↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
えっ俺がコスプレの十八番だった大賢良師張角に!?朝廷が思ってた以上に腐ってたので念入りに内政をして黄天の世を築きたいと思います  作者: 揚惇命
1章 張角16歳

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/60

閑話休題③逃避行

 龔景から脅された荀緄は、泣く泣く資材を投げ売り兵を増員した。

 こんな事しても負けるのは目に見えているのに。

 十常侍派閥は、荀家に対して踏み絵をさせているのだ。

 十常侍派閥だと言うのなら全てを投げ打って、何進派閥の領土へと攻め込めと。


 荀緄「こんなことをすれば外戚である何進殿が黙っていない。あぁ、俺はどうすれば。1番末の息子を十常侍に渡し、安寧を得たというのに」


 ???「父上、本当に冀州に兵を向けられるおつもりか?」


 荀緄のことを父と呼ぶのは、三男で次期家長の荀衍《じゅんえん》である。

 長男と次男は、双子であったが難産の末産まれたが息をせず死亡となり、ようやっとその悲しみから立ち直り産まれたのがこの荀衍だった。

 歳は18で荀彧とは10以上も歳が離れている。


 荀緄「衍か。では、どうせよと言うのだ!こうしなければ彧があの下品な奴に辱められるのだぞ!」


 ???「そもそも、それが間違いなのではありませんか父上。文若《ぶんじゃく》は、俺たちの誰よりも賢いです。そうなると察すれば直ぐに逃げ出すでしょう」


 そう進言するのは、荀緄の4男の荀諶《じゅんしん》である。

 歳は15で荀彧と8つ違いである。

 尚、荀彧たちの母は荀彧を産んで間も無く病によってこの世を去っている。

 ちなみに文若とは、荀彧の字である。


 荀緄「その見立てが外れれば、彧の命が無いことがわかっての発言であろうな諶!万が一があってはならんのだ!」


 荀衍「それならあの時宦官どもの圧力に屈し文若のことを手放さなければ良かったのではありませんか?」


 荀緄「では、どうやって父から引き継いだこの地を守れたと言うのだ!俺は、全然できた息子ではない!父と兄を失い、半ば強制的に家督を継いだだけの男なのだぞ!」


 荀諶「それでも今は父上が荀家の長です!その一言の重みは理解してください!本当に冀州を攻めるのですね?」


 荀緄「何度も聞くな!これは仕方のないことなのだ!」


 ???「やっぱりこうなってしまいましたか父上」


 荀諶「文若!?いつ、ここに?」


 荀彧「次兄上、お久しぶりです。父上、兄上たちの言う通りです。父上が駄目な為政者だと言うことは分かりきっています。なので、とっととこの地なんて捨てちゃいましょう。もっと駄目な為政者が引き継いでくれるのなら父上も汚点も消えて、皆ニコニコではありませんか」


 荀緄「帰ってきて、早々に酷い言われようだな。親の苦労を知りもしないで」


 荀彧「そんなことは国を治められないことの言い訳にもなりませんよ父上。無理なら出来る人に任せれば良いんです。幸い、やってくれると言う人が今はいるのですから。これで父上も書物を書き写すという趣味に戻れます」


 荀緄「馬鹿をいうな!この地は父祖伝来の」


 荀彧「自尊心で家族を守れるのですか?大事なことは家族皆が生き延びることではありませんか?父上は民にも嫌われている方ですし…何の憂いも無いでしょう。せいぜい民たちが後にこんなのなら父上の方がマシだったとならば、戻る道筋すら立つでしょう」


 荀衍「まさか文若は、近いうちにそうなるとでも言ってるのか?」


 荀彧「えぇ。あのように人を脅し付けて上から力で押さえ込もうとする人間が栄達できるとは思えません。今は泥水を啜ってでも家族と付いてきてくれる人を守るべき時なのでは?」


 荀緄「ううむ。しかし、それでは父に冥土で…」


 荀彧「ここで父上が荀家を滅ぼす方が合わせる顔は無いと思いますが」


 荀緄「ぐぅぅぅぅ。わかった!全て彧の言う通りに致す。全軍、冀州への出兵は」


 荀彧「あ!出兵はします。ですが王宏様に一筆書きます。形式上、兵を引き連れて行軍するが王宏様に投降しますとね。手紙を届ける先は、広宗の地を治めている領主様が宜しいかと。ここから進軍するとなれば、広宗を通ることになりますから」


 荀緄「うむ心得た」


 麟杏「あのぉ。そのぉ。もう私が出ても問題ない?」


 荀緄「誰じゃこの娘は!勝手に会議に入ってきよって!」


 麟杏「あのぉ。そのぉ。初めまして、張譲の養女で荀彧様の婚約者の麟杏と申します」


 荀緄「な!?今の話を聞かれたとあっては生かしておけん!」


 荀彧「父上、麟杏は問題ありません。僕が張譲たちから妻として略奪してきたので」


 荀緄「それは既に敵対しているということではないか!急がなければ」


 荀彧「えぇ。僕が逃げたことが知れ渡れば、龔景が攻め寄せてくるかも知れませんね。だから手紙にはこれも追加してください。龔景に敗北して逃げてきたと」


 荀緄「う、うむ」


 その頃、龔景宅。


 龔景「張譲様の養女を息子の嫁に貰ってるからって言い気になりやがって!これで、アイツも勝手に失脚してくれるだろ。その後に俺が青州全土をきちんと治めている実績を示せば張譲様だって、俺を十常侍に。いや俺が入ったら十一常侍か。ワーハッハッハッ」


 伝令「龔景様!張譲様より密書にございます!」


 龔景「早く渡せ!な、何だと!?直ぐに済南国へ兵を向けよ!荀家が裏切った!アイツらを1人残らず皆殺しにするのだ!」


 龔景の私兵たち「は、はい!」


 この時、いち早く荀彧の案に従い済南国を脱出していた荀緄とそれに付き従う者たちは、無事に冀州へと入り、広宗に立ち寄ることができたのであった。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 それでは、次回もお楽しみに〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。