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『竜騎幻想』で最強の一角、竜姫【戦士】シューリア

 幸いドラゴンはもう出なかった。……想定より弱くて良かった。


 手応え的にオークロードの方が強かった……あれから俺達はそこまで強くなっていないとは思うけれど、もしかして差は相性だったのだろうか?


 今回は弱点属性の高火力攻めだったから……だとしたら、弱点属性を突くのは真剣に狙うべきかもしれない。難易度が全然違い過ぎる。


 俺達からすればドラゴン以外は烏合の衆だったため、時間は掛かったけれど殲滅は無事に終わり、ゲート経由で出撃したユニット達は全員帰還させて元々滞在していたメンバーは城で宿泊をしていた。


「落ち着いて。さぁ、あなたが賜った新たな天職は?」


「【戦士】です。希望は軍に入ってユーマオロ兄様を支えたいとは思いますが、恐らくお父様がお決めになると思います」


 彼女は【戦士】と答えた時は誇らしげではあったが、自分の進路に関してはあまり嬉しそうでは無かった。


 彼女の名はシューリア=C=バーリングラウンド。年齢は1つ下の16歳。背は『竜騎幻想』通りであれば157センチ。多分実際も一緒だろう。幼い顔立ちに橙色の瞳。桜色の髪の長さは『竜騎幻想』では不明だが低い位置で団子状に纏められていた。ちなみに実際は膝丈まである事をドレス姿で知っている。


 視界が暗転して場面がオープニングのBパートへと変わる。


 場所は王様の私室。部屋には王と王妃の2人。そこにシューリアが入って来た。


「お父様、お母様。【戦士】を賜りました」


「おめでとう、シューリア」


「おめでとう。希望通りね」


 王妃の言うように、シューリアは【竜騎士】を夢見ている。……実際、他のキャラが竜騎士になるより簡単に……【竜騎士】になるだけであれば戦っているだけで至る。


「ナンス様に感謝です。……それで、今後は……」


「誕生日にはバースデイパーティを開く。そこでシューリアの婚約者を発表する。選んでおきなさい」


「……わたしの条件は変わっていません」


 希望を聞かずに婚約を促す父に対し、即牽制する。


 結局、彼女の条件に適う男性は現れずに婚約不成立。……国王はそれに頭を抱えていた。




 視界が暗転する。毎度のパターンであれば、次は過去回想シーンのはず。


 場面は一時的に謁見の間。……何故一時的って判るかというと、既に知っているから。


「わたしは、両親と兄と姉3人、弟1人の8人家族。第5子の末娘として生まれた」


 ここで笑ってしまうのは、『竜騎幻想』と実際では家族の顔が違う事。


 シューリアのナレーションに合わせる形で順々に家族の画像が表示されるんだけど、王、王妃、アヤルンゼール、マミルリーヌ、シューイチェスタの顔が実際と全然違ったりする。


 ……今となっては違和感しかない。


 直ぐにゲーム画面に切り替わる。それと同時に場面も城の外へと移動する。


 そこには幼いシューリアが兄のユーマオロを追いかけ回していた。


「幼い頃のわたしは、ユーマオロ兄さんや兄の学友の方々の後を付いて遊んでいた程のお転婆で、男の子のような子供だった」


 しばらくグルグル回る子供達のキャラを見た後にアニメーションが始まる。


 場所は城内の厩舎。馬や天馬がいる中、騎乗用の小型竜であるドラゴニュート……イメージするならば翼は無く、馬より少しだけ大きいサイズの二足歩行の竜が沢山いた。


 これは別にアダマスオーロ王国だからというわけではなく、どの国も厩舎には多くのドラゴニュートが飼われている。それは主に【竜騎士】が乗る軍竜として飼われているから。


 【竜騎士】は【戦士】から【騎士】に進化し、その中で進化できた者が賜れる可能性のある希少天職。大ベテランの兵士が【竜騎士】に進化する可能性を秘めているが、所有する【竜騎士】の数こそ、その国の兵力と言って過言ではない。


「すごぉい……ドラちゃんがいっぱい!」


 8歳のシューリアが初めて厩舎に来ていた。


「危ないから近づくなよ?」


 12歳のユーマオロが彼女の先を行く。


「はい、兄さん」


 ……と返事は良いのだが、言っている傍からドラゴニュートに近づく。


「あぶないっ!」


 一応妹の挙動を気にしていたが、シューリアは迷わずドラゴニュートに近づく。


 例え軍竜とはいえ、気性の荒いドラゴニュート。【獣操士】でも失敗すると命の危険を感じるというのに、シューリアに対してドラゴニュートは自ら頬擦りをしていた。


 再び場面が変わる。……アニメーションはまだ続くはずなのにブチ切りにしたようだ。


 場面はゲーム画面で城内の庭。見た感じは幼い頃に兄妹で走り回った場所の使いまわしだと思う。……というか、同じ場所という解釈で良いのだろうか?


「やーっ!」


 カンッ!


 木と木のぶつかる乾いた音が響く。


 マレイゼリンや他の女性NPCと共に槍の訓練を行っている。


 ……何を伝えたいのかと考えていたが、要は男勝りな女の子だって伝えたいのかな?




 姉妹での鍛錬シーンが終わると、またアニメーションがブチ切りで視界が暗転する。


 ……思うんだけど、この自称「予知夢」と称しているコレ。前々から違和を感じている。見せているのがナンス様とは限らないが、何らかの意図があるのではないかと思っていた。


 俺が思いつくのは2つ。高確率でコレだろうと思っているけれど、この『竜騎幻想』をやっているプレイヤーの記憶から俺に関連するモノを見せているパターン。事実、そのプレイヤーが憶えていないモノは、俺にどれだけ思い入れがあっても見せる事ができない。


 そして、もう1つの可能性。それは、何らかの意図から俺にわざと見せていない。見せたくないモノを見せないという事をされているのではないか? という事。……まぁ、可能性は低いと思うんだけどね。


 ……でも、全部を垂れ流ししない理由は何かあると思っている。だって、されなくともうろ覚えながらだけど全て記憶にはあるのだから。


 そんな事を考えている間に場面は何処かの広場? 閲兵場? 現実には存在不明な空き地に王国兵達が並んでいる。そこには国王や王妃、宰相と思われる者もいて、壇上に団長が立つ。


「皆も周知の通り、シューリア王女殿下は成人し、【戦士】の天職を賜った。その上で、本人の希望により兵団に所属する事が決まった。シューリア様の武術の腕前は知る者も多いと思う。そこで、まずは班長の任をお任せする事になった。……シューリア様、ご挨拶お願いします」


「わたしのような新参に班長の席を用意させてしまった事、申し訳なく思っています。せめて、その席に見合う成果を上げられるよう精進します。よろしくお願いします」


 この時、彼女はお飾りになると誰もが思っていた。でも、後のクエストを進めると彼女の成果を知る事ができる。


 何かの式が終わり解散となる。……彼女の挨拶のためだけに兵士を集めるとも思えないし、別の目的もあったと思うんだけど、何の式だったかは記憶にない。


 アニメーションが始まり、彼女の隣に団長と隊長、正面には9人の兵士が整列していた。


「この9人がシューリア様の部下になります。1人は副班長として私が注目している将来の戦略参謀候補。この度のシューリア様の活躍に応じて評価する事を告げています。それと、残りの8人は新兵になりますが、テストにおいて優秀な成績を収めた者達です。……この意味はお解りですか? シューリア様をお飾りで終えるつもりはないという意味です」


 団長の言葉は事実だろう。でも、それを指示した国王の意図は別のもの。


「望むところです」


 実際、直属の上司な隊長からの指示は他の班と比べても厳しいモノが多かった。




 視界が暗転する。また、別のイベントアニメーションが始まった。


「※※※※様。この度は力添えして頂き、ありがとうございました」


 場面は城内の部屋の一室。部屋の中央にはテーブルがあり、料理が並んでいる。【剣の乙女】が王家の方々と食事をしている。


「いえ、お役に立てて良かったです」


「もう出国されるのですか?」


 このシーンはシューリア関連のクエストではない。アダマスオーロ王国のメインストーリーの最後。オネーサンドでの護衛でセルケティオ族との戦闘の後、エレツテーレに帰って来ると国王からも礼を言いたいと食事の場を用意された。


「はい。お世話になりました」


「これは私個人としての礼となりますが、遠征に役立てて下さい」


 そう言って、お金といくつかアイテムを貰う。


 アニメーションが終了すると、ゲーム画面中央には【剣の乙女】のキャラが足踏みをしている。三頭身の彼女は勝手に移動を開始するとシューリアのいる場所まで移動して話し掛けた。


「わたしの力が必要ですか? それならば、お願いしたい事があるんです」


 ……こんな感じでクエストが発生する。


「野生のドラゴニュートを1匹、連れて来て欲しいのです」


 そのメッセージの後、この依頼を引き受けますか? と表示され、「はい」「いいえ」の二択を迫られる。ここで「はい」を選ぶとクエストが発生。


 仲間に【獣操士】がいれば、国境の外でのランダムエンカウントで敵として現れたドラゴニュートを飼いならせば入手が出来て、そのままシューリアに再び話し掛けるとクリアとなり、報酬としてシューリアが仲間に加わる……という内容だ。


 ちなみに【獣操士】が居なかった場合はクリア不可能でシューリアを仲間にできない。そして北周りで大陸を巡っていた場合も仲間にできない仕様になっている。


 そんな面倒ならば仲間にしない人も多かったのではないかと知らない人は思うかもしれないが、シューリアは手間を惜しまず仲間にするべきユニットの1人な事は少し情報を漁った人にとって常識となっている。……理由は彼女が最強の【竜騎士】に至るユニットだから。




 目が覚めた。ちなみにまだエンディングを見ていない。……まぁ、見なくても内容を知っているけれど。


 効率厨でも最強厨でも南周りでシナリオを進行しているならば、シューリアは絶対仲間に加えているユニットだ。当然ながら各種エンディングが動画であげられている。


 ……まだ日が昇る前か。


 普段であれば身動きがとれない状況ではあるが、ここは城内にある客室。室内はまだ暗い。例によって日が昇る前なのだろう。


 ちなみにグッドエンドは国境の外、採石場の南に新たな町を築いて国境を南に広げる事になる。その町をシューリアが治める事になる。


 石材採掘の最前線となることで人口が増加して町はどんどん発展する。


 シューリアも元副班長の男と結婚して、幸せに暮らすことになる。


 一方ノーマルエンドは王国兵団の団長に就任する。その理由は邪竜王を討伐した功績を称えての褒美を与えられる際に、彼女は婚約や結婚を強制しない事を約束させた。


 ちなみに団長の地位は実力で勝ち取っている。そりゃ、『竜騎幻想』内最強ユニットの【竜騎士】で、邪竜王とも戦って生き残ったのだから資格は充分というもの。


 団長の地位に就いたシューリアは『アダマスオーロ王国の守護竜姫』と呼ばれるようになるらしい。


 シューリア関連のクエストを全部攻略せずに邪竜王を討伐すればノーマルエンドになる。


 最後にバッドエンドだが、帰って来たシューリアに対して国王が用意していたのは婚約者候補による見合いだった。国の内外問わず、王族の美男子を揃えて選びたい放題の状況の中、強制的に選ぶよう指示されて……その日以降、彼女の表情から笑顔が消える……という話。




 シューリアを仲間に加わる時は【戦士】。初期装備のまま経験値を稼げば【騎士】、【竜騎士】へと進化していく。注意点としては、彼女の進化は槍を装備している事が前提となっている。


 武器を剣と盾に変更すると【重戦士】に進化する事は可能だが、そこで進化は止まる上にバッドエンドが確定する。


 ちなみにグッドエンドとノーマルエンドの分岐点はシューリア関連のクエストをクリアして彼女との信頼度を上げる事。【竜騎士】まで上げなくとも【騎士】や【戦士】でも【重騎士】にならなければ成立する。


 ……まぁ、槍を使う適性が高いのに、剣と盾を使う理由が無いんだけどね。


 シューリアはキービジュアルを飾るメインキャラの1人で、『竜騎幻想』のタイトル通り、【竜騎士】は状況に応じては劣る事があっても、総合的には最強天職なんだよね。

読んで頂きありがとうございました。

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何卒よろしくお願いします。

尚、5日間連続投稿5日目+本日中にあと2回投稿します!

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