都の調査官の聞き取り
誰かに覗き込まれている?
良師「う、うーん」
袁紹「ようやくお目覚めか張角殿」
良師「袁紹殿、こ、これは大変な失礼を」
袁紹「構わぬ。こちらも少し若者を揶揄いすぎたのでな」
いや、若者って…今の袁紹を見る限り、そう歳は変わらないと思う。
良師「揶揄ったですか?」
袁紹「俺が何進様の男娼とかな」
良師「嘘だったんですか!?」
袁紹「お前には俺がどう見えてるのだと言いたいところだが、そういう噂が都でまことしやかに囁かれていてな。それを利用して揶揄ってみた。思いのほか刺激が強すぎて、昇天していたようだが」
良師「誰が、昇天やねん!ゴホン、失礼しました。いえ、昨日あまり眠れなかったものですから」
袁紹「そ、そうか。確か張角殿は司徒様の養女と婚姻されたのだったな」
えっ?
これ、誤解されてない?
というかこの世界では6歳の女の子に手を出すのが当たり前なの?
教えてカクエモン。
張角『眼鏡をかけた少年のように我のことを呼ぶでない!ゴホン。まぁ、戦国時代でも3歳とかで婚姻していたであろう?そういうのが緩い時代なのだ』
いやぁ、あれは人質って側面が強いし、流石に3歳の女の子とやってたとか笑えないから。
張角『ふむ…でも何処かの国では5歳で子供を産んだ国があったらしいではないか…それよりも一歳歳上、いけると思われても不思議ではなかろう』
いや、それ割と最近…いや80年ほど前は最近ではないか。
張角『我からすれば最近だな』
そりゃ三国志の時代から今まで霊体として生きてたなら割と最近になるだろうね!
張角『いや、別に生きていたわけではないが…天界はそもそも時間の流れが違うしのぉ』
もうええわ!
袁紹「よほど、気に入ったようで何より。司徒様もお喜びであろう」
良師「違いますけど!6歳の女の子に手を出す鬼畜じゃ無いですけど!」
袁紹「はっ?ではお気に入りでは無いと…今からでも何進様に進言して、新たな女子を…」
良師「いや、そういう意味じゃなくて!貂蝉のことは気に入っています!まだ成長途中の身体を抱くつもりはないので、じっくりと育ててるといいますか…」
袁紹「成程…それで練習用の女子を10人も…」
良師「違いますから!中常侍が野盗のフリして攫った女の子を助けたいと思っただけですから!まぁ、結果的には龔景という小物が中常侍に取り入ろうとして、勝手なことをしてただけでしたけど…」
袁紹「まぁ、男としてアレが強いことに越したことはない。そこまで否定するのならそういうことにしておいてやろう」
いや、俺の性欲は強くないから!
彼女だって、できた試しは…イタタッ。
何だこの流れてくる記憶は?
???『今日から少しの間一緒に暮らすことになる◯◯綾ちゃんだ。まぁ、親同士が勝手に決めてすまないが良師、お前の許嫁だ』
???『良師くん、私が海外の学会に出席しなくてはならなくてね。期間としては1ヶ月ほどになると思うが面倒を見てやってくれると助かるよ。綾、お前も挨拶をしなさい』
綾『◯◯綾です。叔父さん叔母さん、良師お兄ちゃん、1ヶ月間宜しくお願いします』
はっ?
綾は俺の実の妹で、許嫁な訳がない。
何なんだよ!
何なんだよ!
こんな記憶知らない!
こんな記憶知らない!
綾『エヘヘ。良師お兄ちゃんの家でお世話になるのって、何だか花嫁修行みたいだね』
俺の妹に変なことを言わすな!
誰なんだよ!
誰がこんな悪夢を見せてるんだよ!
綾は、綾は俺の実の妹で!
許嫁なんかじゃない!
張角『良師!どうしたんじゃ!良師!』
良師『はっ!俺…』
張角『どうやら戻ってきたようじゃな。良師よ大丈夫か?過去の世界に飛ばされたことによる弊害であろうか?一度、女神様と話せれば良いのだが…義賢のように死ぬわけにいかんしのぉ』
いやいや、アレは揚惇命先生の物語の話で、本当にあった話ではないよな?
袁紹「何進様に、年若すぎる娘ではなく適齢期の女子が居ないかこちらでも聞いてみるとしよう」
えーっと、袁紹殿と何の話をしてたんだっけ?
というか、これって俺が袁紹殿から何か聞き取り調査されてないか?
って、待て待て待て、俺は貂蝉で満足してるって言ったよな?
何で、更に送り込まれる話になってるんだ?
というか、そんなに俺に人質を送って、何進にどんな得があるんだよ!
良師「必要ない。俺は貂蝉で満足している」
袁紹「おぉ!では、やはり昨夜はお楽しみであったのだな!」
新たに女が送られてくるぐらいなら否定しないほうが良いのかもしれない。
袁紹「何進様にも司徒様にも良い報告ができそうで何より。では、何進様より頼まれていた貴殿の聞き取り調査はこれぐらいにして、次は貴殿が捕まえられた唐松とやらの調書を取るとするか」
て!
やっぱり、俺も調書対象だったのかよ!
油断も隙もない男だなぁ。
なら昨夜はお楽しみだったと仲睦まじいようだと報告してもらっておこう。
実際には別々の部屋で寝たわけだけど。
袁紹「先ずは、龔景と中常侍との繋がりについて知っていることを話せ、嘘偽りを申せば都に連れて行き死罪に処す」
唐松「わ、分かった話す!全部話す!龔景からよく聞く中常侍の名前は張譲だ。でも、張譲から何か命令されてるわけじゃねぇ。龔景が独断で取り入るためにやってる。これだけは間違いねぇ」
袁紹「成程、張譲と龔景の繋がりだけわかればどうとでもできる。まぁ、何かするのは何進様だが。次に、龔景はどれぐらいの村民を攫ってる?」
唐松「正確にはわからねぇ。でも中常侍を快く思わない連中の元に攫ってきた若い女を送り込んで、弱みを握ってる。それで、中常侍の支持派に回った連中もいるって聞いた。う、嘘じゃねぇ!」
袁紹「成程、言葉巧みに攫ってきた年若い娘に無理やり言うことを聞かせると…だいぶ悪どい男のようだな。それを青州刺史に推したのも中常侍の筆頭である張譲。これだけでも充分、失脚に追い込めそうだ。お前に洛陽の都で話してもらえればだがな」
唐松「こ、断る!そんなことすれば、絶対に龔景に殺される。俺は死にたくない」
袁紹「なら、仕方ない。この話はここだけの話として処理し、何進様に報告だけはしよう。何進様が張春輝殿に罪人の引き渡し命令を出せば…お前は終わりだが」
唐松「だ、騙したな!お、俺が死んでも良いのか?都なんて連れて行ったら絶対に殺されるぞ。そうしたら情報源を失って困るのはお前らの方だ」
袁紹「確かにその通りだ。よく自分の立場を分かっている。保身に走られると厄介だ。仕方がない。では、今後も必要な情報があれば教えてくれるのだな?」
唐松「あぁ、約束する」
袁紹「では、それも何進様に追加で報告するとしよう。沙汰は追って下されるが悪くはならないだろう。張角殿も罪人の確保に協力いただいたこと感謝する」
良師「はっ有難き幸せ」
こうして、都からの聞き取り調査は終了するのだった。
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