識字率の増加と農業改革
今まで何日か過ごしていて、何も気付かなかったぐらい松明係が隠密に優れていたのか…夜になったら俺自信スヤスヤ寝ていたからかは知らない。
だが、壁掛け松明は、生活を大きく変えた事は事実だ。
となると次は、机における卓上松明なんかも…いや、今はそれよりも外には篝火というのを置いて、暗闇を照らしていたので、夜間授業はできたわけだ…それなのに俺は先に先にと壁掛け松明を優先した…そこはちょっと反省するべきだろう。
良師「先ずは自分の名前を書けるようになるところから始めよう」
程遠志「はい!大賢良師様!」
良師「では、先ずは俺が皆の元に行き名前のお手本を書く、それを清書して復唱」
俺は今日参加してくれている人たちの元を1人づつ周り、お手本を書く。
それを見ながら、程遠志たちが書く。
といってもいきなりみんな完璧に書けるわけもなく、ミミズが掘ったような字だ…でも名前を書くという第一歩は踏み出せた。
いきなり文字を書けるようになるわけでは無い…こういうのは継続する力が大事なのだ。
だから、いきなり難しくしすぎない。
先ずは名前。
次に広宗で危険な場所に書かれているマーク。
数字。
少しづつ。
良師「いきなり難しくしても長くは続かない。皆は今日、覚えたことを忘れずに」
程遠志「はい!」
この日はこれで解散した。
識字率を上げながら子供に楽しく農業を手伝ってもらうようにする。
やはり、ポイント制度の導入が妥当か。
先ずは母親たちを集めて、話してみるか。
次の日、俺は朝早くから女性たちを集めた。
女性A「こんな朝っぱらから集めてなんなのさ?」
良師「お忙しい中、大変申し訳ありません。少し、ご婦人方に御相談がありまして…子供に自発的に仕事を手伝ってもらうための方法を考えたのですが」
女性B「そりゃ、自発的に手伝ってくれるのならありがたいけどね。子供は遊びが最優先さ。農業になんか見向きもしない。寧ろアタシらだって、生活に直結してるから仕方なくやってるだけさ」
良師「えぇ。ですからご婦人方にも子供にも益がある方法を考えました。この色紙に、ご婦人方には家事得点、子供たちにはお手伝い得点として、押し印を押させてもらいます。それがある程度貯まったら、ご婦人方には生活必需品を子供たちは遊び道具と交換できるという。これにはご婦人方の協力が欠かせません。あ!くれぐれも嘘の報告だけはやめてください。その代わり、こちらもご婦人方と子供が頑張れば頑張った分、報いれるように頑張りますので」
女性C「いや、アタシたちは、その。まぁ、農業が生活に直結してるのに、それをして生活必需品まで貰っても良いのですか?」
良師「ご婦人方が頑張った分の賃金の代わりと思っていただければ…」
女性D「アンタ、広宗の領主の息子さんなんだろ?今まで、領主ってのは搾取する奴ばかりだった。でも、アンタはアタシらの生活を第一優先に考えてくれている。役人嫌いの主人たちが諸手を挙げて、アンタを受け入れた理由にようやく合点がいったよ」
良師「俺はただ皆さんと一緒に住みやすい村作りがしたいだけです」
女性E「なら、主人たちが夜な夜な文字を書いてるのをよく見かけるんだけど、アタシらも教えてもらうことはできるかい?朝の畑仕事が終わって、暇なお昼に」
良師「いや…その教師をできるのが俺だけで…」
女性F「主人たちに教える日は無しで、次の日の昼とかで構わないよ」
それだと俺の休みが無いんだっての!
女性G「そりゃ良い!で、どうなんだい?できるのかい?できないのかい?どっちなんだい!」
そんな、◯◯君みたいな言い方で言われても…。
張角『あの大胸筋を動かす芸風がとても面白い彼のことだな』
俺のイマジナリーフレンドは、どうやら芸人さんが大好きみたいだ。
じゃなくて!
その…何だ。
断れないよな。
ハァ、仕方ないこうなったら不眠不休で…ということは無いし何とか体力のやりくりができるか。
この日から、1日交代で、夜は程鄧賊だったものたちに読み書きを教え、昼はそのご婦人方に読み書きを教えた。
それと並行して、色紙に可愛い絵を描いて、子供が楽しんでお手伝いができるような工夫もした。
5ポイント毎にご褒美と交換できるようにした。
お手伝いポイントの方は、5ポイントでお菓子、10ポイントで縄跳び、15ポイントで甘いお菓子、20ポイントで家族で集まって遊べるお馴染みのトランプとした。
ご婦人方ポイントの方は、子供よりもご褒美が高価なので、10ポイント毎にした。
10ポイントで調味料、20ポイントで料理道具、30ポイントで家具とした。
まぁ、ポイントは1日1ポイントなので、最短でも子供はご褒美まで5日、ご婦人方は10日かかる。
これも継続することで、農業の楽しさを学んでもらうためだ。
馬木工「久々に足を運んでみれば、坊主は面白いことを考えたのぉ」
良師「恐縮です馬木工じぃ」
馬木工「確かにこれなら、子供たちもご褒美欲しさに続けやすいかもしれん。よく考えたのぉ。及第点はやろう。そうじゃそうじゃ。今日は、坊主の耳にも話を入れといてやろうと思ってな。青州で政変があってな。済南太守をしていた何進派閥の荀緄殿が十常侍派閥の龔景に敗れ、冀州刺史の王宏様を頼って、こちらに落ち延びてくるそうじゃ」
荀緄って誰だ?
三国志に出てきたっけ?
有名な荀家も色々あるし、まさか関係者なわけないだろうし…うーん…考えてもわからん。
馬木工「おーい、坊主聞いとるんか?」
良師「あ、はい」
馬木工「まぁ、ワシらと同じ何進様の派閥仲間じゃ。こちらに来ることがあれば丁重にもてなすんじゃな」
良師「心に留めておきます」
馬木工「うむ。それではの」
まぁ、落ち延びてくるといってもまだまだ先だろう。
もっともっと、この村を整えていかないと…。
程遠志と鄧茂の囚われた村の人たちを助けるために、足下を固め、力を蓄える。
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