十常侍の使者(後編)
大賢良師の発言を聞き、悩むそぶりを見せる趙忠。
趙忠「(成程…1人で処理させられないほどの性欲か…確かにそれでは相手が見つからないのも無理はない。逆に、コチラが張角殿の要望を十分に満たす相手を用意することができれば…張角殿を女に溺れさせ堕落させ、脅威から排除することができると言えよう。そういえば、張譲お抱えの龔景の奴が面白いことをしておったな。確か一年程前に村の女を青田買いして宦官を名乗りながらも男を保っている奴らに差し出し権力を保持していたな。あの女たちならもう手放しても痛くは無かろう。既に何人かは村が不慮の事故で焼け野原になったとかで、壊れているとも聞く。だが、張角殿にも見た目に好みがあろう)御用意はできる」
良師「本当ですか!?それは大変助かります。何しろ、毎晩張ってるのを自分で処理するのも限界に来ておりましたから」
先ずは、釣れたな。
さて、何人の女性を助けられるか。
趙忠「ですが、張角殿も誰でも良いというわけではないでしょう?」
成程、そう来たか…誰でも良いわけではないだろうと…ここで俺がこういう女が良いとか言ってしまうと犠牲になった村の娘たち丸ごとの解放は困難だ。
なら答えは一つだな。
良師「女なら別に誰でも構いませんよ。寧ろ男と女のすることなんて一つしかありませんから」
趙忠「な!?(女なら誰でも良いのに、今まで発散する相手を作らなかったと?この地を治める領主の息子ともなれば、目をギラギラさせた女がやってきそうなものだが…。これは、もしやワシのことを試しておるのか?変なのを連れてきたらわかってるだろうなという無言の圧力にあるまい…。何故、ワシが2回り以上も下のガキの言葉に冷や汗を流さねばならん。此奴は、やはり危険だ。これも聞いておこう)誰でも良いなら領民がこぞって立候補しそうなものですが」
確かに誰でも良いと言ったらそこが気になるよな。
だが、それに対する答えはもう決めている。
良師「あぁ、そのことですか…これも恥ずかしくて言えなかったのですが…俺は激しいのが好きで…領民だと万が一にも壊してしまったら父に怒られそうで、必死に我慢しておりました」
趙忠「な!?(壊してしまいそうなぐらい激しく女を抱くというのかこの者は…。そ、それならやっぱり経験豊富で、もう壊れてる奴らの方が都合が良い。壊されたところでコチラも文句を言うつもりはないし、そもそももう身寄りすら無い女たちだ。どう扱われようが気にする必要もあるまい。張譲、どうやら我らにも運が向いてきたぞ)」
良師「驚かせてしまい申し訳ありません。やっばり、そんな都合が良い女性を融通はできませんよね?」
趙忠が驚いたことを利用して、ここは一度引く。
向こうは俺に貸しを作りたいのだから引かれたら強引にまとめようと動きを見せるはずだ。
趙忠「いや、驚きはしましたがそういうことだったのかと納得した驚きでして。張角殿の御要望に合う女性を御用意致します」
勝った。
これで、少なくとも何人かはコイツらに壊された女性を解放させることができる。
ここで、数を出す…確か程遠志から聞いた話によると村にいた若い娘は全部で10人だったと聞く。
そこから少し多めに50ぐらいにしておくか。
張角『それは少し多めではなく多すぎるというのだ!寧ろ、欲張り過ぎであろう。ここは定期的に向こうがこちらとの縁を繋いでおきたいと思うように小出しにするのが良い。先ずは、程遠志の村の若い娘たち10人全員が入っているかは分からぬが…多く見積もっても15人ほどが良かろう』
流石は俺のイマジナリーフレンドだ。
十常侍が広宗を敵に回したく無いことを逆手に取りサブスクを結べと言うとは。
向こうはこちらに女という代金を支払続け、俺はそれを受け取る代わりに女に堕落したフリをする。
なんとも巧妙な罠だろうか。
良師「では15人ほどお願いしたい」
趙忠「15人!?(向こうから具体的な数字を出してきたのは助かるが…龔景の奴から聞いた話では、確か10人の年若い娘の精神が壊れたと聞いた…残り5人はうーむ…何とか用意する…いやコチラも女には色々と使い道がある。ここは交渉で乗り切るしかあるまい)今、御用意できるのが10人ほどでして…それで足りなければまた今度というのは如何ですかな?」
良し!
これで、コイツらは俺を繋ぎ止めるために何回も何回も交渉せざるを得ない状況となった。
向こうは俺に女性という代金を支払い、俺はその代わりに向こうに安心をくれてやる。
まぁ、向こうが払い終わった瞬間に消え去る安心なのだが。
さて、十常侍は俺にずっと女性を提供し続けられるかな?
青州は既に龔景のせいで酷い有様になっていると聞く…それが他の州にも手を出せばどうなるか…ククッ。
俺は今から十常侍たちの破滅を見られるかと思うと楽しくて楽しくて仕方がないよ。
良師「お受けしましょう」
こうして、俺と趙忠は笑顔で握手を交わし、趙忠は帰って行った。
張春輝「まさか、お前がそれほどまで下半身に悩みを抱えていたとは…だが女性をまるで道具のように要求するのは間違っているぞ角!」
良師「あ、父上。あの話は全部嘘です」
俺が事の次第を父の耳元で打ち明ける。
張春輝「な!?お前は、奴らが非道な行いをしているとわかった上で、その者たちに虐げられている者たちを解放しようと動いたというのか…成程。では、思う通りにせよ。だが、送られてくる者たちは、恐らく精神に異常をきたしている。お前がそういうつもりでなくとも覚悟はしておけ」
精神に異常をきたしているという言葉が何故か深く心に響いた。
まるで、自分自身のことを言われているかのように…俺は健全でそんなことあり得ないのに。
良師「しょ、承知しました」
俺はただ承諾の言葉しか言えなかった。
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