備は?

 そうかい、できてるなら大丈夫さ。

 子供はミルクやお菓子くれる人には懐くから。



 …あ、来たようだよ、用意してきて。




「きゃあーー!、かわいい〜〜!!

 なになに、この子がリンちゃん?!」


 めちゃくちゃかわいいじゃないか、この子。


 蒼い瞳、白銀の髪、透き通るような肌。


 こりゃあ別嬪さんだ。将来が楽しみだねぇ。



 え?、お、おねえさん?アタシが?

 え?いい匂いがする?アタシが?


 

 ちょっとちょっと!

 補佐さん、この子、ものすごくいい子だよ!

 アタシが保証する!

 大事に育てるんだよ!泣かしたりしたら出入り禁止にするからね!



 

 あ、ダンナがミルクとお菓子持ってきた。


 はは、子供の視線にビビってる……。

 しょうがないねぇ、デカイ図体して……。




「ホラ、おじちゃんに挨拶してきな」


 

 …う〜ん、やっぱ、大熊と小リス…って感じか。

 傍から見ると、不釣り合いこの上ないわ……。


 あ、ミルク差し出した…。

 子供懐かせる武器のひとつ、もう使っちゃうんだ……。

 ダンナ…、手…、震えてない?




 え…?、あ、ありがとうって……

 スゴっ!お礼言われた!

 はあ〜、何年ぶりかね、あのヒトが子供にお礼言われるなんて…。




 あ、リンちゃんと話してる。

 うわぁ、こりゃたまげた。

 あのヒトが結構喋ってるわ。



「へぇ、珍しい、ウチのダンナがあんなに饒舌になるなんて」

 


 …ん?なに怪訝そうな顔してんだよ、補佐さん。

 ふたりとも、結構仲良く喋ってるじゃないか。



 あ、ウチのダンナが笑ってるよ……

 こりゃまた珍しい。

 明日雪降るよ。ハハハ。




 ……だから、なんなのさ、その怪訝そうな顔は?


 え?ホラ、笑ってるじゃないか、ふたりとも。


 なに妙な事言ってんだい?





**********************




 

 いやぁ、かわいい子だったね。


 あの子が悲しんだりしなくて、ホントよかった。


 ああ、アンタもそう思うかい。


 うん、そうだね、ありゃいい子だ。

 アタシらも、骨を折った甲斐があったってもんだ。




 でもさ、なんか補佐さんの様子が変だっただろ。


 ああ、なんかさぁ、アンタとリンちゃんが笑いながら話してるとこ、ジットリした目付きで見つめててさぁ。

 

 いやぁ、アタシにゃ皆目さ。アンタも見当つかないだろ。



 

 何があったんだろうねぇ。


 


 


 

 

 


 


 

 




 





 


 


 

 

 

お読みいただきありがとうございました。


第二章「人攫い」はこれにて終了です。

引き続き、第三章「野盗狩り」をお送りします。


少しでも「続き読んでもいいかな」と思って

いただけましたら大変嬉しいです。

今後の励みになります。


末永くお付き合い下さいませ。


次回タイトル予告「マギーの花屋」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ