084 : ハイデベルク・3・再びのあいつ!
待ての勇者と急ぎの姫騎士
084 : ハイデベルク・3・再びのあいつ!
「あの森だ!」
ヒルデに言われるまでもない。俺の脳みそも同じことを言っている。
森を出たり入ったり、三機のドローンがせわしく飛んでいる。
何者かに襲われて、エマとギギは森に逃げ込んだんだ!
エマがドローンを飛ばして、敵の様子をとらえながら逃げているんだ。
森まで100メートルといったところで、一機のドローンが俺たちの姿をとらえた。
ズバ! ズバ!
抜けるのと入るのが同時だった!
キキー! ギギ(>〇<)!
エマは、俺たちに気づいてたたらを踏み、ギギは遠心力で振り回されてエマにしがみ付いた。
「逃げろ!」「後は俺たちが!」
それだけ言うと、俺とヒルデは左右に分かれる。「気を付けてください、敵は……」そこまでエマが言った瞬間!
ズザザ!!
敵が飛び出してきた!
「チ! もう戻ってきたのか」
盛大に舌打ちして立ちふさがったのは、ギルドの受付!?
「受付さんじゃありません、魔物が化けているんです!」「ギギ!」
「離れていろ!」
ズチャ ブン
剣を抜くやいなや打ちかかる! 二人が逃げられる時間を稼ぐんだ!
ズビュン! バビュン! シュイン! シュゥイーーン!
敵の鼻先をかすめるだけで、直ぐには有効打にはならない。
「フフ、少し遊びすぎたかな」
不敵に口をゆがめる敵。
ビシ! バシ!
その左右で電撃が爆ぜる!
ビアンカとカリーナが追いついて、電撃魔法を食らわせたんだ!
電撃が効いて、顔にひびが入っている。
「効果があったと思うな、これは仮面だ……」
フッと息をしたかと思うと、仮面はバラバラに砕け飛んで行った。
その下の顔が明るく宣言しやがる。
「フフフ、お楽しみは街の中、戻ってみるといいわ。セ・ン・パ・イ(◎▽◎)」
シュボ
そいつは詰まったゴミが吸い込まれるような音と共に消えてしまった。
「「なんなんだ?」」「あいつは?」「ギギ?」
「アキさま……」
「アキに化けた魔物だ……」
そうだ、ウンターヴェークスでアキに化けて近づいてきて、俺たちをたぶらかしていった奴、おそらく魔王。今度は道のギルド、受付さんに化けていたんだ(049 : ウンターヴェークスを出てハイデベルクを目指す)。
あの時は、ヒルデの名簿を盗んでいった……あ!?
「なにか盗まれていないか!?」
みんな首を横に振るが、エマ一人俯いたままだ。
「エマ!?」
「はい、申し訳ありません……ストレージを盗られてしまいました」
ええ!!? ストレージを!!?
またまた大変なことになった……
☆彡 主な登場人物
・鈴木 秀 三十路目前のフリーター
・ブリュンヒルデ ブァルキリーの戦乙女
・エマ バンシーのメイド
・女神(甲と乙) 異世界転生の境に立つ正体不明の女神たち
・ハンス・バウマン ズィッヒャーブルグのギルドマスター
・フンメル 西の墓地に葬られている一万年前の勇者
・カルマ フンメルとパーティーを組んでいたエルフの魔法使い
・トルクビルト(工藤甚一) ズィッヒャーブルグの幻影魔法士(娘:ビアンカ、カリーナ)
・シャイロック ヴェニスの商人
・ロキ 荒れ野の神(ヒルデの義理の叔父) シギュン(妻)
・親指姫 げんこつ山のゴーレムに取り込まれていた
・秀を取り巻く人々 先輩 アキ(園田亜妃) 田中
・他の冒険者たち オンケル シュベスタ―
・魔物たち 謎かけ魔物 リーツセル(Rätsel) ガイストターレン シュプルーデ川の魔物 樹叢の魔物 セイレーン(半鳥半人) ギギとクク(元セイレーンの姉妹) げんこつ山のゴーレム 巨大唇の化け物




