報いには報いを
大賢良師が十常侍お抱えの商人と名乗る唐松を投獄した翌日、十常侍の趙忠に宛てて手紙を書く。
さらに一週間後、趙忠からの返答が届いた。
程遠志「大賢良師様に迷惑をかけちまうなんて…これが宣戦布告だったら俺のことは遠慮なく差し出してください!」
環希「そ、それなら私のせいなので、私も同罪です。一緒に…」
良師「2人とも俺の大事な領民だ。これが宣戦布告なら俺は受けて立つつもりだ」
張角『カッコよいことを言っているところ申し訳ないが今朝廷と事を構えるのはだいぶまずいと思うが』
良師『わ、わかってるよ俺だって!でも、領民のことを守らない村長なんて、ダメだろ!』
張角『やれやれ、お前は黄巾の乱の規模ですらどうにもならんかった朝廷を相手に反乱を黄巾の乱の14年前に起こすつもりか?少しは冷静になれ』
良師『焚き付けたのは張角の方じゃないか!』
だが、俺のイマジナリーフレンドの言う通りだ。
準備もまだままならないのに朝廷を相手に反乱など起こしても勝算は無い。
かといって、領民の首を差し出すわけにもいかない。
こういう時の取り引きはきちんとするもんだろ十常侍の奴らめ!
荀彧「握りしめてにらめっこをしているのならさっさと開けて内容を確認したらどうですか?」
鄧茂「荀彧の言う通りっすよ」
良師「では、開けるぞ…!?!!」
程遠志「やっぱり俺の首を…」
良師「唐松とやらの処罰はこちらに任せるとのことだ。その代わり、手配した男の責任は取らないで欲しい…と」
環希「あのクズらしい逃げ方ね。帝の側で権勢を誇る12人の中常時の筆頭とされている張譲に泣きついたんでしょう。私の父を殺して、村の人たちを殺して、私たちを散々利用したくせに…許せない」
程遠志「追求しましょう!大賢良師様!」
良師「いや、龔景というクズを殺させるのは簡単だが、それをするのは今ではない。それより、アイツの被害に遭っている者たちを少しでも多く助け出すためにこの提案には乗っておくべきだろう」
程遠志「わ、分かりました。大賢良師様の御言葉に従います」
環希「私も感情で動いてしまいました。どうか領主様の御心のままに」
良師「では、あのクズ商人には相応しい死を与えてやるとしよう」
報いには報いを…。
女を犯したなら、男にというのはやる方が可哀想なので、たっぷりと辱めてやることにした。
唐松「服を返せ!俺にこんなことしてどうなるかわかってんだろうなぁ!」
良師「これを見てもまだそんなことが言えるのか?」
唐松「そ、それは趙忠様の押印!?ヘヘッ、お前は終わりだ終わりだよ。ハーハッハッハ」
良師「終わりなのはお前の方だ」
大賢良師は、手紙を唐松の足元に投げ捨てた。
唐松は拾って、手紙を読み進めるうちにみるみると顔が青ざめていく。
唐松「あり得ない…こんなの絶対にあり得ない…龔景の旦那に、龔景の旦那に連絡を!連絡を取らせてくれ!」
良師「ほぉ。お前は十常侍とやらのお抱えだったのでは?龔景という男が十常侍の一員だと聞いたことはないが?」
唐松「今は知られていなくとも何れ十常侍の主要人物として名前が知れ渡ることになる。今度こそお前は終わりだ!龔景の旦那が俺を見捨てるわけがねぇ!」
良師「そこまで言うなら、連絡を取る事を許してやろう」
唐松は人前で服を着ることも許されないまま墨と筆を渡される。
唐松「こ、これを外してくれ!」
良師「お前は自分の立場を分かってるのか?逃げるかも知れない罪人の手枷をどうして外す必要がある?口で書けるだろ?」
唐松「クソが!」
唐松は筆を口に咥えて、必死に龔景に宛てた手紙を書く。
その手紙が龔景に届いて1週間後。
その間、唐松には必要最低限の食事と水が与えられ、服は下着のみであった。
唐松「ハーハッハッハ。これで今度こそテメェは終わりだ!」
良師「まだそんな憎まれ口を叩けるとは…さて、では内容を読むが良い」
大賢良師は、唐松の足下へ手紙を投げ捨てた。
手紙をニヤケながら見ていた唐松の顔がみるみるうちに青くなる。
唐松「龔景の旦那…何で俺のことを?俺を世界一の商人にしてくれるって言ってたじゃねぇかよ!なのに、何で俺のことを切るんだよ!ふざけんな!」
以下、手紙の内容。
『親愛なる友人の張角殿へ。この度はこちらの手違いで、雇った商人が殺され、野盗に取って代わられてしまいました。そこにいる男は、商人などではなく野盗だ。お詫びとして、私どもから誠意の品として、また女を贈らせていただきます。張角殿の良き隣人龔景より』
良師「さて、これでお前を殺しても誰にも咎められることはない。覚悟はできたか唐松?」
唐松「待て!待ってくれ!俺の持つ情報は必要だろ?た、例えば大興山の麓にあった村を襲った奴らが連れ去った女たちの行方とかどうだ?女を欲してるんだろ?」
良師「成程、取引というわけか。良かろう。お前はその情報で何を求める?」
唐松「も、勿論。命の保障だ!」
良師「その程度の情報で随分と強気に出るものだな。首を…」
唐松「ま、待ってくれ!も、勿論それだけじゃない!俺は龔景の指示で色んな汚い事に手を貸してきた。その時に知り得た情報の全てを対価として渡す。だから、どうか!どうか!命だけは!命だけは!助けてくれ!頼む!」
良師「お前が嘘をついていた場合…若しくは俺を罠に嵌めた場合…」
唐松「そんなことはしない!正直に全部話す!俺はまだ死ぬわけにはいかない!死ぬわけにはいかないんだ!」
良師「良かろう。命だけは助けてやる(まぁ、一生独房暮らしだ…死んだ方がマシだったと思うようになるさ)」
唐松「ありがとう!ありがとう!」
こうして大賢良師は、龔景の悪事に加担していた唐松という商人を通じて、情報を得ることを決めるのだった。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。
それでは、次回もお楽しみに〜




