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個性的な彼女の名は金属性の上位精霊エクスマキナ

 上位精霊とフェアリークイーンのどちらから会いに行けば良いかをビジュペに確認し、上位精霊に会いに行く。


「ちょ、どうして場所が判るの?」


 ミボットの問い。数名は同じ疑問を持つだろう。


「古祠の最下層って、何処も同じ構造なの。雰囲気は結構違うんだけどね」


 俺が答えるまでもなく、ナオリンが答える。


「ところでここの上位精霊って……」


「金の上位精霊はエクスマキナ様です。とても熱い武装精霊です」


 ……武装精霊? ……金属性の精霊って、みんなそんな感じ?


 ビジュペと共に一番奥の区画へ向かうと、大きな音が聞こえ始め、やがて打撃音だと判明し、戦闘中だと気付いた時には全員が走っていた。


「約束したお客様が来られました。……招かれざる存在には退界して頂きましょう」


 エクスマキナの声が聞こえた。凛とした女性の声が響くが声の主は巨大ロボットだった。


「ここは魔人族が居て良い場所じゃないわ! 正義の鉄拳……エクスマグナーム!!」


 エクスマキナが必殺技名っぽい何かを叫ぶと突き出した肘より先の部分を敵目掛けて撃ち出した。……ロケットパンチやん……。


「サクリさん、相手は魔人族のブレイズビーです」


 俺達と大きさの変わらない蜂女っぽいソレは、巨大な拳で圧殺死した。


 ガシュン!


 撃ち出した右腕が戻ってきて動作を確認すると、彼女はこちらを向く。


「お待たせしたわね。わたしが金の上位精霊エクスマキナです」


 そう言ってこちらにブイサインをする。……意外にフランクな精霊なのか?




「……魔人族相手に圧倒的ですね」


「フフッ、正義は負けないって決まっているんですよ」


 そう言うと彼女の首から上、頭部がポンッと弾かれる。


「チェーンジ!」


 頭だったモノが変形していき、俺達と変わらないサイズのロボットに変わるのだが、ボディのラインやデザインから女性型であるのは伝わる。ただ、オートマタのような人と変わらぬ姿ではなく、ちゃんとしたロボットの外見。


「このサイズなら普通にお話できるわね」


「首が疲れなくて助かります」


 そう言って苦笑いすると、彼女も口元を抑えて上品に笑った。


「貴方をお迎えするために準備していたら、あのブレイズビーが現れて。急いで片付けなきゃって思って全力で倒しちゃったわ」


「改めまして。俺はサクリウス=サイファリオ。冒険者チームのリーダーです」


「えぇ、お待ちしておりました」


「それにしてもロボですね」


「いえいえ。パイロットはいないので、どちらかというと機械生命体って感じじゃないですかね? あっ、わたしはAIじゃないですからね!」


「いえ、流石に存じております。パイロットとかAIとか……やはり前世の世界の事、ご存知なのですか?」


「わたしは直接知る術はないですね。知っていたのは、そこにいるビジュペですよ。彼女から話を聞いて、すっかり影響を受けてしまっただけです」


 ……ロボットアニメの影響受けたのか……それで……。


「ご存知かどうかは知りませんが、我々精霊には決まった姿というものが存在していません。その時の認識によって姿を変えるモノなのです。……今はビジュペに聞いたサクリさんのいた前世の世界の情報に影響を受けているだけです」


「そういう事なんですね」


 ……どういう事だってばよ。


 自分で納得したような返事をしておいて何だけど、流石に世界観無視は良くないだろ。




「えーっと……本題に入りましょう。今、大陸やレイアール王国で起きている現状について、改めて説明をお願いできませんか? 俺達から話すより上位精霊であるエクスマキナ様から話して貰った方が納得して貰えると思うんです」


「わかりました。他の精霊達と同じ説明でよろしいですか?」


「大陸に関しては。レイアール王国に関しては俺も関心があるのでお願いします」


 ……そう頼んではみたものの、その姿で話をするのは説得力無さそうではあるけれど……あっ、そうか。前世の記憶が無ければ関係ないのか。


 案の定、エクスマキナは説明を始めたが転生者達だけは何とも言えない表情になっている。何を考えているかまでは解らないけど。


「……というわけで、依頼しているの。そして、これが前払いの報酬よ」


 大型犬サイズのロボットが台車を押して宝箱を運んで来る。


「ねぇ、これってAIB……」


「皆まで言わないの」


 宝箱を俺の前に運び終えるとロボットが話し始める。


「どうも、初めまして。あたしはパンドーラ。精霊世界の犬型ロボットだワン」


 ……語尾のワンが何かあざとい。


「そちらにいるリナイセムという方、お話があるワン。こっちに来てワン」


 ……でしょうね。選ばれるなら彼女だと思ったよ。


「大丈夫、聞いて来て」


「う、うん」


「……ありがとうございます。大事に使わせて頂きます」


 リナイセムとパンドーラを見送った後、改めてエクスマキナにお礼を伝えた。




 宝箱の中を確認する許可を貰ってからミナコールに回収して貰う。


「わたしからも質問があるのですが」


 エクスマキナから遠慮がちに聞くものだから、何を聞かれるのか緊張した。


「貴方はどうして神器を使って戦わないのですか?」


「あ~、いや、使いたいんですけど、俺には適性が無いって」


 素直に伝えてみたが、何故かエクスマキナは小首をかしげる。仕草だけで可愛さを表現できるとは……このロボット、只者ではないな?


「なるほど。理解が足りてないのですね。……オートマタとはアイドル、ソルジャー、ウエポンと3つの形態を使い分ける兵器です。判りますか?」


 ……いや、さっぱり解らん。


「その辺は本人から聞くと良いですよ。貴方はわたしを度々ロボ扱いしているようですが、わたしはロボットでしょうか? それとも精霊でしょうか?」


 ……えーっと……何を聞きたいんだ?


「いや、精霊ですよね」


「そうです。では、オートマタは武器でしょうか? 少女でしょうか?」


 ……両方だよな? いや、前の質問の意図も含めて考えると……。


「少女?」


「解り易く言いましょう。所有権とはユーザー名。適正とはパスワード。目的はセーフティです。言葉の意味、転生者なら解りますよね? そして、パスワードは登録するモノです」


 ……パスワード登録? どうやって??




「これは幾つかある未来の1つでオートマタが言っていた事ですが、オートマタ達の人格は女性……それが持ち主なのか、持ち主を愛した人なのか……とにかく、神器の身近に居た女性の性格をトレースしたモノに武器としての本能を混ぜたモノです」


 ……アレ? そういえば、ユカルナが前に似たような事を言っていたような?


「さて、これでハッキリしたでしょう。念のために再度質問します。オートマタ達は武器ですか? 少女ですか?」


 これは多分、容姿の問題ではなくてオートマタの性格の話だ。それなら……。


「少女ですね」


「そうですね。わたしが精霊なように、彼女達も人格は少女なのです。今まで武器や人形として考えていたと思いますが、少女として考えた場合、適正とは何でしょうか?」


 ……はて?


 適正とはパスワード。目的はセーフティ。少女にとってのパスワードとセーフティとは?


「うーん……よく解らないです」


「オートマタ達は少女である。本気でそう考えられることが適正なのですよ」


 ……だとしたら、既に俺は適性があるという事になるのでは?




 リナイセムが契約を結んで戻って来たタイミングで、話は終わりとなった。例によってタイムアップなのだろうと、みんなでフェアリークイーンの居る所へと移動する。


「サクリウス。君だけ少し待ってほしい」


「何でしょう?」


 聞いては見たが答えない。全員が移動するのを待っているようだった。


「ヒントを差し上げます。少女にとってセーフティとは貞操です。少女が身体を許すために必要なモノは少女への愛です。……貴方は彼女達の気持ちに応えていますか?」


 ……エクスマキナが言わんとしている事を不本意ながらも理解してしまった。

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尚、5日間連続投稿4日目+本日中にあと1回投稿します!

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