癖の強い木材加工職人
程遠志たちが切った丸太が1箇所に集められたところで、1日目を終了した。
翌日、それを板材に加工しているのは…俺が頼み込んで付いてきてもらった木材加工職人の馬木工と言う人で、黄巾党が好きな人なら知らない人は居ない馬元義という人物の祖父だ。
馬木工「ええぃ!木材は、子供のように大切に扱えと言うておるだろうが馬鹿者!誰が雑に置けと言うたんじゃ!坊ちゃんか?坊ちゃんがそんな事言うたって言うんか?アァ?」
程遠志「いや…その」
この通り職人気質で扱い辛いところもある人として、広宗の民に認知されているが、木材を扱わせたら一級品で、俺は割と可愛がってもらっているらしい…俺のイマジナリーフレンドの張角が言うにはだが。
張角『木材加工なら馬木工じぃに頼むのが1番であろう。昔から坊ちゃん坊ちゃんと割と可愛がって貰っているのでな』
良師「馬木工じぃ、その辺りで」
馬木工「坊ちゃんは、何を言うとるんや!こう言うことはな!初めにハッキリさせとかなアカン!加工前やからって、雑に扱ってええもんとちゃう!そういう気の緩みが粗悪品になるんや」
おーい張角〜、これの何処が気に入られてるんだ?
さっきから10分近くはこの調子でお説教されてるぞ。
張角『厳しいことを言うのは、良師と誠実に向き合っているからだと思うが…今回に関しては雨の中丸太を野晒しにしていた良師にも非はあろう』
良師『ぐっ。それを言われると何も言えないからこうやって、説教を甘んじて受けて…』
馬木工「聞いとるか?聞いとるんか坊ちゃん!また、一から説明せんとアカンか?アカンのか?」
良師「いえ。聞いてます!聞いてました!今回の件に付きましては、こちらの監督不足もあり、木材加工を頼んだ馬木工じぃに多大な御迷惑をおかけして申し訳ございません」
馬木工「まぁ、良かろう。次からは気をつけるんじゃな。さて、では作業に入るとするかの」
クソー。
雨が降るとかわかるわけねぇじゃん!
でも、それを見越して何か上に被せておくとかそういう対策を怠った俺が悪いのは確かなんだよ。
改めて諸葛亮って凄いんだなと思ったぜ…風向きを自在に変えるなんてよ。
ん?
そう言えば、三国志の世界には読むだけで方術が扱えるようになる遁甲天書とか…読むだけで法術を使えるようになる太平清領の書とかいうとんでもアイテムもあるんだったっけ?
何とかして手に入れられたり…とか。
どちらも仙人が所有してるとかで、目にする機会すら…ん?
そこまで考えて、俺は思考を一時停止する。
太平清領の書って、張角が南華仙人から貰ってたよな?
これを読んで感銘を受けた張角が太平道の道を歩んだはず。
このまま時が過ぎるのを待っていれば、いつか貰えるのだろうか?
ほんと、揚惇命先生の作品に出てくる駄女神そっくりで、転生させられた人間に対して大事なことは何も伝えねぇのな。
なんか、地上に引き戻される時もなんか言ってたけど…上手く聞き取れなかったし。
確か、チュー?
この能力を推測するに女の子とのキスが効果抜群に上手くなるとか?
おいおい…待て待て…これは健全な作品で、エロじゃねぇよ!
いや、キスぐらいでエロと認識するのは俺が童貞だからか?
ウルセェわ!
それと、確かやおい?
やおいって、男性同士の恋愛関係を扱う作品って意味だったよな?
どんな能力なんだよ!
意味わかんねぇし、使えねぇよ!
こんなのなら劉義賢みたいに死に戻りとかの方がよっぽど強過ぎるだろ!
寧ろ、それに統一してくれよ!
馬木工「おーい!聞いとるんか坊主!」
良師「イッテェ」
馬木工「何をボーッと突っ立てるんじゃ!出来たぞ」
良師「えっ?」
馬木工「えっ?ではないわい!何を素っ頓狂な声を出しとるんじゃお前さんは…ハァ。昔は可愛かったというのに、どう成長したら人の話を聞かん坊主に成長するんじゃ。やれやれ」
何ということでしょう、あの山積みにあったけど水に濡れてしまった丸太の山が見事な材木へと変化してるではありませんか…。
良師「いや、既に日が傾きかけて?」
馬木工「当たり前じゃ!もしかして、お前さんワシに言われてからずっとここに立ち尽くしていたわけではあるまいな?」
良師「そ、そんなわけ」
馬木工「こんのたわけが!それでもお前さんは、コイツらの面倒を見るという責任を果たしてると言えるんか?エェ?」
良師「す、すみません」
馬木工「謝って済んだら役人は要らんな?要らんよな?エェ?」
良師「馬木工じぃのおっしゃる通りです。はい」
馬木工「何じゃ?今だけしおらしくして、嵐が過ぎ去るのを待とうって魂胆か?アァ?昔のお前さんは、ちゃんと話を聞いて考えておったというに、今のお前さんと来たら情けないんとちゃうか」
良師「そ、そんなことは」
程遠志「なぁ、鄧茂?大賢良師様があの爺さんの前だと小さく見えねぇか?」
鄧茂「俺も全く同じことを思いました。あの爺さん、何者なんすかね?」
管亥「あの人は、広宗の生き字引と言われている人だ。広宗の地を任された張角様の父君がここに赴任するよりも前からこの地にいる人で、張角様の父君も未だにあの御方には頭が上がらないそうだ」
程遠志「…。」
鄧茂「…。」
うぅ、そこの3人、見てないで助けてくれ。
いや、そっぽ向くな!
もう、俺が悪かったのは重々理解したから。
イマジナリーフレンド張角、今こそ俺を助けて!
アイツまで俺を見捨てやがった…。
この後、俺は日が暮れるまでずっと説教され続けたのだった。
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