表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/82

070 : こんどはおねえちゃんたちだ!

待ての勇者と急ぎの姫騎士


070 : こんどはおねえちゃんたちだ!





「よし、こんどはおねえちゃんたちだ!」


 ビアンカが手を上げて前に出た。


 ギギの『げんこつ山のたぬきさん』に飽きたわけじゃない。温まってきたんだ、心がな。


 それで——自分たちも!——と手を上げた。元々が見世物小屋の娘だ、ここまで盛り上がったのなら自分たちも! 


 心が逸るんだ、血が騒ぐんだ。


 ついさっきまで寝そべったり膝を抱えていたりしていた冒険者たちも、顔を上げたぞ。


「げんこつ山よりは大人の歌だけど、元気が出るよお! いくぞ、カリーナ!」


 妹も引っ張り上げ、ビアンカはリュート(弦楽器)、妹は太鼓を構えて歌い始めた。


 闘魂込めぇ~て♬ 大~空に~(^^♪


「景気のいい歌だな」「元気が出てきます」


 ヒルデもエマも直ぐに気に入ってしまった。


 そりゃそうだろ、野球にはさほど関心のない俺でも知っている。日本民族の応援歌だからな。


 おーおー勇者ー♬ ゆーけゆーけ、それゆけ冒険者~(^^♪


「冒険者の歌でございましょうか」


「ま、まあな(^^;)」


 元歌はジャイアンツの応援歌だ!


 二人は、幻影魔術師にしてズィッヒャーブルグ随一の見世物士トルクビルト、つまり工藤甚一の娘だ。客寄せに覚えさせられたんだろう。


「フフ、楽しげだな。あの姉妹自身の応援歌でもあるのだろう、単純だがいい歌だ」


 ガラにもなくヒルデが褒めると、我らが歌姫、ギギもすぐに覚えて唄いだす。


 いけいけ、しょれゆけ、ぼーけんんしゃ――♪


 可愛くも力強い歌に合わせてツーコーラス歌うと、早くも次の曲だ!


「今度は『闘魂込めて!』いっくよー!」


 えと……? 


 タイトルを言われてもピンとこなかったが、リュートに合わせて出てきた最初のフレーズで分かった!


 ライズゼニヒ下ろしにぃ~ 颯爽と~ 蒼天かける日輪の~(^^♪


 六甲おろし! 阪神タイガース応援歌!!


 モジってあるとは言え、日本最強、双璧の二大応援歌、込められた熱量は半端じゃない!


 しかし、この応援歌に呼応したのは、その場の冒険者たちだけじゃなかった!


 剣の柄に手をかけてヒルデが呟く。


「なにか来るぞ……」


 グゴ グゴゴゴゴ……!


 げんこつ山全体が共鳴し、鳴動し始めた!


「あそこだ!」


 節くれに飛び乗ると下に向かって抜剣するヒルデ!


 抜いた剣は、レギュラーのオリハルコンではなくてエクスカリバー、並みの敵ではない!


 俺も節くれに飛び乗ってみると、節くれの下、握った拳が開くようにして石の巨人が現れた!


 ガオーーーン!!


 ゴーレムだ( ◎艸◎)!


 だれかが叫んで、冒険者たちがいっせいに飛び退った!


 逃げたんじゃない、距離を置いて身構えたんだ!


 ズチャ! ビシ! ブン!


 いつもながら、三人、同じタイミングで得物を構えられると気持ちがいい!


 温まった心が沸々と滾ってきたぞ……!




 ☆彡 主な登場人物


・鈴木 すずきすぐる    三十路目前のフリーター

・ブリュンヒルデ         ブァルキリーの戦乙女

・エマ              バンシーのメイド

・女神(甲と乙)         異世界転生の境に立つ正体不明の女神たち

・ハンス・バウマン        ズィッヒャーブルグのギルドマスター

・フンメル            西の墓地に葬られている一万年前の勇者

・カルマ             フンメルとパーティーを組んでいたエルフの魔法使い

・トルクビルト(工藤甚一)    ズィッヒャーブルグの幻影魔法士(娘:ビアンカ、カリーナ)

・シャイロック          ヴェニスの商人

・ロキ              荒れ野の神(ヒルデの義理の叔父) シギュン(妻)

・秀を取り巻く人々        先輩  アキ(園田亜妃) 田中

・魔物たち            謎かけ魔物 リーツセル(Rätsel) ガイストターレン シュプルーデ川の魔物 樹叢の魔物 セイレーン(半鳥半人) ギギとクク(元セイレーンの姉妹)   



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ